• "混乱防止"(/)
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  1. 渋谷区議会 2019-02-01
    02月25日-01号


    取得元: 渋谷区議会公式サイト
    最終取得日: 2022-11-23
    平成31年  2月 定例会(第1回)        平成三十一年 渋谷区議会会議録 第一号 二月二十五日(月)出席議員(三十二名)  一番  斉藤貴之     二番  藤井敬夫  三番  近藤順子     四番  松山克幸  五番  伊藤毅志     六番  鈴木建邦  七番  須田 賢     八番  笹本由紀子  九番  堀切稔仁     十番  一柳直宏 十一番  斎藤竜一    十二番  久永 薫 十三番  沢島英隆    十四番  田中匠身 十五番  治田 学    十六番  秋元英之 十七番  田中正也    十九番  佐藤真理 二十番  下嶋倫朗   二十一番  丸山高司二十二番  栗谷順彦   二十三番  小柳政也二十四番  吉田佳代子  二十五番  牛尾真己二十六番  五十嵐千代子 二十八番  木村正義二十九番  染谷賢治    三十番  古川斗記男三十一番  岡田麻理   三十二番  薬丸義人三十三番  苫 孝二   三十四番  菅野 茂欠席議員(なし)欠番    十八番 二十七番-----------------------------------出席説明員    区長            長谷部 健    副区長           柳澤信司    副区長           澤田 伸    会計管理者         藤本嘉宏    経営企画部長        星野大作    情報戦略担当部長      松本賢司    庁舎総合対策部長      佐藤賢哉    総務部長          大澤一雅    財務部長          佐藤哲人    施設整備担当部長      黒柳貴史    危機管理対策部長      山中昌彦    危機管理対策監       吉見 隆    区民部長          菅原幸信    オリンピック・パラリンピック担当部長                  安蔵邦彦    文化・都市交流担当部長   斎藤 茂    福祉部長          藤野貴久    子ども家庭部長       松澤俊郎    子ども総合支援センター長  植竹ゆかり    健康推進部長        山川博之    都市整備部長        加藤健三    まちづくり推進担当部長   江端治朗    土木部長          齊藤和夫    環境政策部長        北原竜也    教育委員会教育長      豊岡弘敏    教育振興部長        鴨志田暁弘    生涯学習・スポーツ振興部長 木下毅彦    選挙管理委員会委員長    大澤禎子    選挙管理委員会事務局長   倉澤和弘    代表監査委員        神田健一    監査委員事務局長      丸山喜弘-----------------------------------事務局職員事務局長  斉藤則行    次長    野島一純議事係長  松嶋博之    議事主査  根岸正宏議事主査  武田真司    議事主査  市川洋子議事主査  杉村洋子    議事主査  井上晴代-----------------------------------       平成三十一年第一回渋谷区議会定例会議事日程              平成三十一年二月二十五日(月)午後一時開議日程第一       会期決定の件日程第二 諮問第一号 人権擁護委員の候補者について日程第三 諮問第二号 人権擁護委員の候補者について日程第四 諮問第三号 人権擁護委員の候補者について日程第五 諮問第四号 人権擁護委員の候補者について日程第六 諮問第五号 人権擁護委員の候補者について日程第七 議案第一号 渋谷区手数料条例の一部を改正する条例日程第八 議案第二号 渋谷区震災対策総合条例の一部を改正する条例日程第九 議案第三号 渋谷区地域交流センター条例の一部を改正する条例日程第十 議案第四号 渋谷区特別区税条例等の一部を改正する条例日程第十一 議案第五号 渋谷区立商工会館条例の一部を改正する条例日程第十二 議案第六号 渋谷区国民健康保険条例の一部を改正する条例日程第十三 議案第十四号 渋谷区営住宅条例等の一部を改正する条例日程第十四 議案第十五号 渋谷区道路占用料等徴収条例の一部を改正する条例日程第十五 議案第十六号 渋谷区立都市公園条例の一部を改正する条例日程第十六 議案第十七号 きれいなまち渋谷をみんなでつくる条例の一部を改正する条例日程第十七 議案第十一号 渋谷区子ども家庭支援センター条例及び渋谷区子ども発達相談センター条例の一部を改正する条例日程第十八 議案第七号 渋谷生涯活躍ネットワーク・シブカツ条例日程第十九 議案第八号 渋谷区災害弔慰金の支給等に関する条例の一部を改正する条例日程第二十 議案第九号 渋谷区指定地域密着型サービス事業等の運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例日程第二十一 議案第十号 渋谷区心身障害者福祉手当条例の一部を改正する条例日程第二十二 議案第十二号 渋谷区旅館業法施行条例の一部を改正する条例日程第二十三 議案第十三号 渋谷区公衆浴場法施行条例の一部を改正する条例日程第二十四 議員提出議案第一号 渋谷区公契約条例の一部を改正する条例日程第二十五 議員提出議案第二号 渋谷区立河津さくらの里しぶや条例を廃止する条例日程第二十六 議員提出議案第三号 渋谷区特別区税条例の一部を改正する条例日程第二十七 議員提出議案第四号 渋谷区高齢者の医療費の助成に関する条例日程第二十八 議員提出議案第五号 渋谷区立宮下公園整備計画に関する検討会条例日程第二十九 議員提出議案第六号 渋谷区心身障害者福祉手当条例の一部を改正する条例日程第三十 議案第十八号 平成三十年度渋谷区一般会計補正予算(第三号)日程第三十一 議案第十九号 平成三十一年度渋谷区一般会計予算日程第三十二 議案第二十号 平成三十一年度渋谷区国民健康保険事業会計予算日程第三十三 議案第二十一号 平成三十一年度渋谷区介護保険事業会計予算日程第三十四 議案第二十二号 平成三十一年度渋谷区後期高齢者医療事業会計予算日程第三十五 議案第二十三号 高齢者ケアセンター跡地複合施設(仮称)建設電気設備工事請負契約日程第三十六 議案第二十四号 高齢者ケアセンター跡地複合施設(仮称)建設給排水衛生設備工事請負契約日程第三十七 議案第二十五号 高齢者ケアセンター跡地複合施設(仮称)建設空気調和設備工事請負契約日程第三十八 議案第二十六号 恵比寿西二丁目複合施設(仮称)建設電気設備工事請負契約日程第三十九 議案第二十七号 恵比寿西二丁目複合施設(仮称)建設給排水衛生設備工事請負契約日程第四十 議案第二十八号 恵比寿西二丁目複合施設(仮称)建設空気調和設備工事請負契約日程第四十一 議案第二十九号 渋谷区高齢者在宅サービスセンターの指定管理者の指定の期間の変更について日程第四十二 議案第三十号 渋谷区グループホームの指定管理者の指定の期間の変更について日程第四十三 報告第一号 専決処分の報告について日程第四十四 報告第二号 専決処分の報告について-----------------------------------   開会・開議 午後一時----------------------------------- ○議長(丸山高司) ただいまから平成三十一年第一回渋谷区議会定例会を開会し、本日の会議を開きます。 この際、会議規則に基づき、一番斉藤貴之議員、三十四番菅野 茂議員を本日の会議録署名議員に指名いたします。 日程に先立ち、事務局長に諸般の報告をさせます。   〔斉藤事務局長報告〕----------------------------------- 本日の会議に欠席、遅刻の届け出の議員はありません。----------------------------------- 本日の会議に出席を求めた説明員は、次のとおりであります。 長谷部区長、柳澤副区長、澤田副区長、藤本会計管理者、星野経営企画部長、松本情報戦略担当部長、佐藤庁舎総合対策部長、大澤総務部長、佐藤財務部長、黒柳施設整備担当部長、山中危機管理対策部長、吉見危機管理対策監、菅原区民部長、安蔵オリンピック・パラリンピック担当部長、斎藤文化・都市交流担当部長、藤野福祉部長、松澤子ども家庭部長、植竹子ども総合支援センター長、山川健康推進部長、加藤都市整備部長、江端まちづくり推進担当部長、齊藤土木部長、北原環境政策部長、豊岡教育委員会教育長、鴨志田教育振興部長、木下生涯学習・スポーツ振興部長、大澤選挙管理委員会委員長、倉澤選挙管理委員会事務局長、神田代表監査委員、丸山監査委員事務局長。----------------------------------- 監査委員から、平成三十年十一月末日現在及び十二月末日現在における例月出納検査の結果について報告がありました。----------------------------------- ○議長(丸山高司) 区長から発言の通告がありますので、これを許可いたします。 長谷部区長。 ◎区長(長谷部健) 本日ここに平成三十一年第一回渋谷区議会定例会を招集し、平成三十一年度予算案を初め多くの議案について御審議をお願いすることとなりました。 この機会に当面する区政の課題について私の所信の一端を申し述べ、区議会及び区民の皆様の御理解と御協力を賜りたいと思います。 私は、平成二十七年四月に、区民の皆様の温かい御支援を賜り、渋谷区長としての重責を担うこととなり、はや四年がたとうとしています。皆様からの期待の大きさを肌に感じながら、諸先輩が築き上げてこられたすばらしい渋谷区をしっかりと継承しつつ、そこに創造性を加え、さらに発展させ、次の世代につなげていきたいとの思いでこの四年間を邁進してまいりました。 手厚い福祉と教育、そして安全・安心のまちづくりに軸足を置き、高齢者や障がいのある人が住みなれた地域で安心して生活し続けられる環境や仕組みの整備を初め、子どもを産みやすく育てやすい環境づくりの推進、ICTを活用した教育環境の強化、区民や来街者の安全・安心の確保、コミュニティの活性化と地域防災力の強化、災害に強いまちづくりの推進など、諸施策の充実に注力してまいりました。 そうした区民の暮らしのベースに立った上で多様性社会の実現に向けた取り組みや「東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会」に向けた気運醸成を推進し、さらには多様化する行政課題や区民ニーズに対応するため、「シブヤ・ソーシャル・アクション・パートナー協定(S-SAP協定)」に代表される産官学民の連携を図ってまいりました。 私は、生まれ育った愛するまち渋谷区を「ロンドン・パリ・ニューヨーク・渋谷区」と言われるような成熟した国際都市にすることを常々標榜しています。この実現を視野に入れ、就任二年目には、二十年先を見据えた新たな「渋谷区基本構想」を策定し、「ちがいを ちからに 変える街。渋谷区」を未来像に掲げ、分野別施策の方向性をお示ししました。今後、この基本構想を実効性のある施策として展開し、区民の誰もが、心から人生の豊かさを感じられる社会の実現に向けて、誠心誠意努力してまいります。 以下、具体的な施策について申し上げます。 初めに、新庁舎の開設に伴う職員の働き方についてです。 去る一月十五日、仮庁舎からの移転が完了し、無事に新庁舎の開設を迎えることができました。 この庁舎建替えについては、東日本大震災を契機として、平成二十五年に区議会に特別委員会が設置され、区と区議会が一体となって取り組んでまいりました。手狭な仮庁舎では区民の皆様に御不便をおかけしましたが、近隣の皆様の御理解と御協力により円滑に運営することができ、区政を停滞させることなく新庁舎の開設に至ることができました。この場をおかりして、関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。 新庁舎の開設を端緒として、職員が新しい環境を十分に活用する働き方を意識しながら実践する、ワークスタイル改革を進めるとともに、現在策定を進めている「渋谷区人材育成基本方針」により、職員の能力向上や意識改革を図ることで組織の血流をよくし、ダイバーシティとインクルージョンを大切にし、仕事を自分で創造する新しい自治体の姿を実現してまいります。 次に、福祉についてです。 超高齢社会が進展していく中、私は、高齢者福祉施策を本区の最重要課題の一つと捉え、高齢者が安心して住みなれた地域で暮らし続けられるよう、様々な施策を展開してまいりました。 昨年の特別養護老人ホーム「渋谷区つばめの里・本町東」の開設に続き、高齢者ケアセンター跡地に新たな特別養護老人ホームを建設するとともに、恵比寿西二丁目の複合施設には、認知症高齢者グループホームに加え、医療ニーズの高い在宅要介護高齢者を支援する施設として、訪問・通所・宿泊の複合的なサービスを提供する区内初の看護小規模多機能型居宅介護事業所を整備します。 また、人生百年時代を迎える「超長寿社会」において区民一人一人が豊かで充実した人生を送るためには、各々の経験や能力を生かし、生涯を通じて元気に活躍できる場につなげる支援が必要です。 間もなく現役を退くプレシニア世代や元気に活躍されているアクティブシニア世代をメーンターゲットに、渋谷区でいつまでも元気に楽しく活躍していただくための活動の拠点として「渋谷生涯活躍ネットワーク・シブカツ」を本年七月、渋谷ヒカリエ八階に開設する予定です。 「シブカツ」では、区の事業だけでなく、NPOなど民間の活動の情報を一元的に集約し、利用者のニーズに合わせて情報提供します。また、社会活動を実践している経験者によるセミナーの開催、培ったスキルを生かす社会参加への機会の提供など、新たな働き方を紹介する支援も行ってまいります。さらに、S-SAP協定を締結している区内八大学や民間企業と連携した渋谷区ならではの新たな学びの場「渋谷ハチコウ大学」の開校など、多様な選択肢を提供できるよう、コンテンツの充実に努めてまいります。 障がい者施設については、「はぁとぴあ原宿」の隣接地に、重症心身障がいのある方や医療的ケアを必要とする人の通所施設などを整備するため、基本設計に着手します。さらに、幡ヶ谷二丁目の高齢者共同住宅跡地を活用し、民間事業者による知的障害者グループホーム、短期入所、特定相談支援事業の運営を支援します。 また、相談支援体制の充実を図るため、新庁舎五階に開設した「基幹相談支援センター」を中心に、地域の相談支援事業所を対象とする事例検討会や研修会を新たに実施します。 障がいのある人の社会参加の促進については、まず、障害者団体連合会を通して御要望いただいていた心身障害者福祉手当について、対象を精神障害者保健福祉手帳一級の所持者へ拡充します。同じく要望の多かった移動支援の充実についても、就労支援事業所を利用する人の通所支援に新たに導入するとともに、ヘルパー養成講座の定員を増やし、支援者の確保に努めてまいります。 就労支援については、新庁舎でスタートした障害者臨時職員の定員を三名増やし五名とし、今年度からチャレンジしている障がいのある人の超短時間雇用「ショートタイムジョブ」の制度化を目指して取り組みを加速させます。 なお、本年四月からは、これまで地域保健課が所管していた精神障がいと難病の事業を障害者福祉課に移管し、障害福祉推進計画に基づく施策や事業を一体的に推進してまいります。 次に、被保護世帯の子どもの支援についてです。 養育者と子どもの双方を対象に、アウトリーチを通じて、子どもの進学に向けた支援や、養育者に子どもの将来の生活を考えるきっかけづくりの支援を行う学習支援事業を実施するとともに、中学二年生と三年生を対象に、提携する教育機関でクーポン券を利用して通塾などの教育支援を受けることができるスタディクーポン事業を実施します。 子どもが、経済的な事情を理由に進路の選択肢が狭められることがないよう、将来の自立に向けた支援に取り組んでまいります。 次に、子育てについてです。 平成三十一年度の子育て支援の中心的施策となるのが「渋谷区子育てネウボラ」の実施です。 基本構想に掲げる「出産前から、子どもが成長した後に至るまで、子育てを切れ目なく支援する街」の実現のため、妊娠期から十八歳までの子育てについて、健康推進部、子ども家庭部、教育委員会の連携のもと、一貫した支援を行う体制を構築します。 本年五月には、施設統合の第一段階として、中央保健相談所、子ども家庭支援センター、子ども発達相談センターを第二美竹分庁舎に集約し、「渋谷区子育てネウボラ」の事業を開始します。あわせて、サービス面での充実を図り、妊婦全数面接の実施、育児パッケージの配付など、区から出産を祝うメッセージを伝えるとともに、大学との連携により妊婦の身近な相談役としての保健師の育成を図り、育児不安など問題の早期解決につなげていきます。 再来年八月には、「渋谷区子育てネウボラ」を神南分庁舎跡地に開設し、子どものいる家庭全てを包括的に支援する拠点施設として、「出会い、語り、繋がり、地域を挙げて子どもを育てる場」を実現してまいります。 「ネウボラ」の実施により、これからも子どもと子育て世帯を包み込む、本区ならではの手厚い支援を提供してまいります。 待機児童の解消は、私が最も力を入れてきた施策の一つです。入園を待ち望む多くの区民の切実な声に応えるべく、スピード感を持って整備を進めた結果、認可保育園の定員は、平成三十年度には五千六十六人となり、平成二十七年度から千七百五十人の大幅な定員拡大を実現しました。 こうした施設整備に加えて、待機児童の居宅にベビーシッターを派遣する居宅訪問型保育事業や認可保育園の空きスペースにおいて待機児童を一時的に受け入れる期間限定型保育、企業主導型保育所における区民枠の確保など、多様な手法により、増加する保育需要に適切に対応してまいりました。 本年四月には、認可保育園、二園、七月には小規模保育園、一園、十月には認可保育園、三園の計六園の開設を予定しており、認可保育園の定員を合計で四百三十六人増やす予定です。また、十月には、幼児教育無償化を控えておりますが、今後も待機児童ゼロを目指して対策を進めてまいります。 次に、「こどもテーブル」事業の拡充についてです。 「渋谷区こどもテーブル」は、食事提供、居場所づくり、学習支援等を通じて、子どもたちが抱える様々な問題に対し、地域の力で子どもたちを支援する取り組みです。昨年から開始し、本年四月には区内に七十カ所を数えることになります。 来月、恵比寿に「こどもテーブル」の活動拠点「景丘の家」が開設します。キッチン・ダイニングスペースが整備されたこの施設は、食事の提供や様々なワークショップの開催等を通して子どもたちの居場所となるとともに、土間や囲炉裏、乳幼児スペースやスタジオなども備え、世代を超えた交流ができる場所としても期待できます。また、新たに「こどもテーブル」を始めようとする方の相談体制を整えるなど、「渋谷区こどもテーブル」の中心的な役割を担い、事業の拡充にも資する施設となります。 次に、教育についてです。 初めに、今月三日に、東京都教育委員会が主催する第十回中学生東京駅伝大会が開催され、渋谷区立中学校の代表選手が、全五十チーム中、男子の部で三位、女子の部で四位、男女総合で三位という快挙を果たしました。報告会で子どもたちや教員から話を聞き、この快挙は子どもたちがチーム一丸となり目標に向かって努力を重ねたことはもとより、教員や保護者の皆様の熱い指導、サポートがあってこそ初めてなし得たものだと思いました。関係者の皆様には、この場をおかりし、改めてお祝いを申し上げます。おめでとうございます。 続いて、地域とともにある学校づくりに関する取り組みです。 先ほどの駅伝大会の話のように、子どもたちを支え、多様な教育ニーズに応えるためには、教員だけでなく、保護者や地域の方々が学校活動に参画していくことが大切です。近年、地域総ぐるみで子どもたちを育む社会に開かれた教育課程の重要性が着目されています。本区は、これまでもコミュニティ・スクール化を進めてきたところですが、学校と地域の連携がこれまで以上に求められる新たな学習指導要領が全面実施となる再来年度までに、区立小中学校を全てコミュニティ・スクールに移行し、地域の教育資源を積極的に学校活動に取り入れるよう、支援してまいります。 ICT教育の充実に関する取り組みですが、教育委員会では、昨年「SHIBUYAの授業スタイル」の作成・配布や、広報誌「しぶやの教育」を通して、全小中学校におけるタブレット端末の活用事例の周知を行うなど、ICT教育を推進しています。各校が学校だよりやホームページを通じ、活用状況を発信しているところを見ると、児童・生徒、教員のタブレット端末の利用が昨年度に比べ日常化してきたものと考えます。来年度は、タブレット端末の活用の質をさらに高めるため、ICT教育のアドバイザーを派遣するなどの支援を考えています。今後は、外部機関が行う学校情報化認定制度を活用するなど、タブレット端末の導入効果の測定についても取り組んでまいります。 次に、安全・安心のまちづくりについてです。 昨年のハロウィンでは、車が路上で横倒しにされ、その上に乗って一部の人間が騒ぐなどの様子が報道され、逮捕者が出る事態となりました。直前の土日を含め、スクランブル交差点やセンター街では、多くの外国人を含む仮装した人やその見物人がひしめき合い、大量のごみや割れた瓶、嘔吐物などが街に散乱するなど、渋谷駅周辺は収拾がつかない状況を呈していました。警察がやむを得ず実施した道路の開放だけではもはや対策も十分ではない状況が生じています。 私も節度あるハロウィンに向けて、事前に終電までの帰宅を促すメッセージを発信したり、コンビニエンスストアに瓶入り酒類の販売の自粛をお願いしたりしました。また、ごみ収集のためのエコステーションを設置し、ごみ拾いのボランティアの応援などの取り組みを進めてきたところです。ハロウィン翌日の十一月一日の朝は、ボランティアの皆様だけでなく、地元の商店街や町会の皆様、さらには渋谷地区美化推進委員会の御協力による清掃活動の結果、一年で最もきれいな渋谷駅周辺になったことも事実です。 とはいえ、渋谷を愛し、大切に思う地元の商店街や町会、渋谷に集まってくる多くの方々にとっては、ハロウィンの夜の渋谷が安全・安心からはほど遠い、危険で看過できない状況となっていると認識しております。 そこで、今後のハロウィンを改善するための対策を検討する会を、地元の商店街や町会、警察、行政、青少年対策地区委員会、民間の関係者に声がけをして近日中に開催する予定です。有料制を含めたイベント化による人数制限や、路上における飲酒禁止を含む規制の検討、道路開放を含めた交通規制のあり方など、多方面からの提案やアイデアについて議論いただきながら、六月を目途に答申をいただき、方向性を定め、具体的な方策の実現に向けて動き出したいと考えております。 本区は、犯罪の防止はもとより、犯罪発生後の迅速な対応に資することを目的として、防災カメラの設置を推進し、今年度までに、通学路を中心に合計百四十台を設置しております。 「東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会」を見据え、安全で安心な都市基盤の充実を図るため、平成三十一年度は、通学路等における増設と商店街に対する設置助成を継続しつつ、区立公園においても大幅に拡大するなど、合計四百台を超える防犯カメラを設置し、犯罪の防止及び近隣への迷惑行為や公園利用者のマナー違反等を未然に防ぐ対策を講じてまいります。 振り返れば、平成は地震災害が多発した三十年間と言えます。記憶に残るだけでも、平成七年の阪神・淡路大震災、平成十六年の新潟沖中越地震、平成二十三年の東日本大震災、平成二十八年の熊本地震、そして昨年の北海道胆振東部地震、これら以外にも多くの地震が発生し、とうとい人命や財産が失われました。 本区は、地震による被害を最小にするという考え方に立ち、新庁舎開設に合わせ、渋谷ヒカリエにあった防災機能を新庁舎に移転し、大地震等が発生した場合には、タイムラグなく、八階フロアの全ての会議室を災害対策本部として運用し、防災関係機関が参集する中で地域の被害情報の収集や分析、あるいは応急対策の検討や実行、避難指示等の情報発信を行います。 その災害対策本部の活動を支えるため、移転を機に、防災システムを刷新しました。このシステムは「使いやすさ」と「見やすさ」を追求したもので、災害対策本部において地域の災害情報を迅速かつ正確に把握することが可能となり、発災時に必須となる本部の意思決定をサポートします。これにより、避難所や帰宅困難者支援施設の開設状況や避難勧告といった重要情報をよりスムーズに、スピーディーに発信できるようになりました。 また、被害を最小にするためには、区民の皆様自らが、日ごろの備えや災害時の行動などの知識を身に着けることが重要です。今年度の地域防災計画の改正を踏まえ、区民防災マニュアルの改訂版を各戸配布し、自助、共助の一層の向上を図ってまいります。 次に、喫煙対策についてです。 本区ではこれまで、たばこの吸い殻のポイ捨て禁止や分煙ルールを定め、歩行喫煙や決められた場所以外での喫煙を禁止してきました。東京二〇二〇大会が開催される来年は、国内外から一段と多くの来街者が訪れることが予想されます。 そこで、本区としては、区民の生活環境を守ることはもちろんのこと、来街者にも気持ちよく訪れていただけるよう「きれいなまち渋谷をみんなでつくる条例」の改正案を本定例会に上程しております。路上や公園等の公共の場所での喫煙を禁止することで、区民や来街者を受動喫煙から守るとともに、安心して子育てできる環境を整えていきたいと考えています。 実効性を担保するため、分煙対策指導員を大幅に増員し、違反者から過料を徴収することで、公共の場所等での喫煙対策の強化を図り、生活環境の向上に取り組んでまいります。 次に、まちづくりについてです。 まず、「本町防災都市づくりグランドデザイン」についてです。 本町地区において包括的な防災まちづくりの施策を新たに展開する、まちの総合的な「グランドデザイン」を検討・策定します。これまで「防災まちづくり」として取り組んできた木造住宅密集地域における避難路の確保や不燃化促進に加えて、次のステップ「防災都市づくり」として、区有地の有効活用や公共施設の再編等を含め土地利用を総合的に検討するとともに、環境や地域コミュニティも配慮した「グランドデザイン」を策定し、スピード感を持って地域の防災性を向上させる取り組みを進めます。 「グランドデザイン」の策定に当たっては、地域の皆様の意見を伺うとともに、本町まちづくり協議会にも協力をいただきながら具現化してまいります。 次に、平成二十九年にスタートした「ササハタハツまちづくり」の延長線上にもある「西参道プロジェクト」についてです。 私は、代々木地区は新しいファッションやライフスタイルを生み出す風土があると感じています。街の特性を生かしながら、「西参道プロジェクト」として、首都高速道路高架下の新たな利活用について検討を始めます。来年、創建百周年を迎える明治神宮に通じる参道を意識した新しい街の息吹を創出していきたいと考えています。 現在、公園や放置自転車集積所として利用している高架下空間をどのような活用の仕方が可能かを検討し、あわせて新たな産業を育成する手法や参道らしいにぎわいを創出するための取り組みなど、複合的な施策の展開について検討してまいります。 次に、オリンピック・パラリンピックについてです。 来月十二日には「東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会」の開催五百日前となります。来年度も区内開催競技を中心とした気運醸成事業の取り組を一層推進してまいります。 競技を見て知って感じる「リアル観戦事業」の実施や区内で開催予定の国際大会の観戦・応援に加え、新庁舎十五階の「スペース四二八」を活用しての各競技の写真展示やミニ体験会の開催、さらに、フェンシングのトップアスリートの学校訪問による体験事業などを実施してまいります。 また、多様な個性が交じり合った文化・音楽・ファッションなどのコンテンツを見て、参加する「文化プログラム」については、東京二〇二〇パラリンピックの一年前イベントとして開催します。その企画・運営には、区内大学の連携による若者が参画し、多様性や共生社会への理解を深めていきます。 次に、キャッシュレス決済の導入促進についてです。 東京二〇二〇大会の開催を控え、外国人観光客の増加や、本年十月の消費税率引き上げに伴う国の対策などにより、消費者のキャッシュレス決済に対するニーズは一層高まることが見込まれます。 本区においても、こうした状況を商店街のビジネスチャンスと捉え、これまでキャッシュレス化への不安や負担から導入が困難だった中小規模の店舗に対し、決済端末導入の補助とともに、ソフト面を含めた丁寧なサポートを行い、区内全域にキャッシュレス化を推進していきます。平成三十一年度は、約五百台の決済端末の導入を進めます。QRコード決済を初め、多様な決済手段への対応を促進し、区民や国内外からの来街者の利便性を高めることで、区内の消費拡大と商店街の活性化につなげ、キャッシュレスシティ・シブヤを実現していきます。 最後に、平成三十一年度予算案の財政規模について申し上げます。 平成三十一年度一般会計歳入歳出予算額は九百二十三億九千五百万円であり、前年度比一・五%の減となっております。これは、新庁舎のICT基盤整備事業に係る経費及び初度調弁の減が主たる要因です。 これに国民健康保険事業会計等の三特別会計、四百四十六億九千百十五万三千円を加えた各会計の合計額は千三百七十億八千六百十五万三千円で、前年度比〇・九%の減となっています。 本定例会には、ただいま申し上げました予算案等を含め、条例案十七件、平成三十年度補正予算案一件、平成三十一年度当初予算案四件、契約案件六件、指定管理者の指定案件二件、人権擁護委員の諮問五件、報告案件二件を御提案しております。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。   〔「区長、国には公園計画を出したんですか」の声あり〕 ○議長(丸山高司) 静粛に、静粛に。退場を命じます。退場。 地方自治法第百三十条の規定により退場を命じます。速やかに退場してください。   〔「弱者の居場所、寝場所をつくれ。奪うな」「弱者排除は許しませんよ、区長。仮庁舎の解体、排除できませんからね」「三井不動産との背任容疑、明らかになったらちゃんと賠償してくださいよ」「お願いします」「宮下公園を返せ」の声あり〕 ○議長(丸山高司) 速やかに退場してください。   〔「宮下公園の電気代って半額という話ですが」「弱者の寝場所を奪うな」「いいですか、区長」「頼むよ」「公園潰すな」「防災考えるんやったら三井不動産のビル建ててたらまずいやんか。ずぶずぶやな」の声あり〕----------------------------------- ○議長(丸山高司) この際、区政一般に関する質問を許可いたします。 なお、事前に質問の通告がありましたから、順次指名いたします。 十一番斎藤竜一議員。 ◆十一番(斎藤竜一) 私は、渋谷区議会自由民主党議員団を代表して、区長並びに教育長に質問いたします。 本年一月十五日に新庁舎が開設し、初めての定例議会が本日から始まります。伝統と歴史ある渋谷区議会の新庁舎での本会議において、そのトップバッターとして質問できますことを、この上ない名誉と受けとめ、責任会派の代表として質問をさせていただきます。 初めに、平成三十一年度の予算編成について伺います。 一月の内閣府の月例経済報告では、景気は緩やかに回復しているとし、先行きについては、雇用、所得環境の改善が続く中で、各種政策の効果もあって緩やかな回復が続くことが期待されるとする一方、知的財産権侵害など中国の構造問題に端を発した昨年七月のアメリカ、中国相互による追加関税の実施から続く両国の貿易問題は解決しておらず、報告の中でも通商問題の動向が世界経済に与える影響や中国経済の先行きなど海外経済の不確実性、金融資本市場の変動の影響に留意する必要があると示されています。 このような状況の中、本区の平成三十一年度の一般会計当初予算案は九百二十三億九千五百万円、当初予算ベースで前年比十三億七千三百万円、率にして一・五%の減、また国民健康保険事業、介護保険事業、後期高齢者医療事業の特別会計を含めた合計は千三百七十億八千六百十五万三千円、率にして〇・九%の減で計上されています。 区長が実質的にかかわった平成二十八年度の一般会計当初予算八百四十五億五千二百万円から毎年増加してきた中で、長谷部区政として初めて前年度比で減少しましたが、新庁舎開設経費の大幅な減少などを考えると、ほぼ同規模の予算案と理解するものであります。 渋谷区が抱える様々な課題に対して施策を進めていくための財政的な裏づけとして、歳入の大宗をなす特別区民税は、納税義務者数の増、また譲渡課税の増を見込んで四百七十四億五千万円弱、率にして前年度比三・六%の増を見込んでおりますが、これも将来にわたって永続的に担保されるものではないと考えます。 そこで、区長に伺います。 昨年の第一回定例議会での将来的な人口と税収の展望についての私の質問に対し区長は、「比較的に税収が伸びている現在の情勢下で区が行うべきことは、様々な施策を大胆かつ迅速に推し進め、人口減少のメカニズムが起動する前に先手を打つこと」と答弁されております。中長期にわたる強固な財政基盤を構築するために、今回の当初予算案では基金と起債の活用を控えていることは承知しておりますが、少子高齢化対策や学校施設を含めた公共施設、インフラの老朽化対応など、今後、歳出増が想定される中、本区が区民の生活の向上に責任を持ち、手厚い福祉と教育を将来にわたって持続可能な行財政運営のもとどのように構築していくのかお答えください。 次に、防災について伺います。 あと二週間ほどで、未曽有の災害である東日本大震災が発生した平成二十三年三月十一日から八年が経過しようとしています。この巨大地震と巨大津波によりとうとい命が多く失われました。改めて犠牲になられた方々やその御遺族の皆様にお悔やみを申し上げます。 この東日本大震災を例に挙げるまでもなく、まさに平成の三十年間は自然災害にさいなまれた三十年間と申し上げても過言ではないと思います。 特に昨年にあっては、地震災害で言えば、島根県西部地震、大阪北部地震、北海道胆振東部地震などが発生し、先週もまた北海道で最大震度六弱の地震が発生いたしました。 また、風水害で言えば、西日本を中心に北海道や中部地方を含む全国的な範囲で被害をもたらした平成三十年七月豪雨や台風二十一号、二十四号など、広範囲にわたって日本列島に爪痕を残しました。これらの台風による被害では、渋谷区内でも街路樹等が倒れたと聞いています。 近年、想定外の災害が多く発生する状況を踏まえて、本区ではさらなる防災力の向上のため、新庁舎開設を契機に、渋谷ヒカリエの防災機能を新庁舎八階に移転を行い、さらには防災情報システムを一新しております。 しかしながら、いかに最新のシステムであっても、運用する側のスキルやルールが確立していないと災害時には活用はおろか、システムがマイナスの作用を引き起こしかねません。大規模な災害時に備え、災害対策本部が十分に機能を果たすためにも、全ての職員のスキルアップが重要です。 そこで、新しい防災情報システムについて区長に伺います。 職員のスキルアップだけではなく、避難所を運営する自主防災組織関係機関等との連携、区民との発災時における正確な情報の共有も必須と考えます。防災アプリなどを活用して被災状況を提供していただき、それをスピーディーに発信することにより、デマなどによる二次被害を防ぐ対策を今後どのように進めていくのか、課題と展開について伺います。 これまで区内には宇田川町と代々木の二カ所に震度計がありましたが、この防災システムでは、東京ガスのシステムを採用することにより約百カ所で震度を確認することができるようになると伺っています。これらデータは区の財産でもあると思いますが、今後の活用について考え方を伺います。 先ほども述べましたが、昨今の災害を考えると、この防災システムは地震だけではなく、あらゆる災害に活用すべきと考えます。台風や集中豪雨など、自然災害時での活用についてどのようにお考えか、区長の所見を伺います。 次に、渋谷区地域防災計画についてお尋ねいたします。 まさに地域防災計画は、基礎的自治体である区市町村の地域防災に関しての考え方や取り組みを整理し、述べられたものであります。この渋谷区地域防災計画は、平成三十年に二回の防災会議を経て、ほぼ五年ぶりに修正を行い、二月に区のホームページ等で公表しております。修正された点を具体例に申し上げれば、医療救護対策や要配慮者対策、帰宅困難者対策、加えて区民生活の早期再建の整備などが挙げられます。 そこで、現在の状況や今後の取り組み状況について何点か区長にお尋ねいたします。 まずは、災害時における医療救護対策についてです。 医療救護対策については、保健医療調整本部を設置し、渋谷区医師会、渋谷区歯科医師会、渋谷区薬剤師会と連携して災害医療体制を構築するとしていますが、これまでの取り組みと今後の取り組みについてお聞かせください。 次に、要配慮者対策についてです。 要配慮者対策は、避難所の居室等の確保、二次避難所の開設の充実を図っていると聞いていますが、移動などに負担が多いなどの課題について、さらに積極的な支援を取り組むべきではないでしょうか。現在の進捗状況と今後の取り組みについてお聞かせください。 次に、「帰宅困難者対策」についてです。 地震等により公共交通機関が運行を停止した際には、帰宅困難者対策協議会、駅周辺事業者と連携して混乱防止を図り、帰宅困難者の受け入れ施設を開設することとなっていますが、現在の進捗状況と今後の取り組みについてお聞かせください。 次に、区民生活の早期再建についてです。 災害対策基本法の改正により、区長は住家の被害について罹災証明書を交付しなければならないと規定されたことから、被災者生活再建支援システムを導入し、罹災証明書の発行、被災者台帳の作成を行うと聞いています。これらのシステムの内容と今後の活用についてお聞かせください。 続けて、区民の安全・安心を担保するためのもう一つのかなめである「防犯対策」について区長に伺います。 二月四日にプレス発表された渋谷区当初予算の概要において、個別事業概要の最初のページに「防犯カメラの設置拡充による安全・安心の確保」がうたわれており、一億四千六百万円の予算が計上されています。 これが最初に掲げられているというところに、区長のまちの安全・安心に対する強い思いを感じますが、防犯カメラといえば、昨年のハロウィンの騒動の当事者を防犯カメラやSNSの投稿画像などにより、調査機関が思いのほか早く犯人を特定し、検挙に結びつけたことは記憶に新しいと思います。 なお、このハロウィンについては、検討会も近々開催される予定と伺っておりますので、区民や来街者が安心できる効果的な対策を打ち出していただけるよう期待いたします。 さて、繁華街から住宅地に視点を移しますと、今年に入って特殊詐欺グループの犯行の手口である「アポ電」に始まる強盗事件が代々木警察署管内で連続発生し、治安がよいと思われていた閑静な住宅地や商店街での凶行に衝撃が走りましたが、この事件についても犯人グループと思われる者たちが防犯カメラに写っている模様が、報道でも流れておりました。いち早く事件が解決し、区民の不安が解消されることを、ただ願うばかりです。 本区では、安全対策の一環として、全区立小学校の通学路に一校当たり五台ずつ、防犯カメラを、区立公園の七公園に計三十二台の防犯カメラを既に設置しております。平成三十一年度は通学路を含めた公道における防犯カメラの設置拡充を進めるとともに、商店街における設置の助成や区立公園等に約三百台を設置拡充することも予定されておりますが、これらの取り組みは、先ほど述べた騒動や事件の抑止力につなげていかなければなりません。 そこで、区長に伺います。 基本構想の重点項目にもなっている区民や来街者の安全・安心の確保は、決して東京二〇二〇大会に向けたものだけではないと私は考えます。例えば二〇一二年にオリンピック・パラリンピックが開催されたイギリスのロンドン市では、政府の主導による開催に向けたテロ対策などの防犯対策への取り組みがその後の治安にも大きく寄与し、市民の安全確保、安心感の向上はもとより、観光客の増加にもつながっていると伺っております。 本区においても、来年に控えた東京二〇二〇大会後において、区民生活の安全確保と安心感を向上させ、来街者が安心して訪れることができるまちづくりを区の主導により強力に進めていくことが必要と考えますが、今回強化される区立公園等における防犯対策を初め、今後の安全で安心なまちづくりに向けた区長の強い思いをお聞かせください。 また、公園については、ほかの区で公園内の禁止事項などを多言語で放送しているという事例を仄聞しております。ダイバーシティを標榜している本区でも取り入れたらいかがでしょうか。あわせて区長の所見を伺います。 次に、福祉に関連して、二点伺います。 まず初めに、福祉で伺うのは少し違和感がありますが、担当所管が高齢者福祉課ということなので、「渋谷生涯活躍ネットワーク・シブカツ」について伺います。 国は、昨年六月に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針二〇一八」の中で、高齢者雇用の促進について、「年齢による画一的な考え方を見直し、全ての世代の人々が希望に応じて意欲・能力を生かして活躍できるエイジフリー社会を目指す」としております。 東京都も、首都大学東京において、生涯学べる百歳大学として、五十歳以上を対象とした「プレミアムカレッジ」を今年四月から開校するなど、様々な生涯現役に向けた取り組みを進めようとしています。 そのような中、区長は、人生百年時代を見据え、プレシニア世代からアクティブシニア世代までの方に対し、新たな活動の場を提供する拠点として、渋谷ヒカリエ八階に「シブカツ」を開設することを所信で述べられました。 この事業は、おおむね五十五歳以上の方を対象に、情報発信やマッチングなどを行うと伺っております。また、渋谷区では既に高齢者の社会参加事業として「シニアいきいき大学」での講座を開催しておりますが、今回の取り組みでは、世代の違いやカルチャースクール的な講座の多い「シニアいきいき大学」とは違った専門性のある講座を中心に、区内八大学やS-SAP企業などと連携を図って、新たな学びの場として「渋谷ハチコウ大学」を設置するとも伺っております。 平成三十年第三回定例会において、当時は仮称であった生涯現役サポートセンターの事業内容について会派で質問しておりますが、区長は答弁で、この事業にはコンセプトが大きく二つあり、一つが「学び」、そしてもう一つが「就労」と述べておられました。特に、高齢者の就労については国も積極的に取り組んでいくこととしていますので、生涯現役の観点から、この就労支援について具体的にお聞きしたいと思います。 これまで様々な分野で働いてきた区民の中には、職業上のスキルや専門知識を持たれている方が多いと思われます。しかし、残念なことに退職後、何十年と培ってきたこれらのノウハウを生かしたいと考えても、実際にできない方も多くいらっしゃると思います。また、その専門性を生かして起業を希望される方や、生活のためではなくその技術を伝えていきたい方など、様々なケースがあると考えられます。 そこで、区長に伺います。 「シブカツ」では、このような個別のニーズに対してどのように対応し、そしてどのようにマッチングを進めていくつもりなのか、所見を伺います。 また、経理事務に専門的な知識を持った方を町会やシニアクラブなどにマッチングして、会計の手助けをしてもらうことにより、現役を退いた方がなかなか地域に溶け込めないという現状の解決にもつながるのではと考えます。 その意味でも、先ほど「福祉になじまない」とも述べましたが、高齢者福祉だけではなく、生涯学習振興や地域振興とも連携した事業として進めるべきと考えますが、あわせて区長の所見を伺います。 次に、障がい者福祉について伺います。 障がいのある人が、その違いにかかわらず暮らし続けるためには、信頼できる相談先、充実した日々の活動、そして保護者亡き後も安心して暮らせる環境づくりが大切であると思います。 区長発言でも述べられておりましたが、この環境づくりの面でも、はぁとぴあ原宿の隣接地に建設される障がい者施設は、これまで区内に未整備であった重症心身障がいのある人や医療的ケアを必要とする人の専門施設を中心に、宿泊体験の場としての短期入所やリハビリのための機能訓練も兼ね備えた拠点施設として大いに期待するところでありますし、幡ヶ谷二丁目の高齢者共同住宅跡地を活用して整備されるグループホームは、親亡き後を心配する多くの保護者の心の支えになるとも思います。 また、昨年の第四回定例会で我が会派が提言した精神障がいのある人への支援についても、先ほど区長から、心身障害者福祉手当の対象に新たに精神障害者保健福祉手帳一級の所持者を加えるとの発言がありました。 施設など、ハードの整備に加え、手当の支給拡大も図られることは、障がいのある人の生活向上に大きく貢献するものと評価いたします。 そして、これらの取り組みに加え、障がいのある人の社会参加をさらに広げるために必要なことが、障害者団体連合会からも要望の多い移動支援の充実であり、来年度予算において就労支援事業所への通所支援が実現することは大きな進展と考えます。 そこで、この通所支援を導入するに至った経緯と具体的にどのような効果を期待しているのか、区長の所見を伺います。 また、新庁舎開設に合わせて五階に基幹相談支援センターがオープンし、障害福祉推進計画の基本目標「自己決定を支える相談体制をつくります」の実現が期待されるところですが、この目標を達成するには、日ごろから障がいのある人や家族の相談に応じ、サービスの利用プランを作成し、心のよりどころともなる地域の相談支援事業所の充実が欠かせないと考えます。 しかし、残念ながら、区内では相談支援事業所や相談員がなかなか増えない現状にあるのも事実です。 そこで、持続可能な相談支援事業を支援するために、区として具体的にどのような取り組みを進めるつもりなのか、区長の所見を伺います。 次に、子育て環境について伺います。 昨年三月、目黒区で当時五歳の女の子が父親から虐待を受けて死亡するという痛ましい事件が発生し、幼い子どもの命をいかにして守るか、児童相談所や行政の関与のあり方などが連日のように報道されておりました。この事件を受け、都では、児童相談所の体制について、児童福祉司や児童心理司などの職員の増加や夜間、休日の相談の充実など、体制強化の方針を打ち出したところです。 恐らく各地の児童相談所でも同様の体制強化を図っていたであろう矢先、今年一月に、またしても十歳の女の子が父親からの虐待で死亡するという痛ましい事件が千葉県野田市で発生してしまいました。親による子どもへの虐待による死傷事件は後を絶たず、虐待を未然に防ぐことの難しさを改めて思い知らされます。 地域住民にとって最も身近な基礎自治体である特別区では、地域での連携がとりやすくなるとして、区立の児童相談所の設立認可を国へ要望し続け、平成二十八年六月公布の「改正児童福祉法」により、ようやく特別区での設置が可能となりました。 本区における児童相談所の特別区移管については、平成二十八年十一月の第四回定例会において、我が会派の代表質問で区の考え方と今後の対応についてお聞きしております。 当時の答弁では、「区に児童相談所を設置することで、課題とされてきた虐待対応においては、その緊急度に即した初動対応が迅速に行えるようになり、これまで培ってきた地域の方々との連携により、きめ細かいフォローが可能になるなど、地域特性を生かした一体的な支援が展開できるものと期待する」との前向きな姿勢を示されました。 しかし、現在の状況では、法により配置が規定されている児童福祉司の人材確保や育成の問題、既存施設や専門職員の身分切りかえに否定的な都との協力体制の構築、一時保護所の整備や児童相談所設置市が担う十四業務に係る基準の統一問題など、区自前の児童相談所の設置には依然として様々な課題があるのも承知しております。 現状では、二十三区中二十二区で区立児童相談所の独自開設の意向を示しているものの、二〇二〇年度での開設を目指しているのは江戸川、荒川、世田谷の三区にとどまっている現状に鑑み、本区としては当面の間、都の今後の動向や先行して開設する三区の状況を見ながら準備を進めていくべきとも考えます。 そこで、これらを踏まえて質問します。 先日の文教委員会で、児童の虐待死という事案を渋谷区では絶対に出さないために、まず「虐待を起こさせない、小さな芽のうちに摘み取る」との子ども家庭支援センター所長からの強い決意を伺ったと仄聞しております。 報道によれば、児童虐待に関する情報共有について、大田区では区内の五つの警察署と協定を結び、虐待の疑い段階の情報も共有することで、深刻な被害を出す前に虐待の早期発見、早期予防につなげるとのことです。 本区では、「渋谷区要保護児童対策地域協議会において、地域機関のネットワークを構築し、虐待を含む支援を必要とする様々な事案の情報を共有している」と伺っておりますが、虐待の疑いの段階からの情報の共有はどのように扱われているのでしょうか。また、現状では、具体的な段階の情報共有だけであれば、他区の例のように、区内三警察との協定を締結する時期に来ていると考えますが、区長の所見を伺います。 続けて、関連する本区の子育て支援について伺います。 報道が途切れることのない、しつけの名をかりた体罰や暴言などの虐待が、子どもの脳の発達に深刻な影響を及ぼすことが、福井大学医学部附属病院子どものこころ診療部長、友田明美氏からも報告されており、私たち大人が虐待を防ぐ取り組みを本気で行う必要が迫られている中、改めて地域や行政が一丸となって子どもたちを見守り、育んでいく体制が重要であると強く感じます。 本区でも、近くに親族がおらず、子育ての悩みを一人で抱えて、本来は家族で子どもを慈しみ育てる子育てが、「孤独」の「孤」と書いた「孤育て」になっていることも少なくないと思います。 子どもを保育園や幼稚園などに通わせている保護者の方は、日々の子育てについて園の先生や保護者仲間に比較的相談しやすいと思いますが、区内で子育てをしている方の中には、保育園や幼稚園などを利用せずに家庭で子育てをしている方も多いかと思います。そのような保護者が気軽に立ち寄ることができ、子どもと一緒に遊ぶことだけではなく、同じ地域で子育て中の保護者との仲間づくりや、ちょっとした悩みを相談できる職員のいる子育て支援センターや「かぞくのアトリエ」、子育て広場などは、地域の重要な支援拠点であると考えます。 そこで、区長に伺います。 野田市や目黒区のような事件を二度と起こさせないためにも、深刻化する前に虐待につながる悩みをなくし、子育てが楽しいと思える環境づくりをさらに充実、活用する必要があると考えます。人材や予算などに課題を抱える児童相談所の設置にこだわらない渋谷区独自の子育て支援スタイルを、区内の様々な支援拠点を活用し、構築していくお考えがないか、所見を伺います。 また、先ほど区長から、「渋谷区子育てネウボラ」では、「相談支援の垣根をなくし、関連所管が一体となって取り組んでいく」といった趣旨の発言がありました。この関連所管には、子ども家庭支援センター、子ども発達相談センターがあり、さらに区内には子育て支援センターなどがあるため、名称一つとってもわかりにくいという指摘もあります。 そこで、区民にわかりやすく周知を図るためにも、これらの機関の名称についても整理、統合してはいかがでしょうか。あわせて区長の所見を伺います。 次に、まちづくりについて伺います。 現在、「渋谷区都市計画マスタープラン二〇〇〇」以来、約二十年ぶりに新しいマスタープランの策定が進められております。この間、百年に一度の再開発と言われる渋谷駅周辺の開発が進み、また、新国立競技場建設に伴う東京二〇二〇大会開催に向けた周辺地域の整備も着々と進んでおります。 このようにまちが大きく変化している中で、改めて渋谷区のまちとしてのよさ、すばらしさを思うとき、私は「落ちついたまち、安心して住み続けられるまちとしての住宅地」と、「にぎわいの商業地」が隣接しながら共存している、これが渋谷らしさの魅力であると思っております。 さらに申し上げれば、この落ちついた住宅地とにぎわいの商業地の共存、それにスポーツ、文化、歴史、そして何よりまちに暮らす人々の魅力が交じり合って初めて、渋谷区基本構想にある「成熟した国際都市」の実現がかなうものと考えます。 そこで、区長に伺います。 私は、渋谷区のまちづくりは、東京二〇二〇大会や大規模開発だけではなく、未来を見据えたものでなくてはならないと強く思っています。基本構想に掲げる理念のもと、渋谷らしいまちづくりの実現のため、今回のマスタープランの方針をどのように示していくお考えか伺います。 次に、三十一年度の当初予算案に計上されている西参道プロジェクトについて伺います。 このプロジェクトは、来年、鎮座百年を迎える明治神宮の西の玄関口から甲州街道に向かう参道の整備、ササハタハツ・プロジェクトの起点となる緑道の整備、そして首都高速道路の高架下を活用した商業施設などの誘致を含めた開発と伺っております。これこそ文化の香りあふれる落ちついたまちと、にぎわいのあるまちの融合であると考えますが、にぎわいだけに特化しない落ちつきのある参道になるよう期待したいと思います。 そこで、区長に伺います。 このプロジェクトの中の高架下の整備は、首都高速道路側との協議が必須と考えますが、どのように進めていかれるのか、また近くを通る鉄道事業者との連携なども視野に入れておられるのか。さらに、現在この高架下には地域の集会施設や消防団の施設などがありますが、今後の扱いも含めてどのように展開していくお考えか伺います。 また、明治神宮の北の玄関口である北参道は、新国立競技場に一番近い参道口として文化の香りが高いこの地域との融合も魅力あふれるまちづくりに重要な役割を果たすと考えますが、次のプロジェクトとして進めていくお考えがあるのか、あわせて所見を伺います。 次に、キャッシュレス決済導入促進事業について伺います。 昨年四月、経済産業省がキャッシュレスビジョンを策定いたしました。この中では、キャッシュレス機を導入していない店舗や使用していない消費者の理由やパーセントなど、細かい分析結果も記載されております。 キャッシュレス化が進む中国などに比べると、日本ではまだ導入が二割程度にとどまっている理由として、現金に対する信用性の違いはもとより、店舗側では、「手数料が高い」、また「周辺環境の整備や対応に不安が残る」といったものや、消費者側からは、「個人情報の流出などセキュリティに対する不安や金銭感覚が麻痺するのでは」などが挙げられております。 そのような中、本区では、来年度予算案において、二〇二〇年に向けた外国人観光客の受け入れ環境の整備や商店街活性化のためキャッシュレス決済の導入を促進する事業を展開するとしています。 この取り組みは、何より区内の地域に根差した商店街の活性化が目的であり、さらにインバウンド対策、国の景気対策に伴う消費喚起、消費行動につながっていかなくてはならないと考えます。 そこで、そのことを踏まえて伺います。 まず、キャッシュレス決済導入促進に当たり、その事業規模、対象、また見込まれる事業効果についてどのように想定しているのか、お答えください。 また、今回の事業では、「業務受託業者による店舗へのサポートやフォローアップをすることで、その不安や負担の軽減をする」とありますが、具体的にどのような効果を想定しているのか伺います。 さらに、キャッシュレス決済の浸透には消費者側の広がりも必要不可欠と考えます。安心して利用してもらうための周知や説明など、来年度以降の継続等も含めて、今後の展開や目標など、区長の所見を伺います。 次に、教育について、間もなく就任一年となる豊岡教育長に伺います。 教育基本法第一条に、「人格の形成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行わなければならない。」と規定されているように、私は、教育は理想を持ち、立ちどまることなく終わることなく、理念を実現するものであると考えています。教育長就任直後の平成三十年第二回定例会において、我が会派の代表質問で、教育のプロフェッショナルとして渋谷の教育についての考え、今後の豊富を伺った際に、教育長の答弁の中で印象に残っている言葉に「未来の学校」というものがあります。 「私は、渋谷区の学校を「未来の学校」にしていきたいと考えています。「未来の学校」とは、子ども一人一人が自分の個性を伸ばし、未来を生きるための力を身につけることのできる学校です。子どもたちは二十年後、三十年後の未来を生きて社会や時代を担います。だからこそ、学校、幼稚園は未来に生きる子どもたちの育成が使命であります。そのためには、豊かな心の育成や学力、体力の向上はもとより、ICT教育の推進、コミュニティ・スクールの全校展開、オリンピック・パラリンピック教育の充実などにしっかりと取り組んでまいります。また、生涯学習、スポーツ振興においては、誰もが人間の多様性を学び愛し、何らかの形でスポーツに参加できるよう取り組んでまいります」と話されました。 地道に一人一人の子どもたちと向き合うことを前提にした教育長の熱意と志を持つ発言であったと記憶しておりますが、このことを踏まえて、一年を振り返ってみたいと思います。 ICT教育への取り組みは、代々木山谷小、広尾小の研究成果を踏まえて「SHIBUYAの授業スタイル」を作成し、各学年で身につけておきたいスキルや具体的な場面での活用例を示し、一人一台のタブレット活用を推進しております。 コミュニティ・スクールについては、来年度の全校設置に向けて着実に取り組みが進んでいると仄聞しております。 また、オリンピック・パラリンピック教育では、ロードマップを作成し、S-SAP締結企業などとの連携も検討しながら、二〇二〇年、さらにそれ以降についても視野に入れた取り組みも進めていると伺っております。 スポーツの分野では、どこでも運動場プロジェクトを区と連携しながら着実な歩みを進めているものと認識しております。 私は、当初、教育長が答弁されたことを例に、事業や施策の進捗を述べさせていただきましたが、教育長御自身がこの一年間、職責を果たしてきた中で、次年度の目標についてどのようなビジョンをお持ちなのか、まず伺いたいと存じます。 次に、個々の教育施策について伺います。 初めに、ICT教育について伺います。 本区では、平成二十九年九月に児童・生徒、教員にそれぞれ一人一台のタブレット端末を配付し、約一年半かけてICT教育の推進が図られてきたものと認識しております。特に児童・生徒のICT教育環境については、昨年六月に閣議決定がなされた「第三期教育振興基本計画」において、「学習者用コンピューターを三クラスに一クラス分程度整備」とされた水準を大きく上回る環境となっており、ほかの地域からも、渋谷区におけるICT教育の状況が注目を集めています。 また、二〇二〇年度から小学校で全面実施となる新しい学習指導要領において、ICT機器を授業で活用することの重要性が述べられているように、私自身も今回渋谷区が導入したタブレット端末が、教材・教具として従来の指導を補助するとともに、子どもたちの情報活用能力を育むためにさらなる活用に取り組んでもらいたいと考えています。 一方で、従来の黒板、鉛筆、ノートといった環境も、児童・生徒の「知識・理解」「思考力・判断力・表現力」を育むために必要なケースもあり、いかにしてICT機器の環境と融合していくかが重要であるとも考えます。 そこで、教育長に伺います。 教育委員会では、これまで代々木山谷小や広尾小のように、ICT機器を用いた授業改革を行う学校を研究校として指定することや、ICTの効率的な活用を目指し「SHIBUYAの授業スタイル」といった資料を作成し、各学校に周知を行ってきたところですが、今後、タブレット端末のさらなる活用を図るため、どのような取り組みを考えているのか、所見を伺います。 次に、今後の放課後クラブ事業の取り組みについて伺います。 渋谷区では、平成十六年度から一部の小学校で放課後クラブが開設され、平成十九年度から全ての小学校にて運営が行われています。この十一年の間、本区の放課後クラブが学校施設という安全な環境のもと、保護者の就労状況にかかわらず全ての児童を対象に運営していることは、児童の放課後の居場所としての大きな役割を果たしているものと認識しております。 また、区内の児童数増の影響により、一部の学校で「放課後クラブの活動場所が手狭になっている」という声がある中、教育委員会では、学校や運営事業者等との調整をしつつ、特別教室等を活用し、活動場所の確保に努めてきたことについては評価をしたいと思います。 一方で、放課後は学校における教育課程の時間ではないものの、子どもたちを育む非常に有効な時間であり、単なる居場所だけではなく、多様な活動を行う機会として捉えることが必要であると考えます。 そこで、教育長に伺います。 これまで放課後クラブでは、どのように事業を行い、子どもたちに豊かな環境を提供してきたのでしょうか。また、三十一年度予算案において、「地域や民間企業といった教育資源の協力によりクラブ事業を充実していく」とありますが、今後どのように活用していくのか、所見を伺います。 次に、本区の英語教育について伺います。 オリンピック・パラリンピック開催を来年に控え、また今年はラグビーワールドカップを初めとする様々な大会が予定されており、外国から多くの方が訪日することが予想されます。 私たちの周囲には、これまで以上に外国語をコミュニケーションツールとして活用する機会が増えるとともに、企業においても外国人就業者が増えているため、英語の学習を通じて言語や文化に対する理解を深め、コミュニケーションを図る力を身につけさせることが今後ますます学校に求められてくると考えます。 そこで伺います。 グローバル化の進展により、英語教育の必要性がますます高まる中、二〇二〇年から全面実施となる新しい学習指導要領では、小学校において、第三学年から外国語活動が始まり、第五学年からは教科としての英語が始まります。 また、東京都の施設ではありますが、「東京グローバルゲートウェイ」が開設され、児童・生徒の実践的なコミュニケーション能力の育成の場として期待されています。この東京グローバルゲートウェイを活用するなど、小中学校の英語教育の充実に向けた今後の取り組みについて所見を伺います。 教育の最後に、教員の働き方改革について伺います。 現在、社会全体は長時間労働の是正を含めた働き方改革について、様々な議論がされています。今般の働き方改革は、日本の企業文化や日本人の仕事やライフスタイルに対する考え方そのものに踏み込んでいるとも考えられ、このことは学校教育においても同様であり、喫緊の課題であると認識しております。 我が国の教育は、百五十年に及ぶ教科教育等による大きな蓄積と高い成果を上げていると考えますが、現在、持続可能かどうかの岐路に立っており、昨年九月に公表された教員勤務実態調査からも、その傾向が伺えます。 いわゆる「ブラック」と言われる言葉がひとり歩きする中では、意欲と能力のある志ある人材が教師を目指さなくなり、このことが学校教育の水準の低下を招くことにもつながりかねません。これまで学校には、「子どものためであれば長時間の勤務もよしとする」という考え方がありました。これは教師であるという使命感から生まれるものであり、すばらしいことであるとも思いますが、その中で教師が疲弊していくのであれば、最終的に子どものためにはなりません。教師の働き方を見直し、子どもたちに対して効果的な教育活動を行うことができるよう、改革を進めていく必要性を強く感じます。 そこで、教育長に伺います。 教育委員会では今年度、学校閉庁日の設定を初め、働き方改革に向けた取り組みを進められておられると伺っておりますが、現在の進捗状況及び次年度の取り組みについて所見を伺います。 以上、よろしくお願いいたします。 ○議長(丸山高司) 長谷部区長。 ◎区長(長谷部健) 渋谷区議会自由民主党議員団、斎藤竜一議員の代表質問に順次お答えいたします。 まず、予算編成についてのお尋ねです。 平成三十一年度予算は、渋谷区基本構想に基づき、本区が持続的に発展・成長を遂げていくための取り組みを幅広く意欲的に盛り込みつつ、持続可能な行財政運営にも配慮したものとしております。 施策の具体を何点か申し上げますと、防犯カメラ増設などによる「安全・安心なまちづくり」や、渋谷区子育てネウボラ等の子育て支援、ICT教育、コミュニティ・スクール推進等の教育の充実、また、「渋谷生涯活躍ネットワーク・シブカツ」を初めとする高齢者施策のほか、障がいがある人の就労支援や移動支援の対象拡大等の障がい者施策など、様々な分野の施策を拡充しています。これらは、私が就任当初から申し上げ、実践してまいりました「手厚い福祉と教育」の維持・拡充であり、基本構想の実現をさらに一歩前進させるものです。 その一方で、今後の社会保障関係経費や公共施設の老朽化対応等の歳出圧力の高まりに備え、基金の活用を控えるとともに、義務的経費の増加による財政の硬直化に留意し、起債も控えた予算としました。 多くの自治体が、税収の伸びを背景に来年度の予算規模を拡大させる傾向にあるようですが、緩やかながらも景気が上向きであるからと、近視眼的にサービスを拡充させても、その持続は保証できません。議員御発言のとおり、将来的には人口減少等による歳入減が懸念される中、行政ニーズはさらに増加することが見込まれます。 このため、喫緊の課題解決に向けて全力の対応を図る一方で、より中長期的な視点に立ち、将来にわたる強固な財政基盤の構築を並行させていくことが大切です。今定例会で御審議いただく補正予算にもあるように、本区は堅実に基金の積み立てを行ってまいりました。今後も収支の状況等を見きわめながら、時期を逸することなく、将来負担に対する備えに万全を期していく必要があると考えています。 あわせて、新庁舎における新たな働き方等を通じた業務の効率化や事務事業の見直しなどの改革に取り組み、引き続き、区民福祉の向上のため、本区の持続的成長につながる行財政運営を行ってまいります。 新しい防災情報システムについて、三点のお尋ねです。 本区は、本年一月に渋谷ヒカリエの防災機能を新庁舎八階に移転しました。 大規模災害時には、災害対策本部を設置し、防災関係機関と連携、協力しながら災害対策に当たります。 新庁舎の移転を機に、災害対策本部の活動を支え、地域の被害状況を正確に把握する能力を向上させるために、「防災システム」を一新しました。このシステムの特徴は、「使いやすさ」と「見やすさ」を可能な限り追求し、災害時においてもマニュアルを見ることなく運用することができるものです。しかしながら、議員の御発言のとおり、どんなに便利なシステムであっても、それを使う職員のスキルアップは欠かせません。 職員の「防災システム」の習熟についてですが、防災訓練及び防災点検の日において、「防災システム」を使用した実のある訓練を実施していきたいと考えます。また、この訓練以外にも職員研修を実施してまいります。 また、「防災システム」は、避難所を運営する自主防災組織や地域の被災状況の収集に当たる消防団及び警察・消防等の関係機関が、必要に応じて使用できるようにし、これにより現地から被災情報を迅速に提供することができるようになります。 さらに、区民、来街者には、本年三月導入予定の「防災アプリ」を活用していただきたいと考えます。 この「防災アプリ」では、区に被害情報を提供できる機能があります。いただいた情報をもとに、災害対策本部で情報を精査して、間違った情報が流れることのないよう対応していけるものと考えます。 次に、震度センサーの活用についてです。 防災システムでは、区内及び隣接区を含め百カ所程度の震度を確認することができます。発災時には、どこの地域でどのような強い揺れがあったことがわかることで、被害が大きかった地域への集中した被害対応が可能となります。このほか、震度情報をデータベース化することにより、地域防災計画の修正に必要な「被害想定の一層の精査」や、地域のまちづくりの「基礎データ」に活用していきたいと考えます。 この防災システムは、「地震災害」だけではなく「水災害」でも利用することができ、地図上への浸水箇所、自主避難施設の開設状況、避難勧告等の表示が可能です。 昨年、本区においては、台風や集中豪雨などが多く発生したことから、水防本部を設置し、自主避難施設を開設するなど、都市型水害に対応してまいりました。水災害が発生したときに活用することはもちろんのこと、水災害を想定した防災システムを使用した訓練を実施していきたいと考えます。 引き続き、災害に強いまちづくりを目指してまいります。 次に、災害時における医療救護対策についてのお尋ねです。 これまでの地域防災計画では、災害時の医療活動の中心となる保健医療調整本部は文化総合センター大和田に設置する計画でしたが、今回の修正では、災害対策本部との情報連携を図るため、新庁舎に設置することにしました。 今まで本部を置くこととしていた文化総合センター大和田については、医療救護活動の実務を担う災害医療活動センターとし、緊急医療救護所等への医師派遣、医薬品供給の実務を担うなどの機能整理を行っています。 また、今年の二月には、新防災システムを活用し、三師会が参加した医療の図上訓練を実施しました。訓練では様々な課題も把握することができましたので、今回の検証結果を踏まえ、さらなる医療救護体制の充実を図ってまいります。 次に、要配慮者対策についてのお尋ねです。 今回の地域防災計画の修正に伴い、避難所の運営方針として、要配慮者の受け入れに配慮すること、更衣スペースや授乳室の確保など、プライバシーに配慮した管理運営を行うことを明記しました。二次避難所の開設については、施設整備の内容及び設置や運営のあり方について具体的に記載しました。 地域防災計画に記載された内容を実現するために、受け入れの方法や運営に当たる人材、移送手段の確保等、現在、危機管理対策部と福祉部が中心となって検討を進めています。 今後は、さらなる要配慮者対策の推進のため、二次避難所の各施設や民間の福祉事業者等と連携強化に取り組んでまいります。 次に、帰宅困難者対策についてのお尋ねです。 今回の修正で、渋谷駅周辺地域については混乱防止のため、滞留者を一時退避場所である代々木公園周辺や青山学院大学に誘導し、その後、帰宅困難者受け入れ施設に案内することとしています。その際には防災ポータルサイト、区公式のSNS、駅前大型ビジョン等を活用して、一時退避に関する広報を実施します。 また、アート性あふれる矢印のサインを設置する、シブヤ・アロープロジェクトにより、外国人を含めた多くの来街者に一時退避場所の位置をわかりやすく示すことで、帰宅困難者対策をさらに進めます。 平成三十年二月に発足した「原宿・表参道駅周辺帰宅困難者対策協議会」、現在、準備中の「恵比寿駅周辺帰宅困難者対策協議会」については、安定的に活動が行われるよう、区としても活動を支援してまいります。 次に、区民生活の早期再建についてのお尋ねです。 被災者生活再建支援システムとは、住民基本台帳、建物を管理する固定資産税台帳、建物被害の調査などの被災者情報を集約し、義援金等を迅速に配分したり、税や公共料金の減免対象を把握することができるシステムです。 このシステムを活用し、被災者台帳を作成することにより、被災者の援護の漏れと二重支援を防止し、各種支援での申請時における罹災証明書の添付を省略することができます。 今後の活用については十分な検証を行い、安定運営を行えるように訓練を重ねていきたいと考えています。 次に、防災対策についてのお尋ねです。 「安全で安心なまちづくり」について必要なことは、まず区民を初め、本区に訪れる人たちがまちの安全・安心に関心を持つこと、渋谷のまちに住み、また、活動していることに誇りを持つこと、シティ・プライドを持つことであると私は考えています。 本区では、来年の東京二〇二〇大会を見据え、平成三十一年度には、四百台を超える防犯カメラを設置する予定であり、防犯体制を拡充することにより、犯罪を未然に抑止し、犯罪発生後の迅速な対処に資するものとなることが大いに期待されます。 議員御指摘のとおり、防犯カメラの設置事業は、東京二〇二〇大会に向けてのものだけでなく、最近多発している特殊詐欺や子どもに対する犯罪など、区民にとって身近な犯罪を未然に防止し、たとえ発生した場合においても早期解決につなげることを目的として推進するものです。 防犯カメラの設置事業については、区民を初めとする地域の安全や安心を見守る人たちの補完的な役割を果たすものとして必要不可欠なものであり、今後も区の主導によりその効果を検証し、さらなる設置拡充についても検討を進めてまいります。 さらに、区内の各地域では、常日ごろから官民合同のパトロールを初め、様々な形で防犯活動が展開されています。防犯カメラの設置拡充とともに、防犯キャンペーンによる啓発活動や、各種防犯活動にも積極的に参画し、区民の防犯意識の高揚を図りつつ、「地域を見守る目」をさらに増やし、「まちの安全・安心」をしっかりと確保してまいります。 次に、防犯対策についてのお尋ねです。 議員御発言の禁止事項を多言語で放送することにつきましては、今後、国内外からの来街者が多く訪れることが予想されることから、公園利用者のマナー向上に関して高い効果が見込まれるものと考えます。 公園内での多言語放送を実施するには、公園等の周囲の皆様に配慮する必要もあることから、既に実施している自治体の事例を参考にしながら、本区での導入について検討を進めたいと思います。 また、区立公園等における禁止事項の周知については、看板や横断幕を設置し、外国人利用者が多い場所においては英語表記も行っているところです。 今後は、多言語サイン等に関するガイドラインの作成も進め、全ての公園に対し、景観を阻害することなく統一感のあるわかりやすい掲示物設置を進めます。 次に、福祉についてです。 まず、「渋谷生涯活躍ネットワーク・シブカツ」について、二点のお尋ねですが、一括してお答えします。 人生百年時代を見据え、区民が住みなれたこの渋谷区で楽しく住み続けられるよう、おおむね五十五歳以上のプレシニア世代からアクティブシニア世代をターゲットとした新たな生きがいを見出す場として、「渋谷生涯活躍ネットワーク・シブカツ」を開設します。 ここでは、様々な社会活動の情報を一元的に集めて、利用者のニーズに合った情報を配信することや新たな学びの場の提供に加え、実際に社会活動を行っている経験者によるセミナー等を開催したり、スキルを生かした社会参加の機会を提供するなど、これから働きたいと感じている方を支援する取り組みも行います。 この「シブカツ」が提供する就労とは、生活のための就労よりも働くことを通じて社会的なつながりや生きがいを得たい方への支援を想定しており、定年退職を機に社会や地域とのつながりが希薄になり、孤独な状態となることを防ぐことを目指しています。 「シブカツ」の事業内容を構築するに当たり、昨年実施した「渋谷区の生涯現役に関するアンケート調査」によると、会社等に勤務していた際の役職として、役員や管理職だった方が多くいることや、この方々がスタートアップを支援することに興味を持っていることを把握しています。 勤務先で長年、総務や経理などの様々な業務に携わった方のノウハウは何ものにも変えられないスキルだと思います。このスキルを持った方を、区内で会社を立ち上げたい方に対し紹介したり、あるいは議員の御提言のとおり、町会やシニアクラブでの経理事務などで生かすことができるようマッチングを行うのが「シブカツ」です。 この「シブカツ」につきましては、ターゲットとする世代が幅広いことを踏まえ、次年度、専管の組織を新設するとともに、他の事業との連携につきましては、「シブカツ」の事業を進める中で様々なニーズを分析しながら、しっかりと取り組んでまいります。 次に、障がい者福祉について、まず、通所支援の導入の経緯と具体的な効果に関するお尋ねです。 区長就任以来、私が継続して力を注いできたのは移動支援の充実です。これまで特別支援学校への通学支援を段階的に実施し、社会参加のための移動支援では、外出先への付き添いなどを加え、小学生の外出範囲を広げるなど、利用者や支援者の声に応えてきました。そして、来年度からは、就労支援事業所の利用者を対象とする通所支援を新たに開始いたします。 これは、障害者団体連合会から重点事項として強い要望があり、また、事業者や親の会との意見交換会でも、高齢や病気のため保護者が事業所へ送迎に同行できなくなると、本人の就労の意欲があっても通所を諦めざるを得ないという切迫した声があったことから、区独自の支援を決定したものです。 導入の効果としては、障がいのある人が自分の意思に沿った選択ができることはもとより、就労支援事業所の利用を継続しながら、区役所内での実習や就労、そして民間企業などでのショートタイムジョブに向けたステップアップを目指すことができます。また、通所支援の導入とあわせて、今年度から開始した移動支援従業者養成研修の定員を増やすことで、地域における人材確保や、障がいへの理解があわせて進むものと期待しています。 今後も、障害福祉推進計画の基本理念である「誰もが自分らしく暮らせるまち しぶや」の実現に向け、移動支援や就労支援などのサービスを相乗的に充実させながら、障がいのある人の自立と社会参加を力強く支援してまいります。 次に、相談支援事業の支援についてのお尋ねです。 本年一月の新庁舎開設に合わせて、庁舎五階に区内初の「基幹相談支援センター」がオープンしました。既に業務の柱である地域の相談支援事業所からの問い合わせに対応するとともに、生活保護や発達相談などの関係機関とも連携し、障がいのある人だけでなく、保護者や関係者なども含めた総合的な支援を進めています。 来年度は、センターの事業を本格化させ、個別のサービスや事業所だけで解決できない課題や、虐待やひきこもりなど複数の関係機関による支援が必要なケースなどについて、センター主催による事例検討会や研修会を定期的に開催し、地域の相談支援専門員のスキルアップや、ネットワークづくりを支援します。 一方、障害福祉サービスの利用を希望する人は年々増えているものの、相談支援業務の報酬だけで事業を運営するのは難しく、区内では相談支援事業所がなかなか増えないのが現状です。 そこで、本区独自の取り組みとして、障がいのある人の障がい特性や支援上の配慮事項がわかる個人カードの作成を相談支援事業所に委託し、区が作成料を支払う仕組みを新たに導入します。保護者に不測の事態が生じたときや災害が発生したときは、このカードを周囲の支援者に示すことでスムーズな支援につなげることができます。 以上申し上げましたとおり、相談支援専門員のスキルアップを図るとともに、相談支援事業所がかなめとなって福祉や防災を有機的につなげる仕組みを構築し、運営面での支援にも努めてまいります。 次に、子育て環境について、三点のお尋ねですが、御答弁の前に一言述べさせていただきます。 本年二月に起きた千葉県野田市の児童虐待事件では、DⅤを受けていた母親が、誰にも相談できないまま、父親の暴力が娘に及んでもとめることさえできなかったという報道を耳にしたとき、問題の深刻さを痛感しました。 関係自治体や児童相談所による支援が適切に行われず、このような結果になってしまったことは、本当に残念に思います。 現在、国による検証が行われていますが、私たちもこの事件からの教訓を謙虚に学び、地域ぐるみの子育て支援に生かしていかなければなりません。 改めて亡くなられたお子さんの御冥福をお祈りするとともに、二度とこのような事件が起きないよう努めていく所存です。 では、三点のお尋ねに順次お答えします。 初めに、児童虐待への対応として、早期発見・予防のため、区内三警察と協定を締結してはとの御提案についてです。 昨今、児童虐待対応件数が急増しております。その理由として、平成二十八年度から、警察において一一〇番通報等による児童虐待が疑われる場合には、警察職員が臨場して児童の安全を確保することを強化してきたことが挙げられます。 現在も、子ども家庭支援センターは、警察職員が臨場した事案について、東京都児童相談センターと情報共有し、その後の対応を受け継ぐほか、個別事案の検討が必要な際には、児童相談センターの担当児童福祉司や管轄警察署の担当者にケース会議への出席を求めて協議を行い、役割分担を確認しながら対応しています。 また、平成二十五年に渋谷区と区内三警察署が交わした「渋谷区「安全・安心まちづくり」に関する覚書」により、三警察との連携は十分に果たされているものと認識しております。 しかし、昨年七月、国による「児童虐待防止対策の強化に向けた緊急総合対策」において、警察と児童相談所や市区町村との連携について、書面で取り決めるよう通知があったところです。 児童虐待の早期発見・予防を強化するため、本区としては、警察との連携をさらに確実なものとする協定の締結についても検討してまいります。 次に、子育て支援センターや「かぞくのアトリエ」等について、どのように活用し、渋谷区独自の子育て支援スタイルを構築していくかとのお尋ねです。 来年度から、「渋谷区子育てネウボラ」体制整備の一環として、区内に六カ所ある子育て支援センターや子育て広場の所管を子ども家庭支援センターとすることにしました。 その目的は、子育て支援センター等の日々の利用状況を分析してニーズに合わせた子育てに役立つ講座や仲間づくりのイベントを企画し、子育て支援の充実を図るほか、心配な家族の情報を共有して養育困難や虐待の予兆を発見し、早期の対応につなげることができると考えたからです。 また、「かぞくのアトリエ」については、引き続き多くの親子が楽しめる講座を実施し、都会で孤立しがちな子育てをしっかりと支えてまいります。さらに、「かぞくのアトリエ」の人気講座につきましては、ほかの区内施設へ出張して実施するなど、多くの方に講座を体験していただくことで、親子の触れ合いの機会を増やし、子育ての楽しさを伝えてまいります。 議員御指摘のとおり、保育園などの施設に通っていなくても、このように子育て支援センターで気軽に育児などの悩み相談ができ、「かぞくのアトリエ」で育児の楽しさを実感できる支援を行っていきます。 今後も、渋谷区独自の子育て支援体制「渋谷区子育てネウボラ」を中心に、地域の子育て環境を整えることで、虐待をさせない子育て環境づくりを進め、基本構想にある「それぞれの成長を、一生よろこべる街へ。」、その実現に向けて努力してまいります。 最後に、「渋谷区子育てネウボラ」の関連所管について、名称を整理してはとのお尋ねです。 議員御指摘のとおり、類似した名称も複数あり、区民の皆様にとってはわかりにくいところもあります。本年五月から開始する第二美竹分庁舎で業務を行う中で、各機関が連携しながら最大限に機能が発揮できるよう、神南分庁舎跡地でネウボラ開設に向けて、組織や名称についても検討してまいります。 次に、まちづくりについて、二点のお尋ねです。 初めに、渋谷区まちづくりマスタープランについてのお尋ねです。 渋谷区まちづくりマスタープランは、本年十月策定に向けて準備を進めているところです。 昨年六月から十一月にかけて実施したワークショップ、出張座談会、提案箱などで区民等からの意見、提案、アイデアや思いを多くの方からいただきました。その中でも、「繁華街から少し入ると静かで落ちつきのあるところが渋谷のよさ、このよさを守りたい」「静かなのに便利で住みやすいことが魅力」といった渋谷の住宅地としての魅力を守りたいという意見を多くいただきました。 今回のマスタープラン策定に当たっては、「渋谷区の住環境の保全」「誰もが安心で快適な暮らしを実現できる」、このことを大きなまちづくりの目標の一つとしております。 これまでの都市計画の視点に加え、「成熟した国際都市」「ダイバーシティ&インクルージョン」「共助・サスティナビリティ」といった渋谷区基本構想の価値観、また、子育て・教育、福祉、健康・スポーツ、防災・安全・環境など七つの分野の視点からまちづくりを捉える、そのような複合的な土地利用、ミクストユースを進めていきます。 このことより「便利で快適」「静かで落ちつきがある」「自分のライフスタイルで過ごせる」といった区民等が望む住宅地を守り、魅力を高めていく、同時に、ストリートカルチャー、ファッションなどの渋谷の特色やクリエイティブ・コンテンツ産業やIT産業の集積地にふさわしい産業振興を図り、商業・業務地としての魅力も高めていく、このような考え方をまちづくりマスタープラン策定の方針として示していきます。 この二つの違った魅力が交じり合い、まちづくりの力となっていく、「ちがいをちからに変える街」渋谷区らしいまちづくりを進めてまいります。 次に、西参道プロジェクトについてです。 所信表明でも申し上げたとおり、私は代々木地区には新しいファッションやライフスタイルを生み出す風土があると感じており、特に西参道にあっては、来年、創建百周年を迎える明治神宮に通じる和の文化を醸し出すような新たなまちづくりのポテンシャルがあると考えています。 このため、西参道にある首都高速道路の高架下は、地域特性を生かしたにぎわいと落ちつきの融合するまちづくりに資する空間にしたいと考え、西参道プロジェクトとして当該高架下の新たな利活用について検討を進めていきます。 プロジェクトを推進するに当たっては、関係する首都高速道路株式会社、日本高速道路保有・債務返済機構との協議を鋭意進めるとともに、事業モデル構築のための市場調査や管理運営を含めた事業スキームを並行して検討していきます。さらに、まちづくりの観点からも重要なステークホルダーである周辺鉄道事業者やファッション関係者との調整も図っていきます。 なお、御指摘のあった現在高架下にある地域の集会施設や消防団の施設などについては、当面、引き続き現在の場所において存続する前提でプロジェクトを検討していきたいと考えています。 次に、北参道についてです。 北参道は、歴史的にも、表参道と並び明治神宮と神宮外苑をつなぐ重要な参道であります。今後、千駄ヶ谷まちづくり協議会を初め、地域の皆様とも相談させていただきながら、北参道のまちづくりを検討してまいります。 次に、キャッシュレス決済の導入促進事業についてのお尋ねです。 本事業は、東京二〇二〇大会に向けた来街者の受け入れ環境の整備や国の景気対策に伴うキャッシュレス決済へのニーズの高まりを、商店街のビジネスチャンスとして捉え、区としても積極的に対応していくことで、地域経済の活性化や特色ある商店街づくりを目的としています。 事業規模と対象につきましては、三十一年度は約五百台を目標に、商店会に加盟の中小規模事業者を中心に導入を進めていきます。 期待する効果としては、キャッシュレス決済に各店舗が積極的に対応していけるよう支援することを通して、消費者の利便性を高め、区内の消費の拡大や商店街の活性化につなげていきたいと考えています。 また、キャッシュレス化の推進に当たっては、議員の御指摘のような店舗側の負担や不安への対応が重要と考えます。ノウハウを持った事業者により、導入後も電話や訪問によるサポートを初め、利用促進のための提案など、一貫して丁寧なサポートを行うことで、店舗の運営に役立てられるよう取り組んでまいります。 また、消費者への周知促進のため、オウンドメディアも活用するとともに、例えばステッカーやポスターなどを作成し、利用店舗や商店会のPRや、店舗を回遊するキャンペーンなど、様々なプロモーションを行うことで消費者に浸透するよう取り組んでまいります。 本事業を進める中で実態調査や効果測定を重ね、区内全商店街への導入を目標とし、キャッシュレスシティ・シブヤを実現したいと考えています。 以上、私からの答弁とさせていただきます。 ○議長(丸山高司) 豊岡教育長。 ◎教育長(豊岡弘敏) 私には、教育について五点のお尋ねがありました。順次お答えをしてまいります。 まず初めに、この一年間の振り返りと次年度の目標についてのお尋ねです。 斎藤議員の御質問の中に様々な施策を取り上げていただきましたが、伺いながら、もう一年近い月日が流れたのかと改めて実感をしております。 この一年を振り返ったときに、学校教育においては「未来の学校」を一つのキーワードとして施策を進めてまいりました。 この言葉は、ともすると未来志向の新しい施策を充実させることとして捉えられる向きもございますが、理念として、「個性を伸ばし、未来をよりよく生きるための力を身につけることのできる学校」を意味しております。 このような考えのもと、今年度は、授業改善のためのICT機器の活用、地域の力を活用するためのコミュニティ・スクールの設置促進、二〇二〇年東京開催という貴重な機会を捉えたオリンピック・パラリンピック教育の計画的な実施、また、社会教育館などで日本文化のよさを伝える多彩な講座の開催、どこでも運動場プロジェクトなどの取り組みを進めてまいりました。 改めて申し上げますが、渋谷区の学校を「未来の学校」にしていきたい。そのために「不易と流行」という言葉を胸に職責を果たしていきたいと思っております。 この「不易と流行」という言葉は、平成八年の中央教育審議会答申に書かれていたものですが、平成が終わろうとしている今、重みを増していると感じています。 来年度の教育目標については、「知・徳・体」の観点から、「互いの違いを認め、高め合うことができる人間、主体的に学び続け、他者と協力して新しい価値を創造する人間、思いやりと規範意識を持ち、健康で心身ともにたくましい人間」の育成といった見直しを行い、努めていきます。 そして、さらに渋谷への誇りや愛着が持てる渋谷シティ・プライドを育むための教育に取り組んでまいります。 これからも教育においては、不易を大事にしつつ、社会の変化に応じて、変えていく必要があるものは変えるといった意思を持って職務に邁進をいたします。 次に、ICT教育についてのお尋ねです。 議員御指摘のとおり、ICT機器を授業で活用することは、教育指導の質の向上に加え、児童・生徒の情報活用能力を育むために必要であると考えます。 区内の学校では、タブレット端末を導入して約一年半が過ぎ、昨年度に比べ学校におけるタブレット端末の利用が日常化し、授業の目的に応じて活用されています。 また、今月十一日には「教科指導におけるICT活用」「情報教育」「校務の情報化」に積極的に取り組んでいる学校を外部機関が評価する「学校情報化認定制度」において、広尾小学校、上原中学校が区内で初めて「学校情報化優良校」の認定を受けました。 これらの進展は、教育委員会で行ってきたICT教育に関する研究校の指定、「SHIBUYAの授業スタイル」の作成・周知、本年一月に広報誌「しぶやの教育」を用いた実践例の積極的な発信などによるものだと考えています。 今後、教員一人一台配付されている状況を生かし、教員の一人一事例の収集、積極的に活用している教員の表彰、各学校にICT教育のアドバイザーの派遣などを行い、タブレット端末等のさらなる活用を進めてまいります。 次に、今後の放課後クラブ事業の取り組みについてのお尋ねです。 放課後クラブについては、議員御指摘のとおり、放課後の時間を単なる居場所ではなく、多様な体験・活動を行う機会として捉えることが必要と考えます。 現在、登録している全ての児童を対象として、プログラミング教室などの学習活動、将棋教室などの文化的活動、体操教室などのスポーツ活動を、地域や民間企業の協力を得て子どもたちが多様な体験や活動を行うことができる環境を提供しています。 今後、コーディネーターが核となり、各放課後クラブのニーズに応じ、効果的に地域の教育資源を集約し、クラブ事業への活用につなげる仕組みを準備してまいります。 次に、英語教育の取り組みについてのお尋ねです。 現在、渋谷区では外国人指導員であるALTを各学校に配置し、英語教育を進めています。このALTは、例えば給食や清掃、休み時間等も子どもたちと過ごしており、日常生活の中で英語が身近に感じ、英語に接する機会を増やすなどの効果を上げております。 また、平成十八年度より、小学校第一学年から英語学習を取り入れるなどして、英語教育の充実に取り組んでおります。 今年度から中学校第二学年で、聞く、話す、書く、読むの四技能の習得状況をはかるGTEC(ジーテック)という調査を実施し、実践的な英語力を確認するとともに、授業改善に生かしております。 今後は、議員御指摘の東京グローバルゲートウェイについて、全小学校の第四学年の児童が活用できる機会を設け、これまでに習得した英語を実際の場面で使い、英語を使う楽しさを体験させることで英語学習への興味・関心を高めていきたいと考えています。 また、平成三十一年四月に実施される全国学力・学習状況調査では、中学校の調査に新たに英語の四技能をはかる問題が加わりますが、この調査にタブレットを活用して参加することにより、中学校における英語教育のさらなる充実に向けて取り組んでまいります。 最後に、学校の働き方改革に向けた取り組みの現在の進捗状況及び次年度の取り組みについてのお尋ねです。 教育委員会では、今年度、夏季の長期休業中における学校閉庁日を二日間設定をいたしました。平成三十一年度は三日間とし、教職員が確実に年休等を取得することができるようにしてまいります。 また、次年度、国や都が示した負担軽減策の一つとして、モデル校八校に留守番電話機能を入れ、その成果を検証し、今後の対応を検討してまいります。 中学校における部活動については、今年度策定した「渋谷区立中学校に係る運動部活動等の方針」を踏まえ、各校の部活動が適切な休養日の設定や活動時間に沿った取り組みを行い、また、外部指導者が顧問となることもできる部活動指導員を各校に配置して、教職員の負担の軽減を行ってまいります。 今後は、平成三十一年一月に示された中央教育審議会の答申を踏まえ、タブレット等を活用するなどして、教職員の勤務時間の状況を把握するなどの対応を検討してまいります。 以上、私からの答弁とさせていただきます。 ○議長(丸山高司) 十一番斎藤竜一議員。 ◆十一番(斎藤竜一) ただいま、まず区長より丁寧な御答弁をいただきました。意を酌み取っていただいたことに感謝いたします。また、数々の提案に対しても前向きなお答えもいただきました。実現に期待したいと思います。 また、教育長におかれましては、就任一年を経て、先ほどの答弁では、私のほうを見て力強い答弁をいただきました。そのお姿を見て、自信を持って各施策を進めていただけるんだな、このことは確信いたしました。どうぞ渋谷の子どもたちの未来のために、より一層汗をかいていただきたいと思います。 今定例議会で今期の議会は節目を迎えます。引き続き、我が自民党議員団は渋谷区の隅々でしっかり区民の皆様の声を受けとめ、一致団結して取り組んでまいりますことをお誓いして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(丸山高司) 議事進行上、暫時休憩いたします。-----------------------------------   休憩 午後二時五十一分   再開 午後三時十一分----------------------------------- ○副議長(古川斗記男) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 区政一般に関する質問を続行いたします。 十三番沢島英隆議員。 ◆十三番(沢島英隆) 私は、渋谷区議会公明党を代表して、区長、教育長に質問いたします。 初めに、平成三十一年度一般会計予算についてです。 一番目に、子育て支援、教育について伺います。 最初に、「渋谷区子育てネウボラ」についてです。 先ほども区長から「渋谷区子育てネウボラ」についての発言がありましたが、我が会派では、フィンランドの「ネウボラ」に着目し、平成二十七年第四回定例会から継続して、妊娠期からの子育て支援の重要性を訴えてまいりました。区長はこれをしっかりと受けとめて、平成二十八年から保健師等の職員をフィンランドへ派遣、平成二十九年には区長御自身がフィンランドを視察され、さらに検討を重ねてきました。 平成二十九年三月には「渋谷区子育てネウボラ」と命名した渋谷区版ネウボラの体制概要を固め、神南分庁舎跡地を活用して施設整備を行うこととしました。さらに区長は、施設完成までの間も待ったなしの子育て支援を充実させるため、本年五月から第二美竹分庁舎において、「渋谷区子育てネウボラ」を順次スタートしていくこととしたものであり、区長のこれまでの取り組みを高く評価をいたします。 そこで、「渋谷区子育てネウボラ」について三点お尋ねします。 まず、今年度実施のネウボラ事業について伺います。 「渋谷区子育てネウボラ」体制でもいち早く対応が必要な産後鬱対策、そして育児不安の解消を目的として始まった「宿泊型産後ケア事業」と、養育困難な家庭を支援する「要支援家庭を対象とした子どもショートステイ事業」のこれまでの実績と今後の見通しについてお伺いいたします。 次に、来年度「渋谷区子育てネウボラ」のプレスタートで、重要な施策となる「妊婦全数面接」と「LINE連携による予約システム」の方向性、さらに「育児パッケージ」について伺います。妊婦全数面接を担う保健師の育成についてはいかがでしょうか。 また、第二美竹分庁舎に集約された「渋谷区子育てネウボラ」関連部署間の連携体制や、それによる虐待防止の効果について御所見を伺います。 また、野田市の虐待事件の教訓から、弁護士等の活用についても御検討いただけますでしょうか。 来年度以降の「渋谷区子育てネウボラ」の展開について、特に二〇二一年完成予定の神南分庁舎跡地計画の進捗についてお聞かせください。 次に、保育園の待機児対策についてお伺いします。 これまでも渋谷区は全力で待機児解消に向けた定員拡大を行ってきました。直近の四年間で二千二百一人の定数拡大を実施、二〇一九年度も四百四十人規模の定員拡大を予定しています。 さらに、賃料補助の拡充を行うほか、期間限定型保育や居宅訪問型保育、企業主導型保育など多様な待機児童対策を講じられており、長谷部区長の本気度が伝わってまいります。 一方で、入園できなかった方から、その大変な状況を伺うことがあるのも事実です。そこで、改めて待機児ゼロに向けた区長の御決意をお聞かせください。 国において公明党がずっと推進してきた幼児教育・保育無償化が二月十二日に閣議決定されました。いよいよ十月から実現の運びとなります。渋谷区においては、国に先駆けて幼児教育・保育の無償化及び減額措置を講じてきましたが、今回、国において実施されることで、渋谷区としてどれくらいの経費削減につながるか。また、保育園の給食費について、保護者から実費徴収することを基本とする方向性が示されていますが、渋谷区としての方針をお伺いいたします。 あわせて、十月からの実施に向けて手続など、混乱を生じないように万全の準備をお願いしたいと思いますが、区長の御所見を伺います。 次に、こどもテーブルについてお伺いします。 来月三月十日に待望の「景丘の家」がオープンします。一緒に食事をする場の提供や居場所づくりや学習支援等を通して、多世代と交流しながら、子どもたちを地域で支える活動を強化するための、まさにこどもテーブルの総本山と位置づけられています。 こどもテーブルは、家庭、学校以外の第三の居場所として、重要な事業であり、渋谷区としては二〇一七年度から開始され、二〇一九年度中に百カ所での実施を目指すとされています。 そこで、区長にお伺いします。 こどもテーブルの現在の状況と二〇一九年度に百カ所に拡大されるに当たって、具体的にどのように進めていかれるのか、教えてください。区長の御所見をお伺いします。 次に、ICT教育について伺います。 渋谷区で児童・生徒、教員に一人一台のタブレットを配付して、はや一年半が過ぎようとしています。このタブレットの導入に当たっては、「いつでも」「どこでも」タブレット端末を使い、学べる環境を整備し、子どもたちの豊かな学びにつなげることを目的としたものであると認識しています。 平成二十九年度、三十年度の二年間、ICT教育の研究指定校となった広尾小学校が昨年十一月に、その研究成果を発表する機会がありました。我が会派の近藤順子議員も実際に授業におけるタブレット活用の現場を確認するため、この機会に授業見学をさせていただいたところ、一年生から六年生の全ての学年で、また、様々な教科において、タブレットを有効に活用していたと話がありました。 さらに、学校としてタブレット端末の活用をより日常化していくために、授業時間とは別に「タブレットタイム」を設定するなどの工夫をし、子どもたちのICT機器の活用能力を高める取り組みを行っていたという話も聞いたところです。 広尾小学校において、このような工夫が生まれたのは、ICT機器を活用した指導について意識が高いことの結果であると考えています。 一方で、教員の方々はある一定時期を過ぎると人事異動があり、ほかの地域から渋谷区に異動してくる教員の方々も多数いらっしゃるかと思います。このような教員の方々を含め、渋谷区の教員全体の活用力や意識を高めることは非常に重要であり、平成三十年第四回区議会定例会で、我が会派の松山克幸議員が提案した「ICTの専門家の派遣」というのは、学校現場においてもニーズがあり、また、施策としても必要であると考えます。平成三十一年度予算案においては、ICTに関するアドバイザーの派遣経費が計上されていると聞いており、この点は高く評価いたします。このアドバイザーの導入の背景について、教育長にお伺いします。 また、教員の方々のICT機器の活用に関する意識を高めるために、今後どのような取り組みを展開していく予定があるか、教育長にお伺いいたします。 平成三十一年度一般会計予算の二番目に、高齢者・障がい者福祉についてお伺いします。 まず、地域包括ケアについてです。 公明党は、超高齢社会に対応するための医療・介護・予防・住まい・生活支援が住みなれた地域で一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築を一貫して推進してまいりました。 地域包括ケアシステムの推進に際し、その中心を担うのが地域包括支援センターです。かねてより公明党は、地域包括ケア推進に関し、地域包括支援センターの機能を強化するため、必要な人員の配置を訴えてまいりました。この要望を受けて、本区の地域包括支援センターは、介護保険法施行規則により定められている配置基準を上回る人員を配置し、さらには四つの日常生活圏域ごとに機能強化型地域包括支援センターを設けて、圏域内の地域包括支援センターを支援する体制を構築するなど、高齢者の地域拠点としての体制強化を行ってきています。 区長からは、これまでも高齢者が今後増加することを見据え、センター職員のさらなる増員も含め、きめ細やかな相談支援の体制が図れるよう、しっかりと検討すると前向きな御答弁をいただいておりました。 平成三十一年度予算において、その検討を踏まえ、さらなる職員の配置を御提案いただいています。この配置は我が公明党の意見を反映いただくとともに、長谷部区長の手厚い福祉施策への思いが伝わってくる予算案であり、厚く感謝申し上げます。 他方、地域包括ケアシステムにおいては、医療と介護の連携体制の整備も必要であり、公明党も継続的に主張してまいりました。以前に第七期高齢者保健福祉計画及び介護保険事業計画における、医療介護関係者における多職種ネットワークの構築を図るための具体的な進め方を質問した際に、医療・介護等の各分野の関係者を集めて、渋谷区にふさわしい在宅医療と介護サービスの効果的な推進について話し合う「渋谷区在宅医療・介護連携推進会議」を開催すると御答弁いただいておりました。この会議が担う役割は非常に重要であると考えているため、改めてお聞きいたしますが、現在どのような討議がなされ、そして今後どのように進めていかれるのか、区長の御所見をお伺いいたします。 続いて、認知症施策推進基本法案について伺います。 公明党は、認知症施策について、認知症の人が暮らしやすい環境整備を進めるため、認知症及びその家族に対する地域の支援としての「認知症カフェ」の設置や、若年性認知症への対応の重要性を主張してきました。今までも我が党の提案を施策に取り入れていただいておりましたが、来年度予算案では、さらに若年性認知症デイサービスの拡充や認知症カフェへの支援を組み込んでいただいたことに改めて感謝を申し上げます。 認知症施策は、我が国の喫緊の課題であり、国においても介護職員への支援の充実や新オレンジプランの推進など、省庁が横断的に取り組んでいるところです。 そして、さらなる認知症施策を推進するため、急速な高齢化の進展に伴い、認知症の方が増加している状況に鑑み、認知症施策の法制化の議論が進められています。我が党も独自に認知症基本法案の骨子案を策定し、認知症に関する施策に関する基本理念を定め、国、地方公共団体、事業者及び国民の責務を明らかにし、認知症施策の基本となる事項を明確化することで、認知症施策を総合的かつ計画的に推進していき、もって認知症の人が尊厳を保持しつつ暮らすことのできる社会の実現を図ることを目的としております。 この法案においては、地方公共団体は理解の促進を初め、認知症の方と家族への支援、地域づくりの推進など施策を講ずることとされています。本区における基本法への取り組み状況について、区長の御所見をお伺いします。 次に、「渋谷生涯活躍ネットワーク・シブカツ」についてです。 長谷部区長は、この四年間で高齢者福祉施策をさらに充実させ、そのスピードを緩めることなく推進してきており、高く評価をいたします。そして、来年度予算において、これからの人生百年時代を見据えて、新たな高齢者施策として、これから高齢者になるプレシニア世代が生涯にわたって活躍できるように、また、毎日元気に活動しているアクティブシニア世代を新たな活躍の場につなげる支援をする拠点施設として、「渋谷生涯活躍ネットワーク・シブカツ」を開設することを発表されました。 「シブカツ」では、区の事業を一元化し発信するとともに、新たな働き方の提案やそれぞれの方が持つ経験や能力を生かせるような活動の場への紹介などを行うと聞いています。そして、これらとともにあわせて実施するのが、新たな学びの場である「渋谷ハチコウ大学」の設立です。私自身も、プレシニア世代であるため、この渋谷ハチコウ大学に一区民として、大変興味を持っております。 そこで、区長にお尋ねします。 この渋谷ハチコウ大学の授業内容を具体的に教えてください。あわせて、渋谷ヒカリエにオープンする「シブカツ」の開設スケジュールについて教えてください。 次に、介護人材確保・人材育成事業についてお伺いします。 高齢社会の支え手である介護人材が働き続けられる環境をさらに整備していくことは喫緊の課題です。国の二〇一九年度予算案に介護職員の処遇改善策が盛り込まれました。経験・技能のある勤続十年以上の介護福祉士について、賃金を月額八万円上げるか、役職者を除く全産業平均水準の年収四百四十万円並みにできるよう支援をいたします。公明党の主張が反映されたもので、今年十月から実施される予定です。 介護業界の人手不足は深刻です。有効求人倍率は近年三倍を上回る状態が続いています。背景には介護職員の賃金水準が全産業の平均よりも低く、平均勤続年数も他の産業に比べて三十五歳以上で下回っている現状があります。長く勤めれば収入が増える仕組みを明確に示すことは、将来の暮らしに不安を抱く若手介護職員の意欲を高め、職場への定着につながることが期待できます。 事業者の裁量で処遇改善の対象を拡大することも可能で、具体的には看護師や介護支援専門員(ケアマネジャー)、障がい者福祉分野の職員などを想定しています。小規模な事業所ほど、様々な職種の職員が助け合いながら業務に当たっているケースが少なくないだけに、現場の実情を踏まえた取り組みと言えます。「勤続」の考え方も必ずしも同一事業所での勤務期間にこだわらず、複数の職場を経験してスキルを磨いてきた介護職員がしっかりと評価されることが重要です。 処遇改善と同時に欠かせないのが業務の効率化です。二〇一九年度予算案には、事務作業の効率化に欠かせないICT(情報通信技術)導入を積極的に進めている事業所を支援し、取り組みの好事例を広く周知するための事業が盛り込まれています。 また、介護福祉士などの専門職が清掃まで行っている事業所があることから、こうした業務を担う人員の補充に関する事業も実施をいたします。役割分担することで介護職員の負担を減らしていく考えです。高齢化の進展に伴って、介護サービスの需要が高まる中、国においては二〇二五年度末までに、新たに五十五万人の介護人材が必要とされます。超高齢社会への備えを一層強化すべきです。 そこで、区長にお伺いします。 今述べてまいりました国の動向を踏まえた上で、渋谷区としてどのように介護人材確保・人材育成に取り組まれるのか、区長の御所見をお伺いいたします。 次に、はぁとぴあ原宿の隣接地に整備する障がい者施設についてお伺いします。 これまで区内には重症心身障がいのある方や医療的ケアを必要とされる方が専門のサービスを受けられる施設がなく、御本人や御家族は住みなれた渋谷で暮らし続けることに大きな不安を抱えながら生活してこられました。こうした中、はぁとぴあ原宿の隣接地を活用して新たな障がい者施設を整備し、先ほど申し上げた方々に向けて、専門の通所サービスや短期入所サービスを区内で初めて実施することは、「ちがいを ちからに 変える街。渋谷区」にふさわしい英断だと高く評価をいたします。 一方で、重症心身障がいといっても、その障がい特性や必要な支援はひとくくりで語れるものではなく、また、サービスを利用して実現したいこと、挑戦したいこともお一人お一人で異なると思います。 また、医療的ケアについても、たんの吸引、胃ろう、酸素吸入など、その方に応じた個別の支援が必要となります。 そこで、今後、サービスの具体的な内容を決めていくに当たり、どのような点に配慮して、また、どのようなプロセスで検討を進めていくのかをお伺いいたします。 三番目に、防犯・防災についてお伺いします。 防犯について三点伺います。 まず、防犯カメラ設置及び啓発プレート掲示状況についてお伺いします。 渋谷区では、我が会派の代表質問を受け、平成二十九年度から防犯カメラの事業に積極的に取り組み、児童の安全確保のため、区立小学校全十八校の通学路に一校当たり五台、合計九十台の防犯カメラを設置したのを皮切りに、平成三十年度からは、東京二〇二〇大会を見据え、平成三十一年度との二カ年で合計百台を増設することを計画しており、防犯体制の強化につながるものと確信をしています。 また、昨年の第一回定例会において、私は防犯カメラのさらなる抑止効果を上げるため、ピクトグラム入りで多言語化した「防犯カメラ作動中」のプレートを作成・設置してはどうかと提案させていただいたところ、昨年末から区内の区立公園などに同プレートが掲示されていると聞きました。現在までの防犯カメラの設置状況、啓発標示プレートの掲示状況とともに、今後の防犯カメラの設置事業について区長の御所見を伺います。 次に、区立公園等の防犯カメラ設置と人的警備について伺います。 区では、公園は誰もが憩い楽しめる場でありますが、公園利用者のマナー違反防止や騒音による苦情、犯罪の抑止を目的として、防犯カメラの設置と警備業務を導入して、公園利用者の安全・安心な公園環境づくりに取り組んできました。 東京二〇二〇大会の開催を翌年に控え、ホストシティである渋谷区には、今後、国内外から多くの人々が訪れることが予想され、公園利用者のさらなる安全性の向上を目的として、約百カ所の公園に約三百台の防犯カメラの設置を行う予定としています。 そこで、区長にお伺いします。 今回特に区立公園の防犯カメラ設置に重点を置かれた経緯と、期待される効果についてお伺いします。また、事業の詳細について具体的に教えてください。区長の御所見をお伺いいたします。 防犯の最後に、自動通話録音機についてお伺いします。 特殊詐欺は、特に高齢者をターゲットとした卑劣な犯罪であり、ここ数年、その被害は一向に減ることはなく、特に区役所職員を偽った、いわゆる還付金詐欺の被害が増加していると聞いています。警察や郵便局、民間金融機関の対応だけでは十分ではない中、安全対策課では平成二十九年度から自動通話録音機の配付事業を開始し、平成三十年度は二百台を購入し、警察とも連携し、効果的な運用を図ってこられました。 平成三十一年度は、さらに三百台を購入するということですが、効果が上がるものであれば、さらなる増加配付を行うべきかと考えますが、区長の御所見をお伺いします。 次に、防災について四点お伺いします。 まず、区民防災マニュアルの改訂、全戸配布についてお伺いします。 災害対策については、新庁舎移転に伴い、新たな防災システムが導入され、地域防災計画が改定されました。区の取り組みの強化を感じます。しかしながら、震災に強いまちづくりには、自助・共助の力を向上することが重要です。区民の皆様に日ごろからの心構えや備蓄、いざというときの避難場所等の知識や啓発には、区からの情報発信が欠かせません。 防災ポータルも見やすく、わかりやすくなりましたが、やはり万人に向けた紙ベースのマニュアルが必要です。我が会派がかねてより要望しております紙ベースの防災マニュアルの改訂及び全戸配布につきまして、その後の取り組みをお尋ねします。 また、高層住宅の防災マニュアルについては、どのようにお考えでしょうか。区長の御所見を伺います。 次に、震災復興マニュアルについてお伺いします。 渋谷区では平成三十年三月に業務継続計画、災害時受援計画、災害時職員行動マニュアルを作成しました。また、平成三十年十二月には渋谷区地域防災計画を修正するなどして、震災発生時の応急対策や直後の復旧対策については、着実に防災への備えを進めています。 一方、課題であったのは中長期的な震災復興についてです。事前に震災復興マニュアルを作成することで、効率よく対応を進めることができ、復興計画の策定期間を大幅に短縮することが可能になると言われています。来年度、震災復興マニュアルの作成に着手すると聞きました。我が会派の要望を取り入れていただき、感謝申し上げます。 そこで、震災復興マニュアルについて伺います。 復興では都市機能の回復、ハード面でのまちづくりも必要です。しかしながら、一番大切なのは区民が速やかに震災前の生活に戻ることと考えます。震災復興マニュアルは、区民生活の再建を第一に考えて作成するべきと考えますが、区長はどのようなお考えをお持ちでしょうか。区長の御所見をお伺いします。 次に、本町地区防災都市づくりグランドデザインについてです。 本町地区においては、これまで木造住宅密集事業や防災街区地区計画等による防災まちづくりを進め、地域の防災性向上に取り組んでこられました。その成果として、木造の個人住宅や賃貸住宅の建替えも進んだことで、一定程度は不燃化も進み、以前より地域の防災性は向上していることと思います。 しかし、本町地域においては幅員の狭い道路が多いことから、消防車による消防活動の困難な区域を解消するには課題があり、また、本町地区には建築基準法上の道路に接していないことから、建築確認が取得できず、改修を重ねるしかない敷地も多い状況にあると伺っております。先般、区長は当初予算案のプレス発表会で「本町防災都市づくりグランドデザイン」の策定について発表されました。これは本町地区における課題に対処すべく、新たな防災まちづくりの取り組みとして、今後進めていかれる施策であることかとお見受けしますが、具体的にどのような展望をお持ちでしょうか。区長の御所見をお伺いします。 平成三十一年度一般会計予算の四番目に、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック及び新公会堂の開設等についてお伺いします。 まず、東京二〇二〇大会についてお伺いします。 いよいよ東京二〇二〇大会まで一年余りとなりました。渋谷区では気運醸成事業としてのリアル観戦事業が計六回開催される予定となっています。特に十月にウィルチェアーラグビーの世界大会であるワールドチャレンジが東京体育館で開催され、また、十一月にはジャパン・パラバドミントン国際大会が国立代々木競技場体育館において開催されることになっており、最高峰のプレーに触れることのできる、またとない機会です。是非、この千載一遇の機会を逃すことなく、しっかりと気運醸成につなげていただきたいと思いますが、具体的にどのように進めていかれるのか教えてください。 あわせて、我が会派から要望していた渋谷区独自ボランティアに対する保険加入の主体者負担についてのお考えをお聞かせください。区長の御所見をお伺いします。 次に、オリンピック・パラリンピックの本番会場へ渋谷区内の小中学生を招待することについてお伺いします。 我が会派は、東京二〇二〇大会開催が決定して以来、一貫して区内小中学生の招待を訴えてまいりました。まずは本年十一月末に完成予定の新国立競技場について、日本スポーツ振興センター(JSC)は、竣工式に伴うこけら落としイベントを十二月中に開催したい意向を示しています。 さらに、二〇二〇年元日にはサッカー天皇杯決勝を実施するほか、竣工式などのイベントや陸上の五輪テスト大会を何回かに分けて実施する考えもあるようです。是非、何らかの形でいち早く区内小中学生を新国立競技場に招待することができればすばらしいと思いますが、区長の御所見を伺います。 また、オリンピック・パラリンピック本番期間中については、渋谷区内において、新国立競技場における陸上競技やサッカー、東京体育館の卓球・パラ卓球、あるいは国立代々木競技場体育館のハンドボール、ウィルチェアーラグビー、パラバドミントンなどが開催されます。これらについても、是非区内小中学生を全員招待をして、何らかの競技を観戦する機会をつくってあげられれば、一生の思い出となると思いますが、区長の御所見をお伺いいたします。 次に、キャッシュレス決済導入促進事業についてお伺いします。 東京二〇二〇大会に向けた外国人観光客の受け入れ環境の整備及び国の景気対策への対応として、約五百台の決済端末を無償貸与するとされています。今後、ますますキャッシュレス社会への移行が加速する中、時宜を得た事業であると高く評価いたします。導入に係る経費に加え、決済端末の操作や活用方法など、丁寧なサポートとフォローアップを行うこととされていますが、具体的にどのように進めていかれるのか、区長の御所見をお伺いします。 次に、新公会堂開設等についてお伺いします。 新公会堂は現在は建設中ですが、改めてどのような施設なのか、その概要とデザインについて、実際の来館者が利用するトイレ等の確保なども含めて教えてください。また、今後の新公会堂開設に関するスケジュールについても教えてください。 新公会堂についてはネーミングライツが付されると聞いていますが、その活用はどのようなことを想定しているか、お伺いいたします。 さらに、新公会堂のオープニングについて、開設記念イベント等の計画があれば教えてください。 新公会堂の開設により、渋谷区としての文化発信もこれまでとは変わってくると思いますが、どのような変化を期待しているかを教えてください。区長の御所見をお伺いいたします。 五番目に、都市整備及び公園等についてお伺いします。 まず、渋谷駅桜丘口地区第一種市街地再開発事業について伺います。 百年に一度とも言われる渋谷駅周辺の再開発ですが、現在、渋谷駅南西部に広がる広大な敷地を一体的に整備をする渋谷駅桜丘口地区第一種市街地再開発事業が進行中です。多くの人々がこの開発に期待を寄せる中、地域の皆様が主体となって、様々な困難を乗り越えて進められてきた事業であり、二〇二三年度の開業に向けて、今年の一月からは解体工事に着手しています。この開発により、商業、オフィス、文化・交流機能の充実が図られると伺っておりますが、改めて公共貢献について具体的に教えてください。区長の御所見をお伺いいたします。 次に、渋谷駅南口北側自由通路整備事業についてです。 昨年九月に開業した渋谷ストリームと渋谷川環境整備により、渋谷三丁目のエリアは大変活気づいています。区長の先ほどの所信表明にもあったように、このエリアからJR線をまたぎ、これから開発が進められる桜丘口地区へと人の流れを結ぶ、この南口北側自由通路が整備されることで、JR線により分断されている渋谷駅の東西をつなぎ、渋谷の魅力や回遊性を飛躍的に拡大させるビッグチャンスだと考えます。この自由通路整備事業により期待されるまちに与える効果や今後の渋谷駅の南側のまちづくりについて、どのように進めていこうと考えているのか、区長の御所見を伺います。 次に、渋谷駅周辺のバリアフリーについてです。 昨年三月に渋谷駅周辺地区バリアフリー基本構想が策定され、平成三十年第一回定例会で、私が代表質問した民間施設のバリアフリー化の今後について、早急に検討を進められ、平成三十一年度には渋谷駅周辺地区の小規模施設に対するバリアフリー化推進助成として、新たに予算化されたことを高く評価いたします。 私ども会派は、この制度の着実な実施、継続によって、「ちがいを ちからに 変える街。渋谷区」の実現に向け、民間施設のバリアフリー化が大いに前進していくものと認識しています。この助成制度について、今後どのような展開を考え、予算規模などの拡大はなされるのか、今後のロードマップについて、区長の御所見をお伺いいたします。 次に、公共サインの整備についてです。 渋谷駅周辺整備の一環として、今年度から渋谷駅周辺の公共サインの整備が進行中であり、さらに、来年度は東京二〇二〇大会に向けて、原宿駅・千駄ヶ谷駅周辺地区においても実施予定と承知をしております。プレス資料によれば、見やすく、わかりやすく、見つけやすいものをとのことですが、どこまでの範囲でどのような施設を案内するのか、外国人への対応はどのように考えているのか、他の地域については今後どのように展開しようと考えているのか、区長の御所見を伺います。 次に、ササハタハツまちづくりについてお伺いします。 笹塚・幡ヶ谷・初台エリアにおいては、その頭文字をとった「ササハタハツまちづくり」として、平成二十九年度からフューチャーセッションという新たな手法を取り入れ、住む人、働く人、学ぶ人、地域に関心のある人々による未来志向の対話を通じて、互いの違いや強みを引き出し、前向きな議論を重ねながら、協調的なアクションを起こすことで、自発的なプロジェクトが立ち上がり、その一部においては既に実験的に試行していると伺っております。 フューチャーセッションにより、まちの将来像を考え、地域の価値を向上させる活動が進むことで、玉川上水旧水路緑道を初めとした公園等の整備計画や利用形態の検討において、地域住民や利用者の幅広いニーズや期待感を酌み上げて、施策に生かされることと期待をしております。 そこで、区長にお尋ねします。 これまでのフューチャーセッションにより、多様な人々がまちの将来像を語り合い、プロジェクトを立ち上げておられますが、今後、「ササハタハツまちづくり」をどのように展開されるのか、まちの価値を向上させるためのこれからの取り組みについて、区長のお考えをお聞かせください。 次に、魅力ある公園づくりについてお伺いします。 現在の区立公園等につきまして、利用されている方々から「もっとたくさん遊具のある公園にしてほしい」とか「小さな子どもが安心して遊べる公園にしてほしい」、あるいは「高齢者の憩いの場となる公園にしてほしい」といった要望が寄せられております。 公園には様々な利用者がおられ、そのニーズは多様なものと承知をしておりますが、こうした御要望を受けとめながら、区立公園等の魅力を向上させることが大切であると考えますが、区長の御所見をお伺いをいたします。 六番目に、区民の健康についてお伺いします。 初めに、風疹抗体検査及び予防接種についてお尋ねします。 まず、我が会派の要望事項でもある予防接種事業の拡大について、御配慮いただき感謝申し上げます。 風疹は妊婦が感染すると「先天性風疹症候群」が発症する危険性が高くなります。また、東京二〇二〇大会においては、外国からの輸入例が増加し、感染が広がることが懸念されています。区は今までも男性を対象とした風疹抗体検査及び予防接種の助成を実施をしてまいりました。国は今般の風疹の流行を受け、赤ちゃんの「先天性風疹症候群」を予防するために、特に抗体保有率が低いとされる現在三十九歳から五十六歳の男性を三年間、風疹予防接種の定期接種の対象とする方針としています。 この方針を受け、渋谷区の風疹抗体検査及び予防接種の方向性について、区長の御所見をお伺いいたします。 次に、渋谷区国民健康保険データヘルス計画の取り組みについてお伺いします。 現在、高齢化が進展している中で、区民の皆様から生活習慣病、薬の飲み合わせや多剤服薬などでお困りの声が多く寄せられるようになりました。生活習慣や服薬などに問題がある方でも、自分ではなかなか気づきづらいという面があるのも事実であります。そのような中で、区では平成二十九年三月にデータヘルス計画を策定し、国保の保険者が持つデータを活用して、受診や支援が必要な方にダイレクトに働きかけを行う取り組みを進めてくださっています。まず、そのことに感謝を申し上げたいと思います。 そこで、データヘルス計画の現時点での取り組みの成果と今後の展開について、区長のお考えをお聞かせください。 七点目に、持続可能な財政運営についてお伺いします。 本区が目指す「成熟した国際都市」実現の原動力となるのは「ダイバーシティとインクルージョン」の理念です。渋谷区に集まる全ての人の多様性(ダイバーシティ)をエネルギーに変えていくこと(インクルージョン)、これを強く推進するための施策を積極的に展開させ、本区の持続的成長を目指していく必要があります。こうした持続的成長を支えるのが強固な財政基盤です。 本区のように特別区民税収が歳入の大宗を占めるという、景気動向に影響されやすい財政構造にあっては、より中長期的な視点に立った財政運営を行っていかなければなりません。首都直下地震を初めとする災害への備えや少子高齢化対策、公共施設・インフラの老朽化対応など、今後の膨大な行政需要に適切に対応するとともに、本区が「成熟した国際都市」として、さらなる進化・発展を遂げ、持続的成長につながる施策を果敢に取り組むためには、将来にわたって強固な財政基盤を堅持していく必要があります。 将来的には人口が減少していくことや、人口構成の変化がこれまで以上に顕著になることが予想される中、税収減が懸念される一方、社会保障関係経費や公共施設の維持管理・更新への対応に係る経費等は、さらに増加していくことが見込まれます。これら今後の膨大な行政需要に適切に対応するためには、基金の運用を適切に行うとともに、最少の経費で最大の効果を上げるため、民間の資金・ノウハウを最大限活用し、公的負担の最小化を図りつつ、行政サービスの実施方法を見直し、民間が持つ経営資源を積極的に活用していくことが持続可能な行政運営に必要不可欠となっております。 これからの行政サービスは、区が全てを担うのではなく、柔軟に守備範囲を見直した上で、事業の運営手法や資源について、「民間に任せられることは民間に任せる」という発想のもと、できる限り民間のノウハウや創意工夫等を活用していく必要があると考えます。 そして、守備範囲の見直しや運営手法の見直しによって捻出された経営資源、人材や財源等については、新たな行政課題に投入したり、あるいは魅力あるまちづくりのための新規事業に投資をしたりするなど、有効に再配分できるよう活用していくことができると考えます。 これまでの本区の取り組みは、まさにこうした考えを具現化するものであり、将来負担に備えた財政基盤を構築しつつ、民間が持つ経営資源を積極的に活用して財政負担の最小化を図りながら、区民サービス向上の視点から、新たな価値や魅力を創出するものとなっております。 今定例会で提出されている補正予算においても、基金からの繰入金を減額するとともに、都市整備基金への積立金が計上されているなど、将来の来るべき行政需要に対して、万全の備えを図り、中長期的視点に立った財政運営を視野に入れたものと高く評価をしております。とりわけ今後、大きな行政需要として考えられる公共施設・インフラの老朽化対応等などが考えられる中、改めて将来を見据えた財政運営についての区長のお考えをお伺いいたします。 本年一月十五日に開庁した新庁舎は、五月に竣工予定の新公会堂とあわせて、実質区の財政負担ゼロで整備したものです。新公会堂の取得前ではありますが、新庁舎の引き渡し時点で事業の評価を行ったものと思いますので、その結果も踏まえて、この庁舎等建替え事業の成果がどのようなものであったのか、改めて区長のお考えをお伺いいたします。 最後に、平成三十一年度国民健康保険事業会計予算についてお伺いします。 平成三十年度は国保制度の安定的な財政運営に向けて、新たに都道府県が保険者として加わり、都道府県が国民健康保険の財政運営の責任主体となる制度改革がありました。その中で来年度は二回目となる保険料率の改定となります。 そこで、区長にお伺いいたします。 来年度の国保の保険料率の改定について、制度改正による影響も含めて、区長のお考えをお聞かせください。 また、将来にわたって持続可能な制度とするためにも、財源確保が重要であると考えますが、区長のお考えをお聞かせください。 以上、御答弁をよろしくお願いいたします。 ○副議長(古川斗記男) 長谷部区長。 ◎区長(長谷部健) 渋谷区議会公明党、沢島英隆議員の代表質問に順次お答えいたします。 初めに、子育て支援・教育について、「渋谷区子育てネウボラ」について三点のお尋ねです。 まず、今年度実施のネウボラ事業の実績と今後の見通しについてです。 本区では渋谷区子育てネウボラの開始に先駆け、今年度より妊娠・出産・育児期への支援を段階的に進めております。今年度は出産直後の支援を充実させるため、産後鬱対策、育児不安の解消を目的とした宿泊型産後ケアの開始、そして母乳相談の拡大、産後鬱教育の充実を図りました。 その中でも御質問いただいた「宿泊型産後ケア」は大変好評です。平成三十年の六月より開始し、一月までの八カ月で九十九人が申請し、うち既に五十人が通算二百十九日利用しました。来年度より実施する妊婦全数面接においても、この事業を周知徹底することで、利用者はさらに増えると考えております。 次に、「要支援家庭を対象とした子どものショートステイ事業」のこれまでの実績と今後の見通しについてです。 今年度から開始したこの事業は、子ども家庭支援センターの相談員が、養育に行き詰まった保護者に寄り添って、子どもの安全を確保しつつ、保護者と一緒に子育てについて考えていく事業です。現在まで十二日の利用があり、実際に利用された保護者は、一旦子どもと離れて落ちついた環境で、子育てについて相談員とともにじっくりと考えることで、自分なりの子育てを見出すことができたようです。 また、担当した相談員は、子どもを預かる児童養護施設の職員と連携して、親子のアセスメントや子どもの日常生活に基づく見立てを支援に役立てるスキルを学ぶことができました。 このように、この事業は支援を受ける側、支援する側の両方にとって有益と考えており、この後もこの事業を「渋谷区子育てネウボラ」の有効なツールとして活用していきます。 次に、「妊婦全数面接」と「LINE連携による予約システム」の方向性と育児パッケージについて、そして保健師の育成についてのお尋ねです。 保健師が全ての妊婦と面接することで、妊娠期からのあらゆる相談を一元的に受け、関係機関との連携を図るコーディネーターとしての役割を担ってまいります。面接の予約については、既に子育てに関する情報配信やAI自動応答等で多くの子育て世帯に利用されているLINEアカウントからシームレスに予約ができるシステムを導入しています。面接だけではなく、パパ・ママ入門学級や育児学級の予約など、いつでも手軽に予約ができる環境を整備してまいります。 また、育児パッケージは、渋谷区から祝福の気持ちを込めて、乳児期に必要な用品をお届けし、出産・子育てをサポートするものです。渋谷区らしく記念になるようなデザイン性の高いものにしてまいりたいと考えております。 今後、渋谷区子育てネウボラを充実させるに当たり、丁寧に子育て家庭に寄り添い支援するために、大学と連携した助産師講師等による面接技術の向上を図り、質の高い保健師を育成してまいります。これまで以上に保健師と子育て家庭がつながり、より親身に、専門性の高い相談者となることで、安心して妊娠・出産・子育てができる地域の実現を目指します。 また、第二美竹分庁舎での「渋谷区子育てネウボラ」関連部署の連携体制と、それによる虐待防止効果、さらに、虐待対応時の弁護士活用についてのお尋ねです。 現在、区内で虐待が疑われるケースでは、子ども家庭支援センターが東京都児童相談センターや区内三警察署など、各機関が情報共有して虐待の早期対応に努めています。 本年五月の「渋谷区子育てネウボラ」立ち上げ後は、「妊婦全数面接」時から、保健師と子ども家庭支援センターの相談員が情報共有し、虐待のリスクが高いと思われる家庭については、所管を超えて連携、支援することで虐待の未然防止を図っていきます。 さらに、子どもの成長に合わせて、就学後も十八歳までの子どもへの支援が途切れることがないよう、子ども家庭支援センターと教育センターの相談員が、相談の初期段階から協力して対応に当たります。 また、来年度から児童福祉や子どもの権利擁護に詳しい弁護士をアドバイザーとして、要保護児童対策地域協議会のメンバーに加え、虐待だけでなく、学校で困難を抱えた保護者への対応についても、弁護士としての観点から助言を求めることにしました。 このように「渋谷区子育てネウボラ」体制を整備することにより、関係機関の連携を強化して、痛ましい児童虐待事件が起こらないよう努めてまいります。 次に、二〇二一年完成予定の神南分庁舎跡地計画の進捗についてのお尋ねです。 神南分庁舎跡地に、さらに幅広く地域とともに子育て支援を行っていくための施設整備を進めており、平成三十一年度予算案に「神南分庁舎跡地複合施設整備事業」に要する費用を計上しております。平成三十年六月と八月には、周辺の皆様を対象に説明会を実施しました。さらに、神南小学校の保護者の皆様には、別途説明会を実施してきました。 既に解体工事に着手しており、平成三十一年七月に建築工事についての説明会を開催し、九月に建築工事に着手する予定です。 また、「渋谷区子育てネウボラ」の展開については、多くの区民の方に「ネウボラ」についてわかりやすく紹介し、興味を持ってもらえるように、区のホームページの一部をリニューアルして掲載します。 全ての子どもとあらゆる家庭が、それぞれの一生を喜べるまちの実現に向け、出会う、集う、語る、つながる、地域のみんなで子どもを育てる。渋谷区子育てネウボラを構築していきます。 次に、待機児童対策についてのお尋ねです。 所信表明でも申し上げましたが、待機児童解消については、私が区長に就任してから、最も力を入れてきた施策の一つです。これまでもスピード感を持って保育施設の整備を進めるとともに、多様な待機児童対策を行ってきましたが、早期に待機児童対策が実現できるよう、今後も全力で取り組んでまいります。 また、本年十月からの幼児教育・保育無償化に伴う本区の経費削減についてですが、無償化に要する費用については、国、東京都、渋谷区がそれぞれ負担することになります。今回の幼児教育・保育無償化に伴い、本区がこれまで独自に行っていた保育料の無償化、減額措置に要する費用についても、国と都がその一部を負担することになるため、具体的な金額については現時点では算出しておりませんが、区の負担は軽減されるものと考えております。 また、給食費の実費徴収については、本区ではこれまで子育て世帯の経済的負担軽減を行ってきており、現段階では給食費の実費徴収を行う考えはありません。 区民の方への周知につきましては、今回の無償化に伴い、認可保育以外の保育施設にお子さんが通う方など、新たに手続が必要になりますので、丁寧に周知を行っていきたいと考えています。 次に、「こどもテーブル」についてのお尋ねですが、「こどもテーブル」は平成二十九年から事業を開始し、地域の方の多大なる御協力のもと、本年四月に七十カ所での実施が見込まれ、地域の力で子どもたちを支えるという、新たな子育て支援として定着してきたという実感があります。 今後、区内百カ所の実施に向け、こどもテーブル団体の連絡協議会の実施や、民間企業との連携による飲料の提供、学生ボランティアの派遣など、様々な支援を活用して、既存団体の安定した運営を確保するとともに、新しい団体に対しましても、「こどもテーブル」を始めやすいよう支援を行ってまいります。 また、「景丘の家」では多くの地域の方やお子さんを受け入れ、多世代の交流スペースとして活用するとともに、「こどもテーブル」を始めたい方に対しても、社会福祉協議会と協力しつつ、積極的に周知活動や情報発信に努めてまいります。 次に、高齢者・障がい者福祉について五点のお尋ねです。 初めに、地域包括ケアについてです。 私は、基本構想の「福祉」のテーマにおける「すべての人々が支え合い、どんな人でも自分らしく生きていける共生の街」の実現を目指すために、高齢者においては、地域包括ケアシステムの構築が必須であると考え、様々な施策を進めてきました。 特にシステムの構築のための中心的な役割を担う地域包括支援センターについては、通常の配置基準を上回る人員を配置し、さらに来年度の予算で、全体で四人の増員を図ることとし、これまで以上に高齢者が住みなれた地域で安心して住み続けられるようにするため、今後もしっかりと推進していきます。 さて、議員御質問のとおり、本区では昨年度より、地域包括ケアシステム構築のために重要となる医療と介護の連携のさらなる推進を図るため、「渋谷区在宅医療・介護連携推進会議」を設置しました。会議のメンバーは学識経験者を初め、医師会・歯科医師会・薬剤師会、渋谷区ケアマネジャー連絡協議会、渋谷区訪問介護ステーション連絡協議会、機能強化型包括支援センター、在宅医療相談窓口からの代表者、区からは福祉部と保健所が参加して開催しています。 今年度は昨年の十二月に開催しており、重要な課題である「区内の医療介護資源の情報収集」について意見交換を実施しています。病院からの退院後などの在宅での生活を支えるため、訪問看護や訪問介護などの連携のために、地域における細やかな医療介護資源についての情報が重要となります。 今月開催された渋谷区医師会主催の多職種研修会でも、このテーマについて活発な議論が行われたと報告を受けています。そして、この研修会の成果を来月開催予定の今年度第二回の会議にフィードバックし、さらに議論を深めることとしております。これからも参加メンバーの協力体制を構築し、課題解決を進めていきます。 次に、認知症施策推進基本法制定への取り組みについてのお尋ねです。 我が国の急速な高齢化の進展に伴い、認知症高齢者も確実に増加しています。本区でも認知症施策を重要施策として捉え、「第七期高齢者保健福祉計画及び介護保険事業計画」において、若年性認知症カフェの開設などの新規施策や既存事業の充実を図ることを明記し、推進しています。 こうした状況の中、認知症の人が尊厳を保ちつつ暮らすことのできる社会の実現を図ることを目的に、認知症施策の理念と基本的方向性を定め、国と地方公共団体の責務を明らかにする「認知症施策推進基本法」案が、立法に向け、多方面で議論されていることは承知しています。 今後も高齢化が確実に進むことから、認知症への対策は喫緊の課題であることは明らかであり、国民全てが認知症に関する理解を深め、認知症の当事者や介護者を支援していくことがなければ、今後、安心して生活を続けていくことはできません。 認知症施策を法制化することについては、国及び自治体が一つの理念に基づき、国を挙げて認知症施策に取り組むということになりますので、効果的であると考えています。 政府においては、一体となって総合的な認知症対策に取り組むため、「認知症施策推進関係閣僚会議」を設置し、本年五月にも対策の指針となる「大綱」を取りまとめる動きがあり、あわせて国の責務などを定めた基本法制定も視野に入れると聞いています。 本法案につきましては、引き続き立法に向けた議論がされると思いますので、その動向を見て対応していきますが、本区としても、これからも認知症施策を積極的に進めてまいります。 次に、「渋谷生涯活躍ネットワーク・シブカツ」について、「渋谷ハチコウ大学」の授業内容と「シブカツ」の開校スケジュールについてのお尋ねです。 本区では、元気な高齢者が一層生き生きと社会活動へ参加していただくため、定年前であるおおむね五十五歳以上の方からを対象者として、新たに「渋谷生涯活躍ネットワーク・シブカツ」を設置し、魅力ある機会を提供する事業を展開することとしています。 「シブカツ」のコンセプトは大きく二つあり、一つは、先ほど渋谷区議会自由民主党議員団、斎藤竜一議員の御質問にお答えしたとおり「就労支援」で、もう一つがS-SAP協定を締結している区内八大学や民間企業と連携した渋谷区ならではの新たな学びの場を提供する「渋谷ハチコウ大学」を開校します。 「渋谷ハチコウ大学」では学生登録制度を導入し、登録された方は「各大学の特色を生かした講座」や「日常生活に密着した企業講座」「NPO等と連携した自主企画講座」などに優先的に参加できるようになります。 「渋谷ハチコウ大学」で実施予定の講座については現在、各大学、企業などと調整を進めており、多彩なメニューを構築中です。 そして、講座修了者は、ハチコウ大学独自の学位を取得することができ、その後は地域コミュニティ活動の担い手として、新たな活動に参加できる仕組みを構築していきます。 なお、一定の学位を取得した方は受講料の補助を行うなど、専門的な講義に参加しやすい体制もあわせて検討を進めています。 「シブカツ」の開設までのスケジュールですが、四月にヒカリエ八階に準備室を開設するため、職員用執務室の工事を進めています。また、四月からは情報発信の拠点となるスペースの工事を、六月中の完成を目指して開始します。完成後にオープニングイベントを行い、「シブカツ」は七月一日オープン予定です。「渋谷ハチコウ大学」につきましては、十月ごろ開校予定で準備を進めています。 いずれにいたしましても、多くの区民のセカンドライフが豊かになることを目指して、新たな元気高齢者施策の一つである「シブカツ」の取り組みを推進していきます。 介護人材の確保・人材育成事業についてのお尋ねですが、議員御発言のとおり、国は二〇一九年度、新予算案に新たな介護職員の処遇改善加算を盛り込み、十月に改定する予定です。詳細な算定要件はまだ明らかではありませんが、経験・技能のある介護福祉士を中心に給与が改善できること、また、本加算により得た収入を事業所全体の介護職員などの給与改善のために柔軟な運用を認めるなど、評価できるものです。 本区も「第七期渋谷区高齢者保健福祉計画及び介護保険事業計画」の中で、介護人材の確保と育成を重点施策として位置づけ、喫緊の課題であると認識しています。これまで区の取り組みといたしましては、就労支援センターしぶやビッテ、ハローワーク、福祉部が連携して、「しぶや福祉のしごと相談・面接会」の開催や、介護施設の見学会「介護の仕事ツアー面接会」を開催し、毎回雇用につながっており、一定の成果を上げています。 また、区が実施する総合事業の訪問サービスAに従事するための「渋谷区せいかつサポート研修」を実施するなど、新たな介護人材の確保にも取り組んでいます。 さらに、来年度に向けては、小規模事業所に勤務する介護職員を対象とした「スキルアップ研修」や厚生労働省が進めている介護未経験者を対象とした「介護に関する入門的研修」の実施に係る経費についても予算計上しています。 今後も引き続き、事業者や介護職員からの声を受けとめ、介護人材の確保・育成のための施策を着実に進めてまいります。 次に、はぁとぴあ原宿の隣接地に整備する障がい者施設についてのお尋ねです。 議員御指摘のとおり、重症心身障がいのある方や医療的ケアを必要とする人は、個々の障がい特性や状況により、必要とする支援やサービスが異なります。このため今後、具体的なサービス内容を決めるに当たっては、障害者団体連合会の関連団体や、これら障がいのあるお子さんが通う特別支援学校の保護者から直接御意見を伺い、個々のニーズを集約した上で、サービスに必要な人員、設備、送迎方法、医療連携などを整理してまいります。 また、設置と工事が約五年に及び、他の障がい者施設とは異なる配慮や工夫も必要であることから、コストやスケジュールを適切に管理し、手戻りなく効率的に整備を進めるため、高い技術力を持つ専門家に管理業務を委託する「コンストラクションマネジメント方式」を区立施設で初めて採用します。 今後のプロセスとしては、まず来年度四月以降、速やかにコンストラクションマネジメント業務の委託契約を締結します。続いて、来年度前半には障がい者団体や保護者の意見とともに、運営サイドや知見やノウハウを設計に反映するために、運営主体の選定を進め、来年度後半には設計者を公募で決定します。その後はコンストラクションマネジメントによる支援のもと、二〇二〇年度末までに設計を、二〇二三年度に建設工事を完了し、現時点では二〇二四年四月の開設を目指してまいります。 次に、防犯について三点のお尋ねです。 本区では、区民や来街者の安全・安心を確保するために、平成二十九年度から区内の防犯体制を強化し、特に防犯カメラの設置事業を強力に推進しております。 議員の御発言のとおり、平成二十九年度は児童の安全を確保するため、区立小学校全十八校の通学路に一校当たり五台、合計九十台の防犯カメラを設置しました。 さらに、今年度と来年度の二カ年で、東京二〇二〇大会を見据え、百台の防犯カメラを設置することとし、そのほか引き続き、商店街への設置助成を推進するとともに、来年度は公園施設への設置拡大を行うこととしました。 また、昨年の第一回定例会において、議員から御提案いただいた、ピクトグラム入りで多言語化した「防犯カメラ強化地域」の表示プレートを作製し、昨年度末から区立公園を初め、各学校の外壁などに掲示し、また、各町会、商店街等への掲示の普及活動も進めているところです。 防犯カメラの設置事業については、来年度までに必要箇所への設置を終えることを目指していますが、今後は、設置にかかわる効果を検証し、さらなる設置拡大の必要性等について見きわめていきたいと考えています。 あわせて、「防犯カメラ強化地域」の表示のプレートについては、昨年の第四回定例会において、貴会派の松山克幸議員から、代表質問に対してお答えしましたが、まちの防犯意識の高さを示すとともに、犯罪を企てようとする者に対し警告の機能を果たすなど、犯罪抑止効果を高めるものであることから、さらに普及させていきたいと考えています。 次に、区立公園等の防犯カメラの設置と人的警備についてのお尋ねです。 本区では、公園利用者等の安全・安心を確保するため、平成二十九年度に三カ所の公園に計十八台、平成三十年度に四カ所の公園に計二十四台の防犯カメラ設置と警備業務を導入しました。 議員御発言のとおり、東京二〇二〇大会の開催を翌年に控え、国内外から多くの人々が訪れることが予想されます。中でも都市の中における貴重なオープンスペースである区立公園等は利用者の増加が予想されることから、公園利用者のさらなる安全性の確保を目的として、防犯カメラの設置を拡充したものです。 今回の防犯カメラ設置と緊急時には警備員が駆けつける警備業務の導入により、初めて訪れた人も、日ごろから御利用いただいている人にも、公園利用におけるマナーの向上、禁煙ルールの遵守及び犯罪等の抑制効果が期待されます。 また、今後の事業の進め方につきましては、公募による事業者の選定を予定しており、来年度早々に事業の募集を開始し、速やかな防犯カメラの設置と警備業務を実施してまいります。 次に、「自動通話録音機」についてのお尋ねです。 還付金詐欺を初めとする特殊詐欺については、議員から御指摘があったように、その被害は一向に減ることはなく、本区内でも昨年、一昨年と百件以上の被害が発生しており、本年に入ってからも、区職員をかたった還付金詐欺が多発しています。 本区では、特殊詐欺の撲滅と被害防止に向けて、現在、警察の関係機関と情報共有・連携を図りながら、区ニュースや「しぶや安全・安心メール」等を活用した広報啓発活動や各種見守り活動等を推進しています。 また、議員の御指摘のとおり、警告のアナウンスを発し、詐欺グループからの「なりすまし電話」等を録音する自動通話録音機を、昨年度は百六十台、今年度は二百台を、おおむね六十五歳以上の被害に遭う可能性の高い人が居住する世帯を対象として、所轄警察署を通し無償で配付し、さらに平成三十一度は三百台の配付を予定しています。 本区といたしましては、引き続き、各種媒体を活用した広報啓発活動等を積極的に推進していくとともに、本事業による特殊詐欺にかかわる被害防止の効果をしっかり検証した上で、必要に応じて自動通話録音機の追加配付を検討するなどして、特殊詐欺による被害を一件でも多く減らしたいと考えています。 次に、防災についてのお尋ねです。 まず、区民防災マニュアルの改訂、全戸配布についてと、高層住宅の防災マニュアルについて、一括してお答えをいたします。 議員御発言のとおり、震災に強いまちづくりには、日ごろからの心構えや備蓄、いざというときの避難場所の知識等、自助・共助の力を向上することが重要です。このようなことから、地域防災計画の修正を機に、区民防災マニュアルを改訂し、全戸配布します。 内容としては、防災ポータルサイトや防災アプリの情報を活用した災害時の行動や、要配慮者への対応等、渋谷区の制度や取り組みを主に、自助・共助の手引書となるものを目指し、作成の準備を進めているところです。 さらに、この区民防災マニュアルを地域の防災訓練や防災キャラバンでも活用をしていきます。 また、高層住宅については、渋谷区では平成二十一年度から渋谷区震災対策総合条例に基づき、新たに中高層の共同住宅を建築する場合に、建築主や住宅管理者に対して、備蓄場所の確保を求めており、防災対策の重要性を啓発してまいりました。高層住宅も含め、マンション等の防災について、区民防災マニュアルに新たに盛り込み、「見やすい」「わかりやすい」マニュアルを作成し、区全体の防災力の向上を目指します。 次に、震災復興マニュアルについてのお尋ねです。 震災復興マニュアルは、都市機能の回復、市街地の復興に加え、区民の暮らしや産業の復興などについて、いかに効率的・計画的に進めていくかの行動指針、手順などを示したものです。事前にマニュアルを作成することにより、効率よく対応を進めることができ、復興計画の策定期間を大幅に短縮することが可能になります。 復興に当たっては、被災前より安全で安心なまちづくりを推進するなど、ハード面の整備が必要です。しかしながら、一番に考えるのは、議員の御指摘のとおり、区民生活の再建です。住宅の確保を初め、生活基盤をできるだけ早く再建し、震災前の生活に戻すことが大切です。 このため、震災復興マニュアルの作成に当たっては、区民生活の再建を第一に考え、町会、商店会、まちづくりにかかわる方や関係機関から意見を幅広く取り入れるなどして進めてまいります。 次に、本町地区防災都市づくりグランドデザインについてです。 議員御指摘のとおり、本町地区では木造住宅密集地域における避難路の確保や公園の整備、建築物の不燃化促進等の取り組みを進めてきました。 具体的には避難所である渋谷本町学園及び同学園第二グラウンド周辺に広範囲に広がる消防活動困難区域を解消するための主要生活道路の拡幅整備に向けた取り組みや、不燃化促進のための助成制度や建築物の規制を定めてきたところです。 これらの従前より進められてきた木造住宅密集地域における「防災まちづくり」の次のステップである「防災都市づくり」として、総合的なまちのグランドデザインを策定して、よりスピード感を持って地域の防災性を向上させていくとともに、環境や地域コミュニティにも配慮した総合的な取り組みを進めていきます。 具体的な検討は来年度より専門家の意見を聞きながら進めていきますが、このグランドデザインでは、公共施設の再編や低利用のままの区有地を有効活用するなど、土地利用の総合的な検討などを進め、主要生活道路の拡幅整備に向けた土地の取得や、再建築ができない敷地の解消に向けて、実態に即した手法を確立していくことを考えています。 次に、東京二〇二〇大会の気運醸成と独自ボランティアへの保険についてのお尋ねです。 今年はいよいよ大会一年前となり、競技会場におけるテストイベント開催など、大会準備は最終段階を迎えてきます。渋谷区における気運醸成も区内で開催される国際大会を絶好のチャンスと捉え、リアル観戦事業の一環として、世界最高峰のプレーを子どもたちや区民の皆様に直接観戦していただけるよう、大会主催者と調整を進めていきます。 また、会場内への渋谷区ブースの出展による情報発信、会場周辺でのフラッグ掲出によるシティドレッシング等も行っていきたいと考えています。 そして、リアル観戦事業等では引き続き、区独自ボランティアに御協力いただき、その際には皆さんが安心して活動を行っていただけるように、保険料を区が負担してまいります。 次に、東京二〇二〇大会への小中学生の招待についてのお尋ねです。 新国立競技場は平成二十八年十二月に本体工事が着工され、いよいよ本年十一月末に完成予定と伺っております。日本のスポーツの聖地として歴史を継承し、新時代のスポーツと文化を発信するスタジアムに生まれ変わります。さらに、東京二〇二〇大会の本番では、東京体育館と代々木競技場においても、世界最大のスポーツの祭典が行われます。 渋谷区は、こうしたまたとない機会と絶好の環境に恵まれており、子どもたちが大会を通じて、多くの感動と興奮を得て、大きな夢や志を育めるような機会にしていきたいと思います。そのため新国立競技場の施設見学や大会観戦などについて、関係者との調整を進めていきます。 さらに、大会本番時には区内競技会場でオリンピック・パラリンピックの競技観戦ができるよう、大会組織委員会による「学校連携観戦プログラム」を活用するなど、教育委員会と連携を図って、検討を進めていきます。子どもたちにとって一生の思い出となるすばらしい機会を提供するとともに、二〇二〇年以降も観戦の場を創出していきたいと思います。 次に、キャッシュレス決済導入促進についてのお尋ねです。 我が国のキャッシュレス比率は一八%と低い水準ですが、東京二〇二〇大会や国の景気対策などにより、キャッシュレス決済への関心は大変高まってきています。私は、この時期を捉え、国内の消費拡大、商店街への活性化のため、キャッシュレスシティ・シブヤの実現を目指し、新年度より、この実現に取り組むこととしました。 国のキャッシュレスビジョンによると、店舗がキャッシュレス決済を導入しない理由として、導入費用や手数料といったコスト面の負担のほかに、導入のメリットを感じない、現場のスタッフによる対応が難しい、店舗の伝統や雰囲気にそぐわないといった理由があると言われています。 こうした状況も踏まえ、キャッシュレス化を進めていくためには、丁寧なサポートを行い、各店舗がキャッシュレス決済の導入に積極的に踏み切れる仕組みをつくり、商店街の活性化を図っていくことが重要と考えています。 まずは、四月から速やかに事業を開始できるよう、事業者の選定を進めていきます。事業の進め方については、四月以降、店舗に対して、ニーズや実態に関する調査を行うとともに、説明会を随時実施していきます。 導入店舗については、機器の設置後も電話や訪問などにより、丁寧にサポートをしていきます。また、効果検証もしっかりと行い、店舗に寄り添ったサポートを展開してまいります。 ソフト面のサポートもしっかりと行いながら、各店舗のキャッシュレス化へのハードルをできる限り低くするとともに、集客力の向上や将来的には現金管理コストの低減などにもつなげ、商店街振興の新しい仕組みとして、区内のキャッシュレス化を推進していきます。 次に、新公会堂について、三点のお尋ねです。一括してお答えします。 渋谷公会堂につきましては、本年五月に竣工、十月中ごろの開設を計画しており、音楽、演劇、式典、講演会等に対応できる多機能な多目的ホールとしての使用を想定しています。 その構造は地上六階、地下二階建てで、客席は三層構造となっており、千九百五十六の客席を備え、来館者が快適に過ごせるよう、トイレについては興行場法に基づき、必要な個数を各客席層ごとに配置をしています。 デザインについては、外観は新庁舎・住宅棟とあわせて、周辺環境と調和する三棟一体のデザイン、フル・オブ・カラー・アンド・ライフをコンセプトとし、多様な人々にあふれ、多様な色に満ちた渋谷のまちを表現するものです。公会堂内のホワイエ空間は、カラーガラスを通して公園通り側のにぎわいと一体となり、また、代々木公園側は劇場の舞台の幕をモチーフとしたドレープファザードにより、公会堂の劇場としての特徴を出し、新しい渋谷の文化を生み出す象徴としています。 劇場空間については、建替え前の渋谷公会堂の赤い座席の印象を継承しつつ、座席の一つ一つに少しずつ色の変化をつけることで、大きな絵が描かれたような新しいホールとなります。 ネーミングライツは単なる施設名称としてだけではなく、その事業者を従来のネーミングライツの考え方からさらに進化させ、ネーミングライツプロモーションパートナーと位置づけています。事業者には、開催されるイベントやコンサートのプロモーションをLINE上で実施したり、ICT技術や決済技術を連携させたチケットレス化など、今までにない新しい取り組みを指定管理者とも協働しながら行うことを期待しています。 なお、新公会堂の開設記念イベント等につきましては、現在、指定管理者とも協議をしているところですが、渋谷の未来に向けた区民の皆様のための施設であることと、渋谷区の新たな次世代型の文化発信の拠点としての側面をあわせてお祝いする、新公会堂にふさわしいオープニングイベントにしたいと思っています。 最後になりますが、公会堂の開設により、区内には文化総合センター大和田の三百席規模の小ホールとしての伝承ホール、七百席規模の中ホールとしてのさくらホールに加え、二千席規模の新公会堂は大ホールとして完備されることとなります。そして、イベントの大きさや内容に応じて、三ホールがそれぞれの特性を生かし、渋谷区の新たな文化を発信し、渋谷カルチャーを進化させていきたいと思います。 いずれにいたしましても、今回、最先端の機能を備えて生まれ変わる渋谷公会堂につきましては、あらゆる世代の区民の皆様に、多彩な文化に親しむ機会を提供して、利用しやすく愛されるホールを目指してまいります。 次に、渋谷駅桜丘口地区第一種市街地再開発事業の公共貢献についてのお尋ねです。 本地区が位置する桜丘は、JR線や国道二四六号によって、東西・南北にまちが分断されており、また、地形の高低差も大きく、周辺市街地への歩行者の回遊が阻害されています。さらに、建築物の老朽化や密集化が進行し、駅直近でありながら、土地の健全な高度利用が図られておらず、防災上からもまちの機能更新が喫緊の課題となっています。 こうした課題を解決するために、地元関係者の方々が、将来へ向けたまちづくりについて、長期にわたり検討し、地域の合意のもとに公共貢献も含めた開発の事業計画を策定しました。 本事業による公共貢献の詳細ですが、「都市基盤への貢献」として、街区内に幅員十五メーター、延長約二百七十メーターの都市計画道路補助第十八号の整備がなされ、地域の安全かつ快適な交通環境の実現が進められます。 また、駅施設と周辺市街地をつなぐアーバン・コアや連絡デッキにより、多層にわたり地域に広がる歩行者ネットワークが形成されます。 「都市防災への貢献」として、街区の再編により安全なまちがつくられるとともに、帰宅困難者を受け入れる一時滞在施設や防災備蓄倉庫が整備されます。また、災害時においても安定した電源供給を可能とする非常用発電機も設置されます。 「都市環境への貢献」として、地域冷暖房の導入によりエネルギー効率の向上が図られるとともに、屋上等を活用した立体的な緑のネットワークが形成され、温暖化やヒートアイランドへの対策もなされております。 「国際競争力への貢献」として、グローバル企業やクリエイティブ・コンテンツ産業等の企業支援施設のほか、外国人ビジネスマンの生活を支える国際医療施設、サービスアパートメント、子育て支援施設が整備されます。 さらに、駅周辺開発では唯一の高層住宅が整備され、地権者や地域の方が住み続けられ、まちの活性化にもつながる事業でもあります。このように渋谷駅周辺のまちの課題を解決し、都市機能を高め、地域に貢献する公共性の高い事業については、渋谷区としても補助金などを通じて支援をしていきます。 次に、渋谷駅周辺地区の自由通路についてです。 議員御提言のとおり、まちが大きく生まれ変わろうとしている、まさに千載一遇のチャンスが到来しています。そこで、本区は新たな戦略的投資として、この生まれ変わる東西のまちとまちをつなぎ、新たな渋谷駅南側の顔となるストリートとして、「渋谷駅南口北側自由通路(仮称)」の整備事業に着手します。この自由通路整備事業は、桜丘口地区の沿道の雰囲気を大切にした界隈性と渋谷三丁目の渋谷川周辺のにぎわいをつなぐものです。 また、南北のまちをつなぐ国道二四六号の歩道橋並びに地下通路の整備とあわせて、渋谷駅を中心とした地域間の回遊性が格段に高まり、ひいては各地域の利便性や魅力も大きく向上するものです。 さらに、渋谷駅南側地域の長年の念願であるJR線により分断されているという課題の解決はもとより、代官山や恵比寿を含めた渋谷のまち全体のつながりや発展に多大なる効果をもたらすものと大いに期待しています。 次に、バリアフリーについてです。 議員御指摘のように、昨年三月に策定した渋谷駅周辺バリアフリー基本構想に基づき、渋谷駅周辺地域の小規模施設に対するバリアフリー化推進助成制度を創設し、民間施設のバリアフリー化を広く周知しながら進めてまいります。 区としても当助成制度は、渋谷駅周辺地域のバリアフリー基本構想が二〇二七年度を目標年次としていることから、継続的に行われていくべきと考えていますが、当面は来年度の着実な事業実施に努め、実績を見ながら今後の展開について検討してまいります。 この助成制度により、障がい者や高齢者の方々が、安心して渋谷のまちの魅力である小規模な路面店などを訪れ楽しむことができるようにしていきます。 さらに、来る東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会を契機に、渋谷のまちに訪れるインバウンドを初めとした来街者に対するまちぐるみのおもてなしの気運醸成が図られるよう努めてまいります。 次に、公共サインの整備についてです。 本区は、見やすく、わかりやすく、見つけやすいものを、とのコンセプトのもと、今年度から整備中の渋谷駅周辺地区とともに、来年度は原宿駅・千駄ヶ谷駅周辺地区においても整備予定です。 まず、お尋ねの案内対象施設についてですが、各地区の整備計画に基づくものであることはもとより、何よりもそれぞれの地域の特性に応じたもので、なおかつ利用者の目線・ニーズにも合ったものにしていきたいと考えています。 また、案内地図の外国人対応としては、二言語表記で行います。多言語対応については情報提供方法を含め検討していきます。 さらに、今後のほかの地域への整備については、二地区の実施状況を踏まえて、オリンピック・パラリンピックの競技大会での反応も注視しながら検討してまいります。 次に、ササハタハツまちづくりについてです。 今年度は緑道ブロックと水道道路・広域ブロックの二つの分科会のフューチャーセッションにより、未来志向で対話し関係性がつくられ、その成果の一つとして、「初台マルシェ」プロジェクトが玉川上水旧水路緑道で実施されるなど、参加者による自発的プログラムが展開されています。 フューチャーセッションの参加者はもとより、地域住民や地域にかかわるあらゆる人々にとって魅力的なまちにしていくために、現在策定中の「まちづくりマスタープラン」と連動させながら、ササハタハツエリアの都市デザインを具体化していくことが今後の展開となります。 また、公園や道路などのパブリックスペースを核として、まちの魅力や価値を向上させる第一歩として、玉川上水旧水路緑道の整備計画や管理運営方法をデザインするための体制を構築していきます。この中でササハタハツまちづくりで寄せられた参加者の皆様のまちづくりに向けた思いを受けとめ、公民連携の取り組みを通じて、誰もが訪れたいと思う新しい玉川上水旧水路緑道を形づくっていきます。 そして、ササハタハツ全体の価値向上やブランディングのためには、住民、民間事業者、地域団体やボランティアなど多様な主体が参画できる環境を整備するとともに、民間事業者のノウハウを活用しながら、維持・発展させていく公民連携の取り組みが必要であると考えます。 このようにして、ササハタハツまちづくりの今後の展開としては、公園等の公共施設の魅力も生かしながら、ハードとソフトの両面から、まちの魅力や価値を向上させるために、人々の公共施設の愛着を高め、管理運営にもかかわりを深めていただくための共創のまちづくりプラットフォームの立ち上げを目指します。 次に、魅力ある公園づくりについてのお尋ねです。 区では、区立公園等を魅力ある公園として整備し、維持管理していくことは重要な課題であると認識しており、公園の改修等を行う際には、地元町会を初め、公園利用者からヒアリングを行うなど、公園ニーズの把握に努めています。 議員御発言のとおり、そのニーズは多様化しており、対応に苦慮することもありますが、限られた公園敷地の中で、可能な限り御要望を整備に反映するように取り組んでいます。 区では来年度から二カ年で「魅力ある公園整備計画」の策定を予定しており、計画策定に向けて、議員御指摘のように、これまで以上にきめ細やかな公園利用者のニーズの把握に努めるとともに、比較的小規模なものが多い区内の公園に特色を持たせることで魅力を創出するほか、一つの公園単位で考えるのではなく、ある程度広範囲の地域の中で各公園に役割を持たせるという新たな視点で検討するなど、魅力ある公園整備計画として取りまとめてまいります。 また、本件はまちづくりにおいて優先すべき重要課題であると認識しております。宮下公園や玉川上水旧水路緑道などの大規模公園のみならず、全区を対象として、スピード感を持って計画策定を行い、短期・中長期の両面から、しっかりと取り組みを行います。 次に、風疹抗体検査及び予防接種についてお答えします。 区においては、今回の国の方針を受け、女性の同居者に限定していた方針から、同居の要件を外し、「現在三十九歳から五十六歳の男性」を風疹予防接種の定期接種の対象とし、二〇一九年度以降、個別に抗体検査及び抗体の低い人を対象とした予防接種のお知らせを送付し、医師会と連携し適切に実施する方針としています。 次に、データヘルス計画についてのお尋ねです。 本計画は議員のお話のとおり、保険者が持つ特定健診やレセプトなどの情報を活用し、被保険者が直面する健康課題を明確にした上で、保険者の側から必要なアプローチを行うことをコンセプトとしております。 計画策定一年目から取り組んでいる糖尿病の重症化予防事業に加え、今年度は新たに健診結果で異常値が見られる方、生活習慣病の治療を中断している方、受診回数や服薬行動等に問題が見られる方に対して、医療機関への受診や区の保健指導を勧奨する事業をスタートし、七百七十六名の方に通知を行いました。 来年度は、これらの事業に加え、薬剤の併用に問題のある方への訪問相談事業、自宅で血液検査ができる郵送型血液検査事業、人間ドックの費用助成の三事業を新たに実施するとともに、受診勧奨事業のお問い合わせに迅速に答えるコールセンターを設置します。 また、事業の効果検証を行い、二〇二〇年度から第二期データヘルス計画策定に向けて検討を進めてまいります。 次に、持続可能な財政運営について、三点のお尋ねです。 まず、将来を見据えた財政運営についてのお尋ねです。 平成三十一年度予算編成では、本区が将来にわたり成長・発展していくための施策を子育て・教育、福祉、防災・環境、産業の活性化からまちづくりまで、幅広く意欲的に盛り込みました。 一方、今後の歳出圧力の高まりに備え、基金の活用を控えるとともに、突発的な課題に迅速に対応できるよう、義務的経費の増加による財政の硬直化を避ける意味から起債の活用を控えるなど、極力臨時的財源によらない予算編成としました。 とりわけ、これから確実に見込まれる長期的かつ多額の負債となるものの一つに、公共施設等の老朽化対応が挙げられます。「渋谷区公共施設等総合管理計画」に記してあるように、建物施設を現在の規模で維持し続けた場合、四十年で要する建替え・大規模改修の費用は総額で約二千六百三十四億円、年平均では約六十六億円規模になると試算しています。 このほか恵比寿西二丁目の複合施設(仮称)などの各種整備事業や猿楽橋の老朽化対策、都市計画道路補助十八号線整備事業における用地取得など、総額ではさらに数百億の増となります。議員の御発言にもありましたように、中長期的視点に立った財政運営が重要となっているゆえんです。税収が堅調に推移している今こそ、基金の積み上げなど財政基盤の強化を図ることが、区の持続的成長につながるものと考えます。 これと並行してワークスタイル改革を通じた業務効率化や生産性向上に向けた取り組み等による不断の事業の見直しを財務体質の強化につなげ、財源確保の一助とするなど、あらゆる努力を重ね、今後の膨大な行政需要等に関し、的確に対応し得る財政基盤を構築してまいります。 次に、新庁舎建替え事業の成果についてのお尋ねですが、この庁舎等建替え事業は、平成二十三年に発生した東日本大震災を契機に、庁舎の耐久性能を万全とし、災害時の活動拠点としての安全性と区政のBCP(事業継続性)を確保することを区の最優先課題と位置づけ進めてきました。財政負担を最小限にするとともに、一刻も早く庁舎の老朽化に伴う不安を取り除き、BCPを確立するため、不動産活用にノウハウがある民間活力を導入し、区と区議会が一体となって実現してきたものです。 この事業の成果は、大きく次の三点にあると考えます。 第一に、最短工期で区の建設費負担ゼロでの庁舎建替えが実現したことです。区議会の議決を得て締結した基本協定では、協定事業者が区有地の借地権の権利金の支払いにかえて、協定事業者が新庁舎等を建設する手法をとっています。 協定では、資金調達と事業リスクを原則事業者負担として取り結んだことから、締結後の建設費の高騰や建設業界の人手不足といった課題に直面しても、区の建設費の負担はゼロのまま、遅滞なく庁舎の建替えが進められました。もし仮に区が直接工事を発注する手法をとっていたならば、入札不調や工事費の不足等で、大規模な予算の増額など計画の見直しを余儀なくされ、このように短期間での建替えは極めて難しかったと思っています。 第二に、区有地を最大限に活用したことです。 平成二十七年に基本協定を締結した時点の定期借地権の評価額二百十一億円は、区の鑑定評価額百八十五億円を上回っていますが、さらに新庁舎竣工後、引き渡し前に行われた第三者評価では、旧庁舎等の解体費、新庁舎等の設計費、建設費を合わせた協定事業者が実際に負担する経費総額は二百四十五億円の価値があるものとされ、区の鑑定評価額を大幅に上回る効果を区にもたらしました。このことにより、庁舎、公会堂の建設に当たり、区有地の活用が最大限になされ、PPP公民連携の一例ではありながら、こうした代物弁済類似の手法は、公有地の不動産活用の先進的事例として画期的であったと考えています。 さらに、民間分譲マンションの整備により、年間数億円規模の区民税の税増収も期待できます。 第三に、このような事業手法を採用した結果、庁舎に新たな価値を生み出したことです。 庁舎等の建設費の負担がなかったことから、新庁舎では最先端のICT基盤やオフィスレイアウトに投資的予算を割り当てることができ、その結果、福祉窓口を集約した手続、相談のワンストップ化や住民登録届出書の作成システムの導入といった、暮らしの手続の効率化など、区民生活を支える庁内インフラを整えることができました。 今後、新庁舎の環境を活用して、ワークスタイル改革など職員一人一人の生産性を高める中で、付加価値の高い区民サービスの提供と新たな区政の課題の解決につなげていきます。 最後に、国民健康保険事業会計予算についてのお尋ねです。 まず、来年度の保険料率の改定ですが、制度改正に伴う急激な保険料の増加を緩和するため、国・東京都による激変緩和措置に加え、引き続き特別区でも独自の激変緩和措置を行い、上昇幅を抑えた特別区共通の保険料率案といたしました。 次に、財源確保についてですが、将来にわたって持続可能な保険制度を維持するためには、歳入と歳出の適正なバランスを確保していくことが重要と考えます。これに向けて特定健診の受診率向上やデータヘルス計画に基づく保健事業の推進等により、被保険者の健康の維持・増進を図り、保険給付の伸びを抑制してまいります。 また、保険料滞納の改善に向け、相談業務や財産調査の充実を図るための体制を強化するとともに、新たにLINEペイやクレジットカード納付等を導入し、納付方法の利便性向上を図るなど、収納率の向上に積極的に取り組んでまいります。 以上、私からの答弁とさせていただきます。 ○副議長(古川斗記男) 豊岡教育長。
    ◎教育長(豊岡弘敏) 私には、ICT教育についてのお尋ねがありました。 議員御指摘のとおり、教員のICT機器の活用が進むためには、平成三十年第四回区議会定例会で貴会派の松山克幸議員から御質問がありましたICT専門家の派遣により、教員の意識を高めることが重要であると考えます。 ICT教育に関するアドバイザー導入の背景は、これまでICT教育の研究指定校において、大学教授等の専門家から効果的な指導方法等について学び、教員の意識が高まったことによります。このことから平成三十一年度は研究指定校だけではなく、他の学校にもアドバイザーを派遣し、より多くの教員の意識を高めていきたいと考えております。 また、教育委員会では今後、先端的なICT環境が整備されているエストニア共和国に区内の教員を研修として派遣することや、ICT機器を用いて授業改善に取り組んでいる教員を表彰するなどし、ICT機器の活用に関する教員の意識を高めてまいります。 以上、私からの答弁とさせていただきます。 ○副議長(古川斗記男) 十三番、沢島英隆議員。 ◆十三番(沢島英隆) 区長、教育長より丁寧かつ真摯な御答弁をいただき、本当にありがとうございます。 最後に一言申し述べます。 一月十五日に新庁舎が開設しました。前区長が最終的に二百十一億円となる定期借地権を設定し、建替えに係る費用を最小限に抑えるという画期的な建替え方式を提案されて以来、我が会派は一貫して賛成、支持してまいりました。 一方で、日本共産党渋谷区議団は、一貫してこの庁舎建替えに反対をしてまいりました。「庁舎建替え計画をやめるべき」「庁舎建替えを認めるわけにはいかない」「白紙に戻すべき」などと猛反対。また、一部の無所属議員も平成二十六年第一回定例会において、「積み立てと起債を発行してでも、自費で庁舎を建設する予算を組むべき」などと主張し、二百十一億円もの区民の血税を投入すべきという信じられない発言をしています。 今からちょうど一年前、平成三十年二月の第一回定例会において、私は次のように述べました。「さて、少し気が早いですが、明年春には統一地方選挙として、渋谷区でも区議会議員選挙、区長選挙が実施される予定です。区民の皆様には良識ある判断をしている会派、議員は誰なのか、批判のための批判を繰り返し、区政に迷惑をかけているだけの会派、議員は誰なのか、しっかりとこの一年見きわめていただいて、投票していただきたいことを心から念願しております。無責任な批判を言うだけで、その言葉に責任を持たず、言いっ放しで結局区政には何もプラスにはならない。そして、その発言を反省、謝罪すらしない。そんな区議会議員が選ばれるようなことがあれば、区民が必ず損をします。賢明な選択を願ってやまないものであります」。このように述べました。 そして、いよいよ二カ月後には、区長、区議会議員選挙が実施をされます。区民の皆様におかれましては、この四年間の各議員、各会派の発言をしっかりと確認していただきたいことを心から願っております。 私ども渋谷区議会公明党は、これからも区民の皆様のために働き抜くことをお誓いし、質問を終わります。ありがとうございました。 ○副議長(古川斗記男) この際、会議時間の延長をいたしておきます。 三十一番岡田麻理議員。 ◆三十一番(岡田麻理) 私は、シブヤを笑顔にする会を代表して、長谷部区長、豊岡教育長に質問をいたします。 平成三十一年度当初予算案の編成に当たっては、誰もが自分らしく生きられる共助社会、共生社会の実現を基本とし、防災・防犯・環境分野に重点を置きつつ、子育て支援、教育、福祉施策の充実、未来への活力と新たな魅力創出につながるまちづくりの推進に重点を置いたものとなっております。 一般会計予算総額は九百二十三億九千五百万円で、前年度比約一・五%の減です。ただ、これは、新庁舎のICT基盤整備事業にかかわる経費や初度調弁の減が主な要因です。区福祉の根幹である民生費は前年に比べ〇・一%、額にして三千二百四十万三千円の増、民生費の予算は四百六十八億三千六百一万三千円で、その内容は保育園の設備整備やプレシニア向けの「渋谷生涯活躍ネットワーク・シブカツ」の開設、障がい者福祉においては心身障害者福祉手当の対象を精神障害者福祉手帳一級所持者へ拡充、はぁとぴあ原宿の隣接地に予定をしている障がい者福祉複合施設、地域生活支援拠点の基本設計などとなっております。「あらゆる人が、自分らしく生きられる街」渋谷を象徴している予算案でもあります。 一般会計予算に国民健康保険事業会計予算の二百三十五億二百五十万四千円、介護保険事業会計予算の百五十五億九千五十八万一千円、後期高齢者医療事業会計予算の五十五億九千八百六万八千円の三特別会計予算を加えた予算総額は千三百七十億八千六百十五万三千円で、前年度比〇・九%の減となっております。 予算案の内容を見てみると、当会派が本会議や委員会にて提案、質問したもの、また、予算要望をした項目が今回の予算に反映されており、期待の持てるものとなっております。詳細は、今定例会においてしっかりと審議をしてまいります。 今回の代表質問は、当初予算案の内容を中心に、それらがさらに区民の意に沿った充実するものとなるよう、質問、提案をさせていただきます。 既に質問に立った他会派の議員と重なる内容のものもありますが、改めて私からも質問をさせていただきますので、答弁のほどお願いをいたします。 最初に、子育て支援について大きく四点伺います。 一つ目は、「渋谷区子育てネウボラ」について七点伺います。 これまで、「子育て支援」というキーワードで情報を入手し、相談をしようとしてもなかなか担当にたどり着かず、御苦労されていた子育て世代の親御さんにとって、渋谷区子育てネウボラは夢のような取り組みであり、大いに期待をされるところです。 そして、五月からいよいよネウボラ先行実施となります。 施設統合の第一段階として、中央保健相談所、子ども家庭支援センター、子ども発達相談センターが第二美竹分庁舎に集約をします。今後は妊娠期からの支援をさらに厚くし、保健師の育成を図り、育児不安など問題の早期解決につなげていき、二年後の二〇二一年八月には神南分庁舎跡地に渋谷区子育てネウボラが開設をされる予定です。 二〇一八年に、区内全地域で子育て中のお母様たちを対象にアンケートの御協力をいただきました。「子育て」というキーワードでかなり幅広い質問項目でしたが、御意見や御要望もたくさんいただき、今後の区政に生かしていければと思っております。 その中で、保健所所管の「赤ちゃん訪問、さらに生後四カ月までの乳児のお宅に保健師、助産師または看護師が訪問する「こんにちは赤ちゃん訪問」や母乳相談、乳房ケアはとてもありがたかった」という声を多数いただいております。福祉保健委員会の報告では、ネウボラの実施に伴い保健師の増も予定されているとのこと。また、区長発言にあったように、妊婦全数面接の実施も予定されております。 アンケートの中で、「「こんにちは赤ちゃん訪問」はできれば何回か来てほしかった」ですとか「生後二カ月で来てもらったけれども、もう少し早く来てほしかった」とか、「乳房ケアは期間を延ばしてほしい」また「複数回利用できればなおよかった」というお声もありました。助産師さんとの連携も必要となりますが、出産されるお母様の不安や心配事の解決につながるよう、是非力を入れていただきたいと思います。 ここで、質問です。そのような声を区として把握しているのか、また、今後の対応について、どのように対応するのか伺います。 ネウボラについて二つ目の質問です。 ネウボラは、十八歳までの子育てを切れ目なくサポートしていくということですが、現時点では妊娠期から幼児期までのサポートしか見えてまいりません。 そこで、質問です。十八歳までのサポートをどのように切れ目なく行っていくか、ビジョンをお示しください。 また、私の開催する子育てトークで、待機児童がテーマの会では妊娠期や生まれてすぐ御参加される方が多く、参加されている皆様が最も重視しているのは保育園の入園についての情報です。 そこで、先行実施される美竹第二分庁舎に保育園入園の相談ブースがあればよいと思いますが、いかがでしょうか。 また、保育園だけでなく、幼稚園も区立・私立幼稚園だけでなく、ここ数年間で認定こども園の短・中時間保育などが加わり、複雑化されております。あわせて幼稚園の情報なども入手できればよいと思います。 また、ネウボラは切れ目のないサポートですので、さらに小学校、中学校の情報案内や就学相談もできるようにしていただければと思います。区長の御所見を伺います。 また、お子さんを出産すると、様々な手続が待っております。こうした手続が、本来であればネウボラの仕組みでワンストップで完結をすればよいのですが、申請窓口がそれぞれ異なります。さきのアンケートでは多くの方が、「出産した直後の手続が一カ所ではなく、出生届は住民戸籍課戸籍係、ハッピーマザー出産助成金は国民健康保険課給付係が担当、児童手当と子ども医療費助成については子ども青少年課子育て給付係が担当と、それぞれの窓口に申請に行き、出産後のしんどい体に加え手続を待っている間や交通機関の中で生まれて間もない子どもが泣き出すこともあり、とてもつらかった」との回答が目立ちました。 せめて、出産した後のこれらの手続はどうすればスムーズにできるのか、また配偶者やパートナーが手続をすることも可能であることなど、一連の流れややり方をわかりやすく伝えることも必要と考えます。各担当者での情報発信ではなく、保健師さんが出産前訪問のときなどに出産後の一連の情報提供をするなど、出産をされた方の立場での情報発信をしていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。 次に、障がいのあるお子様についてもネウボラで対応するように、体制を今から整えていただきたいと考えます。 先行ネウボラを実施する美竹第二分庁舎や開設予定の神南分庁舎跡地の渋谷区子育てネウボラも、保育課や教育委員会、障害者福祉課などの所管とは建物が異なり、離れております。是非移動をせずにこれらの情報の入手、相談ができるワンストップの体制をつくっていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。 また、子ども発達相談センターと教育センターの連携強化についても伺います。 現在、療育の指針を示す個別の支援計画の作成は、教育センターではなく子ども家庭部所管の子ども発達相談センターです。しかし、子ども発達相談センターは就学前のお子様が対象というイメージが強く、なかなか就学後のお子さんについても対応しているという発想にはなりにくいと思います。 小学校入学後、または中学校受験のときに、我が子に発達障がいがあることに気づくということもあります。そうしたとき、親御さんが放課後等デイサービスにお子さんを通わせたいと思っても、なかなかその情報まで行き着かないのが現状です。是非子ども発達相談センターと教育相談の連携を強化し、こうした情報の入手や手続がスムーズになるようにしていただきたいのですが、いかがでしょうか。 また、渋谷区におけるネウボラは、相談のみならず魅力ある講習やイベントも行うというのはいかがでしょうか。例えば親御さんも楽しめるような親子ヨガ教室を開催したり、家事負担に苦しむ方、いわゆる「ワンオペ育児」と言われており、お母様一人で家事や育児や仕事全てを回していかなければならない状況の育児です。こうしたワンオペ育児解消のために、配偶者やパートナーとともに参加できる家事分担の講習会やワークショップを実施するなど、時代に合った子育ての課題に取り組む渋谷区ならではの先進的なネウボラを目指していただきたいと提案いたしますが、いかがでしょうか。 また、妊娠期から十八歳までそれぞれを担当する各所管も、しっかり連携していただきたいと思います。 区によっては、小学校や中学校になじめなくなった児童・生徒について、保健所に通っていた乳児のころまでさかのぼり学校カウンセラーが情報を共有し、切れ目なく取り組んでいるとのこと。当区でも、是非こうした連携ができるシステム構築を進めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ネウボラは、長谷部区長が力を入れている事業の一つでもあります。だからこそ、ネウボラ本来の役割を確立するとともに渋谷区らしい環境を整えていただきたいところです。 以上、ネウボラについて区長に伺います。 次に、保育について三点伺います。 初めは、幼児教育の無償化についてです。 渋谷区では、当会派が提案してきた数々の手法を活用し、待機児童解消に向けて全力で取り組んでいるところです。そうした中、国は二〇一九年十月からの幼児教育無償化に向けて動きを進めております。 そこで、認可外保育施設が無償化の対象となった場合についての質問です。 現在、渋谷区では、認可外保育施設に待機児童として通われているお子様については、三歳までのお子様を対象に四万円を上限に助成を行っております。しかし、幼児教育無償化で認可外保育施設も対象となると、認可園に入らずそのまま通い続ける方も出てきて、認可園以外の保育の対象が増える可能性があります。幼児教育無償化の場合の、認可外保育施設を対象とするかについては各自治体が決定するとなっているようですが、渋谷区として幼児教育無償化対象の認可外保育施設を指定する意向があるか、区長に伺います。 また、それにより、これまで認可園を希望されていた親御さんがあえて認可外保育施設を希望されるケースも出てくることも想像できます。渋谷区が認可外保育施設の無償化を受け入れるとしたならば、それらの保育施設についても抜き打ちで立入調査をするなどし、保育の質を確保する必要があろうと考えますが、いかがでしょうか。 以上、今後の認可外保育施設対応について伺います。 三点目に、保育園以外の保育施設の保育士の確保について伺います。 例えば、子育て支援センターでも保育士さん不足が課題となっております。保育士そのものが不足をしていることは重々承知をしておりますが、万が一の事故防止のため、また、親子が安心して利用するためにも、子育て支援センターの保育士の確保は必須です。区長に御所見を伺います。 次に、子育て支援の三番目として、渋谷区の子育てホームページ、子育て便利帳について伺います。 長谷部区長が子育て支援事業の中で一新した子育て便利帳ホームページ版は、親御さんにとって利用しやすいものであり、高く評価をいたします。 さきのネウボラ事業とも関連しますが、障がいのあるお子さんを育てていらっしゃる親御さんにとって、子育て支援関連の所管と障がい者福祉の連携が望まれています。特に障がいのあるお子さんを育てている親御さんは、お子さんの世話やお子さんの病院の通院などに追われ、なかなか御自身では情報を調べる時間がとれないと聞きます。ましてや障がいのあるお子さんの情報は、子育て支援関連の所管のほか障害者福祉課や社会福祉協議会など多岐にわたっております。 障がいがあるからこそ、お子様がこの先、成長していく過程でどのようなサポートがあるかなどは事前に知っておきたい情報でもあります。小学校、中学校、高校、特別支援学級、特別支援学校、療育や放課後等デイサービス、障がい児相談支援、さらには福祉作業所や就職までどのようなサポートがあり、就学においてはどんな選択があるのか知っておくことは、親御さんの安心にもつながることでしょう。 ホームページ子育て便利帳の「目的別」の中に、是非障がい児向けの項目についても検討いただきたく、区長に御所見を伺います。 子育て支援の最後の質問は、「景丘の家」「こどもテーブル」について三点伺います。 三月十月にオープンが迫った景丘の家は、地下二階地上三階の建物に生まれ変わります。渋谷・恵比寿・広尾方面では、子育て支援センター利用以上の年齢のお子さんたちが利用ができたり子育て中の親子の居場所的な空間、親子で気軽に立ち寄れたり、子育て中の人たちとのコミュニケーションがとれるような場所はありませんでした。そのため、子育て中の保護者も地域の団体も期待をしているのではと思います。 現在、景丘の家についての運営は、「かぞくのアトリエ」や「ティーンズクリエイティブ」を運営しているマザーディクショナリーに決定をしており、アートのワークショップなどの計画がありますが、予約をしてお金を払って利用するワークショップのほかに、そこに行けば誰か大人がいて安心して子どもたちが過ごすことができる、そんな施設も望まれています。 景丘の家は以前から団体が利用していた経緯もあることから、地域の子育て支援団体にも大いに利用してもらい、例えば学校施設開放委員会のような利用団体が定期的に集まり、それぞれの団体が協力、連携できるような仕組みをつくるのはいかがでしょうか。 さきに出てきましたが、アンケートの回答によると、就学以上の子どもたちが気軽に遊びに行ける場所というのが当区には少ないようで、お隣の区の施設を利用しているお子さんたちもいるようです。各支援団体は、取り組んでいる内容にそれぞれ特色があります。ある団体に参加をしているお子さんをほかの団体主催のプログラムやワークショップにつないでいくなど、子どもたちの目線に立ったよりよい運営をしていただき、景丘の家を寄贈してくださった故・郡司ひさゑさんの思いをしっかり引き継いでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 また、さきのアンケートや子育てトークでは、夜、お母様がお子さんと二人だけで食事をするのが心細かったり不安だという、そんなお声があります。御主人は仕事で帰るのが遅く、話し相手もおらず、生まれたばかりの赤ちゃんとずっと二人きりでいるというのは心細くなることもあるそうです。誰かと一緒に御飯を食べたり話したりするということがリフレッシュにもなりますが、子育て支援センターは十六時半に終了してしまいます。そんなとき、食事を提供しなくても、各自で食事を持参して赤ちゃんやほかの人と一緒に安心して食べられる場所が欲しいというお声もありました。景丘の家は、こうした要望に応えられる、子育て中の親子が気軽に集える温かい空間になればと思いますが、いかがでしょうか。 それぞれ区長の御所見を伺います。 また、「渋谷区こどもテーブル事業」について伺います。 区長は二〇一九年度中に百カ所の実施を目標としていますが、区長の目指すこどもテーブルとは、食事を提供し、子どもたちが食事をみんなで食べて過ごすというイメージでしょうか。食事を提供するということは、食中毒やアレルギーの有無、また材料の調達、保存など、定期的に続けていくにはノウハウや配慮の必要となる事業です。渋谷区当初予算案の概要の中では「食事だけでなく、学習支援やワークショップを通じて子どもたちの支援と新しい知恵・体験を提供する第三の居場所」と記載しておりますが、区長のお考えになる渋谷区こどもテーブルについて、改めてお聞かせをください。 次に、福祉について大きく四点伺います。 最初に障がい者福祉について、はぁとぴあ原宿の隣接地に予定している障がい者福祉複合施設「地域生活支援拠点」について質問をいたします。 区長発言の中にもありましたように、隣接地には、重症心身障がいのある人や医療的ケアを必要とする人の通所施設などを整備する基本設計に着手をするとのこと。 昨年末、福祉保健委員会で目黒区の事業、心身障害者センター「あいアイ館」を視察しました。重度の障がいのある方たちの昼間の居場所でもあり、ショートステイサービスも実施をしておりました。毎日介護をされている御家族にとって大きなサポートとなっており、また、障がいのある方たちも充実した表情で過ごしていらっしゃっているように見受けられました。 そんな中、当区には重度の心身障がい者向けの支援がありません。重度の障がい者の御家族は、ショートステイは他県の施設を利用していると聞きます。車で片道二時間以上かかるそのショートステイでは、予約は二カ月前からできますが、いつも既に予約が入ってしまっているそうです。重度の心身障がい者を在宅で介護されているほかの御家族も、デイサービスやショートステイを利用したいものの、なかなか近くで見つけることは大変とのことです。こうした在宅で重度の心身障がいのある方を介護されている御家族は、区内で利用できるショートステイを開設してほしいと願われております。 障がいのある御家族を在宅で介護されている方の御苦労は、特に大きいと感じております。それでも施設への入居ではなく在宅という選択をし、介護を続けられている御家族の負担を軽減するためにも、ショートステイの設置は重要であると考えます。 区長が描いている障がい者福祉複合施設、地域生活支援拠点について、また重度の心身障がいのある人や医療的ケアを必要とする人向けのショートステイ事業について、区長の御所見を伺います。 次に、介護従事者、保育士等不足の対応について伺います。 これまでの長谷部区長の待機児童解消に向けた多くの認可保育園や保育室の開設や、今後、開設予定の高齢者施設、また在宅介護においては区独自のヘルパー派遣制度など、大いに評価をいたします。 そこで、保育士や福祉従事者等専門職の不足の改善について伺います。 まず、保育の現場では、待機児童が解消されない昨今、全国的に保育士不足は大きな課題です。その一方、福祉従事者についても高齢者施設、在宅サービス、また障がい者福祉においてもグループホームやデイサービス等で福祉従事者が不足し、建物が建設されても開設できない施設もあるとのこと。 保育士不足の改善については、渋谷区では家賃補助を行っておりますが、今後も保育施設を増やす予定のある当区では、さらなる取り組みで保育士の充実を図っていく必要があります。 一方の高齢者福祉についても、二〇二一年に高齢者ケアセンター跡地に特別養護老人ホーム、デイサービスが開設を予定、また二〇二〇年、恵比寿西に開設予定の複合施設には認知症高齢者グループホームや看護小規模多機能型居宅介護施設が入る予定となっており、区民の皆様が安心して御利用できるようにするには介護従事者の充実が必要不可欠です。 施設だけでなく、在宅介護についても専門職不足は大きな課題ですが、「職員の確保はどこも厳しい」という声が聞こえてきています。障がい者福祉についても、幡ヶ谷に開設予定のグループホームについて、当初、「応募事業者や人材が集まらなかった」とのことで、障がい者福祉の現場も職員不足が大きな課題のようです。 この介護・福祉従事者不足の深刻なことからも、保育士同様、家賃補助など検討をしていただきたいところです。 また、保育士や介護従事者など現場の人たちが長く仕事を続けるために、何をすべきで、何が課題なのかという現状を知っておくことも大切だと思います。 そこで、現場の職員向けにアンケートの実施についての提案です。 経済的な問題以外にも、運営体制や保護者・親族対応などいろいろな課題があるのではないでしょうか。福祉にかかわる人たちは、何よりも利用者さんの笑顔や感謝の気持ちを励みに仕事を続けていらっしゃるとも聞きます。しかし、最近では介護の現場においてパワハラやセクハラ、保育現場における保護者対応などがきっかけにやめてしまい、せっかく取った資格も生かせない異なる職種に転職してしまうということもあるようです。そこで、現場の職員さんたち向けに一斉にアンケートを行い、区としても現状の問題を把握し、対策をとることが必要だと思います。 アンケートによって、運営側だけでなく利用者側の課題も見えてくると思います。利用者さんや御家族に問題がある場合は、区がしっかりと介入したりサポートする体制も必要かと考えます。 現場の人たちが安定して仕事を続けるためにも、アンケートの実施と、また、そこから見えてくる課題について区としても向き合って働きやすい環境をつくり、職員の確保に努めていただきたいと考えますが、いかがでしょうか、区長の御所見を伺います。 次に、バリアフリー化推進助成について伺います。 「あらゆる人が、自分らしく生きられる街」のために、渋谷駅周辺小規模施設に対するバリアフリー化が今回の予算案に計上されました。スロープの手すり設置工事や自動ドアや引き戸への改修工事、段差の解消などが対象です。当会派の田中匠身議員が平成三十年第二回定例会にて提案をしたことでもあり、大いに評価をいたします。 何年か前に、渋谷駅前のスクランブル交差点を渡ったところで、車椅子の外国人の団体とすれ違ったことがありました。寒い冬に外でコーヒーを飲んでいましたが、段差があるためにお店の中に入れないとのことです。ましてやたくさんの車椅子だったためお店に入ることができず、震えながら外で飲んでいたのを見てとても切ない気持ちになりました。パラリンピックを開催するこの渋谷のど真ん中で、車椅子の人たちが外で寒さに震えながらコーヒーを飲んでいる姿は悲しいものでありました。 実際、車椅子の人と外に出かけるときに、私も、こんなにも入るお店が限られてしまうのかと思うことがあります。つえをついた父と一緒に恵比寿の街を歩いていると、ふだんは全く気にならなかったところに段差があったり、エレベーターがなく階段だったり、車椅子を押しても路面ががたがただったりと、実はバリアだらけの街だったということに驚きました。車椅子を使う人やつえを使う人は、入るレストランやお店も限られてしまうのだと改めて気がつきました。盲導犬をつれている視覚障がい者も、お店に入るにはバリアがあるそうです。 渋谷区では、こうしたハード面、ソフト面のバリアを解消すべきと考えます。そのためには、本事業は渋谷駅周辺と限っておりますが、渋谷区内全域で対象にすべきと考えます。 また、こうした車椅子でも入れるお店については登録をし、一覧にして事前に把握できるようにし、移動を最小限にする、またはお店にステッカーを張るなど利用者もわかるようにしておけば、車椅子で移動する人、またサポートする人にとっても安心して食事ができ、買い物ができるのではないでしょうか。 さらなるバリアフリーの実現に向けて、渋谷駅周辺のみならず、全地域への拡大について区長に伺います。車椅子の利用者や障がいのある人が周囲に気を使うことなく堂々とこの渋谷区を訪れることができるようになることが、渋谷区におけるパラリンピックのレガシーとなると考えますが、いかがでしょうか。 次に、「シブカツ」について伺います。 「渋谷生涯活躍ネットワーク・シブカツ」は、画期的な取り組みであると高く評価いたします。 今や人生百年時代と言われている中で、男性の平均寿命は八十・二一歳、女性は八十六・六一歳と世界トップレベルです。また、健康上の問題で日常生活が制限されずに生活できる健康寿命については、男性が七十一・一九歳、女性は七十四・二四歳と、こちらも世界トップレベルですが、健康寿命と平均寿命の差は男性で九年、女性で十二年。つまり、この期間は何らかのサポートや介護が必要な期間ということにもなります。 そこで、少しでも健康寿命を延ばし、五十代、六十代、七十代以上の人が自分らしく生きるための人生設計を立て、目標を持つということは大切です。シブカツは、NPOなど民間の活動の情報を一元的に集約し、ニーズに合わせて情報提供をするとのこと。リタイアされた方の中には、海岸での経験やビジネスの経験などたくさんの知識と経験を備えている方たちがたくさんおられます。こうした方々がシブカツでこれまで培ってきたスキルを生かし、社会参加への機会や生きがいを見つける橋渡しとなればと思います。 ちょうど昨年のこの定例会で、シニアのチアダンスについて提案をいたしました。既に「渋谷区つばめの里・本町東」でスタートをし、好評とのことですが、今月からはひがし健康プラザでもクラスが始まり、多くの申し込みがあったと聞いております。このチアダンスの何がすばらしいかというと、皆さんが笑顔でいられること、そして東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックのどこかで皆さんのチアが披露できるのではないかという大きな夢を持って練習に励んでいるということです。 こうして何歳になっても目標を見つけ、その夢や目標に向かっていくということは一番の健康につながると思います。シブカツが、区民の皆さんの人生の黄金期となるような取り組みになればと思います。 そこで、シブカツを活用することによりシニアの皆様たちの可能性をどのように引っ張り上げていくか、改めて区長に伺います。 次に、教育について三点、教育長に伺います。 まず、学校に登校できない不登校の児童・生徒について教育長に伺います。 現在、当区で不登校の小学生、中学生がどれぐらいいるのか伺います。 次に、学校不登校の児童・生徒に対しどのような対応をしているのか、また、こうした児童・生徒がどれくらい復学するのかあわせて伺います。 以前、当会派から本会議において何度か質問をいたしましたが、民間のフリースクールとどれくらい連携がとれているか質問をいたします。 御存じのように、義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律、「教育機会確保法」が設立されました。学校復帰を大前提としていた従来の不登校対策を転換し、学校外での多様で適切な学習活動の重要性を指摘し、不登校の子どもに学校外での多様な学びの場を提供することを目的としています。 当区では、学校に行かれなくなってしまった場合は、教育センターを経て「けやき学校」に通う子どもたちがいますが、学校に行かれない時期があったとしても、自分の可能性を見つけ、学校復帰ではなく次のステップを踏み出せるきっかけになるのも選択肢の一つと考えます。 「けやき教室」について、この教育機会確保法に沿ってどう進めているのか、また、今後進めていくのか、あわせて教育長に伺います。 以上、教育について三点、教育長に伺います。 次に、新庁舎について伺います。 一月十五日にオープンした渋谷区役所新庁舎ですが、開設から約一カ月半が過ぎ、少しずつなれてきました。職員のモチベーションは上がっていると実感いたします。 そんな中、大きく変わったと感じることは、以前は庁舎内の至るところにあった区民向けの紙のお知らせを、ほとんど見ることがなくなってしまったということです。全体として区の業務で無駄な紙などをなくし、効率化を図っているということは高く評価する一方、区民の皆様がわざわざこの渋谷区役所までお越しくださった際、これまでは何か情報や資料を見つけて帰ることがあったものの、今ではフロアの隅のほうに少しあるくらいで入手がしにくくなってしまったと感じます。何かの用事で区役所に来たときには、せめて役立つ、楽しい情報などが見つけられるような資料コーナーを設けていただけないでしょうか。 特に、一階のエスカレーター前の空間や十五階の広い空間などを利用して、自由に手にとれる資料を掲示するのはいかがでしょうか。新庁舎の十五階に足を運ぶ方も増えると思います。できれば資料コーナーには職員がいて、資料の所管を御案内するなどサービスもあってもよいと思います。 また、一階エレベーター前や受付のところで流れている映像についても、現在渋谷区から発信したいことなどを流すのはいかがでしょうか。 長谷部区長になってから刷新した渋谷区のホームページは内容も充実しており、SNSの発信も積極的で評価いたしますが、それらを見る機会がないシニア世代にも情報発信の面で寄り添うことは必要です。区民に寄り添った新区庁舎内での情報発信体制について、区長の御所見を伺います。 次に、喫煙対策についてです。 区長発言にもあるように、「きれいなまち渋谷をみんなでつくる条例」きれまち条例の改正案が本定例会で示されました。平成二十八年の第一回定例会にて、当会派の薬丸義人議員が喫煙のあり方について、きれまち条例に喫煙対策そのものを入れてみてはという質問をし、それに対しての答弁は「喫煙のあり方をいま一度見直し、条例改正を含め検討していく」とのことでした。それから二年がたち、今回の条例改正により路上と公園などが全面禁煙となり、違反者からは過料を徴収するということで、喫煙対策強化が実現しつつあります。 総務区民委員会で報告がありましたように、平成三十年度渋谷区……   〔「総務委員会」の声あり〕 ◆三十一番(岡田麻理) 総務委員会で報告がありましたように、平成三十年度渋谷区区民意識調査報告書によると、喫煙環境については、「喫煙の条例規制の必要の有無」の質問項目では「条例により規制を行うことが必要」との回答が八七・一%にも上りました。区民や来街者を受動喫煙から守り、安心して子育てができる環境を整えるという意味においても大きな一歩です。 しかし、一方で、喫煙所のある場所での受動喫煙を生じさせない環境づくりも必要です。喫煙所については囲いのある喫煙所にし、煙が外に漏れないようにする、喫煙所一覧を示すなど、喫煙者への配慮も含めて受動喫煙対策と言えるのではないでしょうか。喫煙所についてもいま一度しっかり見直し、喫煙所のあり方についても検討すべきと考えますが、区長の御所見を伺います。 次に、「ダイバーシティとインクルージョン」について伺います。 四年前のこの第一回定例会で、区長が区議会議員時代に提案されたパートナーシップ証明書を含む条例、「渋谷区男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例」が可決されました。同年十一月にパートナーシップ証明書が交付されるようになり、現時点では三十一組のカップルが交付を受けました。今では世田谷区を初め札幌市や千葉市など、多くの区市町村や政令指定都市が宣誓書の発行に至っております。 そこで、まず初めに、この四年間、共生社会に向けて当区でどのようなことに取り組んできたか、また、変化があったかを伺います。 また、街を歩いて皆さんの声を聞いていると、この条例は渋谷区内でも浸透したと実感しますが、引き続き取り組むべき課題があります。それは、セーフティネットにかかわる人たちへの啓蒙についてです。例えばトランスジェンダーの人が生活保護の申請に行ったときや、高齢となり介護保険を利用してヘルパーの利用や施設に入りたいと思った場合でも、「状況を理解してもらえず、申請窓口での心ない言葉に傷つき、それ以降、セーフティネットに頼ろうとすることができなくなった」ということがあったそうです。 そこで、これから渋谷区が積極的に取り組んでいただきたいこととして、民生・児童委員や生活保護の担当やハローワークなどセーフティネットの相談窓口や相談を受ける人たちが、LGBTの当事者に対して、相談に来たときにしっかりと対応できるよう理解を深めていただきたいのです。区長に伺います。 また、学校においては、不登校の児童や生徒の中には当事者の子もいるかもしれません。学校のスクールカウンセラーに対しても研修などを設け、理解を深めるような取り組みはありますでしょうか。LGBTの子どもたちがスクールカウンセラーに相談ができ、またカウンセラーも児童・生徒に寄り添えるよう、研修等を行い、理解を深める必要があろうかと思います。区長の御所見を伺います。 さらに、学校の制服についてです。 不登校の当事者の生徒の中には、制服が問題で不登校や私立受験になってしまうという生徒もいるかもしれません。二十三区内では、既に中野区、世田谷区、ほかにも文京区、荒川区、目黒区などでも区立中学校の一部で女子生徒がスラックスの制服を選択できるなどの取り組みが広がってきております。文科省は平成二十七年、都道府県教育委員会に対し、性同一性障がいの児童・生徒にきめ細かい対応をとるよう通知を出しております。 そこで、制服について、当区では各校の対応ではなく区全体で、「生徒はスカートもズボンもどちらでも選択することができる」という方針とするのはいかがでしょうか。制服について、どのように取り組んでいくかお聞かせください。 次に、DVの相談について伺います。 以前にも質問しましたが、DVは女性だけでなく男性も、またLGBTの方も被害を受けることがあります。そうした相談は緊急性を要していますが、当区では配偶者暴力相談支援センター機能の窓口がありません。LGBT相談と言うと渋谷男女平等・ダイバーシティセンター「アイリス」へつなぐことが多いようですが、LGBT対象者の相談は第二・第四土曜日開催で、緊急を要する人には向きません。また、子ども青少年課が所管の女性相談が配偶者などからの暴力の相談を受けておりますが、対象は女性となっております。 相談窓口で対象者の性別を限定してしまう行政サービスは、男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例の趣旨に反するのではないでしょうか。 DVのように緊急性を要する場合は、毎日相談ができる窓口が必要です。また、二十三区でも配偶者暴力相談支援センター機能を持たない区は少なくなってきております。渋谷区の整備プランについてはどうなっておりますでしょうか。 最後に、福祉やDV相談について、外部NPOなどの支援団体との連携状況についても伺います。 外部団体にはこの問題に力を入れている団体もありますので、積極的に連携すべきと考えますが、いかがでしょうか。また、これらの支援団体の活動や連携の実施についてもあわせて伺います。 当区のダイバーシティとインクルージョン、いま一度裾野を広げ、セーフティネット分野においても理解を深めるために、区長、教育長の御答弁をお願いいたします。 ○副議長(古川斗記男) 長谷部区長。 ◎区長(長谷部健) シブヤを笑顔にする会、岡田麻理議員の代表質問に順次お答えします。 初めに、「渋谷区子育てネウボラ」について七点のお尋ねです。 まず、子育てをするお母さんの声の把握と対応についてです。 個々の事業においてアンケートは実施していませんが、事業を利用された方がその後の継続した訪問等を御希望された場合には、現在も保健師が対応しております。 四月から始まる妊婦全数面接において、担当保健師が潜在的なニーズの掘り起こしを行います。保健師が妊婦に寄り添い、これまで以上に丁寧にサービスの紹介やセルフプランの作成を行い、利用者の声を聞きながら手厚い子育て支援を進めてまいります。 次に、妊娠期から十八歳までの切れ目のない支援をどのように行っていくかについてです。 渋谷区子育てネウボラでは、フィンランドのネウボラを参考に、子どもが生まれる前から子どもの成長や家族のライフステージに合わせて継続的に相談支援を行っていきます。特に就学後は教育委員会との連携を強化して、必要に応じて乳幼児期の相談経過などを踏まえた支援を行う予定です。さらに、義務教育終了後の支援については、現在、教育センターで実施している教育的観点から支援を行う若者サポート事業の趣旨を踏まえ、ネウボラ関連部署で支援を発展させていくことができないか検討中です。 この五月から第二美竹分庁舎での相談実績やニーズをもとに検討を行い、二〇二一年の神南分庁舎跡地施設の完成時を目指して、新たな事業として展開をしていく予定です。 次に、保育園入園の相談ブースを第二美竹分庁舎に設置し、幼稚園や就学についての情報提供を行ってはとの御提案です。 第二美竹分庁舎では、相談者が移動することなく、相談内容に的確に対応できる専門性を持った職員がチームとなって対応することとしています。子どもや家庭にかかわる相談の中で、保育園や幼稚園の入園についてあるいは就学についても、御相談があった際は御家庭の事情を踏まえて情報提供を行い、諸手続については相談員が丁寧に所管部署につなげていきます。 なお、神南分庁舎跡地施設においては、議員の御提案の趣旨を踏まえ、保育園入園の相談ブースで手続が可能となるよう検討してまいります。 次に、子どもの出生に伴う様々な手続をわかりやすくとのお尋ねです。 新庁舎三階の暮らしの手続フロアでは、各届け出の受け方を全面的に見直し、特に子育てに関する届け出を大きく改善しました。出生届けの窓口ではハッピーマザー出産助成金の申請を同時に受けることとし、そのほか関係する手続の御案内は、チェックリストをお渡しして丁寧に行っています。また、子育て給付係の窓口を同じフロアに配置したことにより、子ども医療証の手続をスムーズに行うことができるようになりました。 さらに、住民票の窓口では乳幼児・子ども医療証交付申請書や児童手当の請求書について、氏名や住所などの基本項目を記載したものをプリントアウトし、手書きで記入の手間を最小限にしています。 区役所での手続をわかりやすく、より簡単にすることを基本方針として、さらに窓口の改善を図っていきます。 次に、子ども発達相談センターと教育センターの連携強化についてのお尋ねです。 子ども発達相談センターでは、主に未就学児を対象に、子どもの発達に不安のある保護者に寄り添いながら適切な療育、保育、教育へと一人一人に応じた支援をしています。また、教育センターでは、就学後の児童・生徒及び保護者に対して教育全般の相談に応じています。就学後の発達障がいの相談については、各小中学校と指導室が密に連携しながら個別指導計画及び学校生活支援シートを作成し、児童・生徒が安定した学校生活が送れるよう支援していきます。さらに放課後等デイサービスなどの福祉サービスを御希望される場合は、子ども発達相談センターが児童福祉法に基づくサービス等利用計画を作成し、利用につなげています。 議員御指摘のとおり、障がいのある子どもを育てる保護者には成長につれて利用できる支援、サービス、将来に向けた早期の対応について適切な情報が必要です。これまでも子育て、教育、医療、福祉など多岐にわたる行政サービスについて、保護者が情報の迷子にならないよう関係部署で連携しています。平成三十一年度開設予定の「渋谷区子育てネウボラ」では、相談部門の集約により、相談員の連携がより迅速に確実に行われ、さらに保護者もワンストップで相談することが可能となります。 次に、配偶者とともに参加できる講習会を実施してはいかがとの御提案です。 先ほども渋谷区議会自由民主党議員団、斎藤竜一議員の御質問でもお答えしましたが、渋谷区子育てネウボラの重要な機関である子育て支援センターと連携して、子育て世代の家族が一緒に楽しめる講座なども実施していきます。 最後に、学校カウンセラーとの連携についての御質問です。 現在、区立の全小中学校にスクールカウンセラーを配置して、児童・生徒や保護者の相談を受ける体制を整えています。相談内容は原則秘匿とし、相談者が安心して話ができるよう、信頼関係を大切にしています。しかしながら、いじめや虐待、ネグレクトなどの訴えがあった際は適切に関係機関につなげることとしています。 渋谷区子育てネウボラでもスクールカウンセラーと連絡を密にして、その問題について専門性を持った職員が対応することとし、法令に基づき、相談過程で必要な保健情報等の収集を行っていきます。 次に、保育について三点のお尋ねです。 まず、今年の十月から実施が予定されている幼児教育無償化の対象となる認可外保育施設についてです。 無償化の対象となる認可外保育施設は、児童福祉法に基づく届け出がされ、国が定める基準を満たすものに限られますが、待機児童問題によりやむを得ず基準を満たさない施設を利用する児童が存在することを踏まえ、基準を満たさない施設も対象とする五年間の猶予期間が設けられることとされています。また、その猶予期間内において、各自治体が待機児童の状況、認可保育園の整備状況などを勘案して特に必要と認めるときは、無償化の対象となる認可外保育施設を、各自治体が条例で定める基準を満たすものに限定することができることとされています。 本区においては既に認可外保育施設を利用している児童がいること、制度開始までの期間が限られていることから、制度開始当初から無償化の対象となる認可外保育施設を限定とすることは、現在のところ考えておりません。 保育の質の確保については、児童福祉法上の指導監督権限を持つ東京都と連携、協力しながら、必要に応じて立入調査等を行い、適切に対応していきたいと考えております。 次に、子育て支援センターの保育士の確保についてです。 子育て支援センターの保育士の確保は、運営を委託している社会福祉協議会が行っています。本区では、私立保育園等の保育士を確保するため採用説明会を毎年開催していますので、そのような機会に社会福祉協議会にも参加してもらうなど、連携を図ってまいります。 次に、ホームページ子育て便利帳に障がい児向けの項目を追加することについてのお尋ねです。 障がいのあるお子さんは、成長の過程で発達相談、療育、特別支援教育などの支援を受け、学校卒業後も日中活動や就労支援、グループホームなどのサービスを利用することができます。こうした将来設計も含めた情報をわかりやすく伝える必要性については、渋谷区自立支援協議会の子ども部会でも課題に上がっており、ライフステージごとの相談先やサービスをまとめて把握できる資料づくりが検討されています。 本区としても、子ども部会に参加している障害者福祉課やネウボラ関連部署が中心となって庁内横断的に情報を取りまとめ、保護者の視点に立った資料づくりを進めるとともに、これらの情報をほかの子育て情報と一緒に調べられるよう、議員御提案のホームページ子育て便利帳を発信のツールの一つとして積極的に活用してまいります。 次に、「景丘の家」「こどもテーブル」についてのお尋ねですが、本年三月に開設する「景丘の家」は、子どもたちを含む多世代の交流スペースとして、また、こどもテーブルの中心事業である食事の提供や居場所づくりを行う、いわば総本山としての役割を担います。施設の設置目的や地域交流の観点からも、議員御指摘の、食事提供を行っていないときであっても食事を持参し、他の人と一緒に食事がとれる空間としての活用は十分に可能と考えます。 景丘の家は、開設後も地域の声に耳を傾け運営をしてまいります。 また、景丘の家では地域の子育て支援団体の方にも子どもたちの居場所づくりや食事提供を行っていただき、多くの子どもたちに喜ばれる施設運営を行いたいと考えております。 議員御指摘のとおり、子育て支援団体はそれぞれの特色があり、景丘の家で多種多様なプログラムを行うことは子育て支援としてのメニューの幅も広がり、利用者にとって大いにメリットがあります。今後、子育て支援団体や地域の方との連携を図り、施設で実施するプログラムなどの検討を行いたいと考えております。 「渋谷区こどもテーブル」につきましては、子どもへの食事の提供はこどもテーブル事業の根幹を成すものでありますが、議員御指摘のとおり、食料の手配など苦労することがあると考えます。こどもテーブルを「こども食堂」とせずに、あえて「テーブル」としている理由は、食事提供に限らず、様々な形で子どもたちの居場所を提供してほしいという思いがあります。実際、実施団体の約半数が食事提供は行わず、子どもの居場所づくりとしての事業を行っております。 今後も、渋谷区こどもテーブルは食事提供と居場所づくりの双方から、家庭、学校以外の子どもたちの第三の居場所として、まずは百カ所での実施を目指し、本事業を推進してまいります。 次に、障がい者福祉についてのお尋ねです。 先ほどの所信で申し上げましたはぁとぴあ原宿隣接地の施設では、重症心身障がいのある人や医療的ケアを必要とする人のための通所サービスに加え、議員の御指摘のショートステイも実施して保護者の負担軽減を図りたいと考えています。 渋谷区議会公明党、沢島英隆議員の質問にお答えしたとおり、今後、ショートステイの具体的な内容を決めるに当たっては障害者団体連合会の関連団体や特別支援学校の保護者から詳しく御意見を伺い、実施に必要な人材や設備、送迎方法、医療連携などの検討を進めてまいります。 次に、介護従事者、保育士等不足の対応についてのお尋ねです。 議員御発言のとおり、保育士や介護従事職員等の専門職の不足は深刻であり、今後、保育園や高齢者施設の増設を予定している本区にとって重要な課題です。 先ほど渋谷区議会公明党、沢島英隆議員にお答えしたとおり、「第七期渋谷区高齢者保健福祉計画及び介護保険事業計画」では、介護人材の確保と育成を重点施策として位置づけており、来年度に向けても新たな事業を展開する予定です。 現在、介護保険課では、介護給付適正化のための情報提供などで事業者説明会を開催していますが、そうした場を通じて事業者や介護職員からの意見を把握しております。さらに、来年度には第八期の計画策定に向けた事前調査として介護予防・日常生活圏域ニーズ調査を実施する予定ですが、それと同時に事業者に対する調査も予定しており、その調査も新たに導入を予定している「会社資源把握支援システム」を活用していきたいと考えています。 いまだ保育士不足は重要課題であり、渋谷区では国及び東京都の補助制度を活用し、家賃助成を行っています。今後さらに保育事業者とも連携し、実態把握に努めるとともに、アンケートについても検討してまいります。 いずれにいたしましても、今後も保育士、介護従事職員の人材確保のために様々な施策を着実に推進してまいります。 次に、バリアフリーについてです。 私も、議員御指摘のように、バリアフリー化については区全体でハード、ソフトの両面で促進されるべきだと考えています。 そこで、本区は昨年三月に策定した渋谷駅周辺地区バリアフリー基本構想に基づき、来年度から渋谷駅周辺地区の小規模施設に対するバリアフリー化推進助成制度を創設し、民間施設のバリアフリー化を広く周知しながら進めてまいります。この制度の創設により、さらにハード、ソフトの両面でバリアフリー化の取り組みを強めてまいります。 区といたしましてもこの助成制度は、渋谷区議会公明党、沢島英隆議員にお答えしたとおり、当面は来年度の着実な事業実施に努め、実績を見ながら今後の展開について検討をしてまいります。 また、議員御提案の車椅子でも入れる店の登録やステッカーによる周知についても検討し、障がい者や高齢者の方々が安心して渋谷の街をめぐり歩くことができるような取り組みを実践していきます。そして来る東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会を契機に、渋谷の街に訪れるインバウンドを初めとした来街者に対するおもてなしの気運醸成が図られ、ひいてはレガシーとなるよう努めてまいります。 次に、「渋谷生涯活躍ネットワーク・シブカツ」についてのお尋ねです。 人生百年時代を見据え、区民がいつまでも元気に活躍いただけるよう、「渋谷生涯活躍ネットワーク・シブカツ」を開設します。 シブカツは、発信していくコンテンツとしては大きく二つあり、就労支援につきましては先ほど渋谷区議会自由民主党議員団、斎藤竜一議員の代表質問に対し、新たな学びにつきましては渋谷区議会公明党、沢島英隆議員の代表質問に対し、それぞれお答えしたとおりでありますが、シブカツから新たな魅力ある働き方や学び方を提案するとともに、これまで整理できなかった社会活動の情報を一元化して発信することで、個々のニーズにマッチングを図れるよう事業を展開していきたいと考えています。 一方、議員の御提案により、つばめの里・本町東及びひがし健康プラザ高齢者在宅サービスセンターの指定管理者が地域貢献事業としてシニアのチアダンスを開催し、多くの区民が参加していますが、このような地域活動について継続的に紹介する媒体は、ほぼチラシしかなく、ウエブサイトなどから気楽に情報を得られないことが課題となっています。シブカツでは、このような地域活動事業を初め区主催事業やNPO活動などについて、その情報を一元化し、提供することとしています。 また、スキルやノウハウを持った区民の方でその活用を希望される方についても、シブカツに登録していただく制度を構築して管理し、新たな活躍の場につないでいきます。 高いノウハウを持った区民や高い可能性を探している区民に対し、このシブカツから多くの情報を発信し、ベストマッチングに取り組んでいきたいと考えています。 次に、新庁舎での情報発信体制についてのお尋ねです。 新庁舎では、新たな情報媒体による情報発信に努めてまいりますが、議員御指摘のとおり、従来のような紙媒体には並べて見比べたり、自由に手にとり持ち帰ったりができるよさもあります。御提言のような自由に手にとれる資料コーナーの設置については、既にパンフレットラックの準備を進めており、設置場所は、区民が多く訪れる二階、三階の窓口フロアを予定しています。 現在、十五階ではSHIBUYAオリンピック・パラリンピックに向けたスペシャル・ウイークスを開催中ですが、今後も区のかかわる公的事業のアピールの場として、積極的にイベントや展示に利用しながら情報発信をしていきます。 また、映像で見る資料としては、デジタルサイネージを一階総合案内、一階フリースペース、一階エレベーター前、二階総合案内に設置しています。現在は基本構想や環境基本計画のPR動画を活用した周知啓発を初め、タイムリーなニュースや天気予報の配信、さらには鉄道運行情報などを提供するなど、来庁者への情報サービスとして活用していただいているところです。 今後は区政の情報の積極的な発信のため、区ホームページやSNSとも連携し、創意工夫したコンテンツ制作を実施していきます。 次に、受動喫煙対策についてのお尋ねです。 今回の「きれいなまち渋谷をみんなでつくる条例」の改正は、きれいなまち渋谷を目指し、路上等で吸い殻のポイ捨てを防止するために路上や公園等での喫煙を規制し、あわせて受動喫煙も防止するという考えに立っています。 議員御指摘の喫煙所の見直し、新たな設置場所の検討については、現在「渋谷区安全・安心なまちづくりのための大規模建築物に関する条例」により、公共利用の屋内喫煙施設の設置を義務づけています。一方で、現在、区が設置している駅周辺の屋外喫煙所については、今後、受動喫煙対策にもなる屋内喫煙施設が設置されることに応じて、順次撤去することを考えているところですが、状況に応じ、外部に煙が漏れない構造の喫煙所への変更、あるいは新設設置も検討していきます。 加えて、国や都は飲食店やオフィス等における中小事業主を対象に、一定の基準を満たす喫煙専門室を整備する場合等に支援制度を設けていますので、区としても、区ニュースや区のホームページを活用してこの制度を案内していきます。 次に、渋谷区における性的少数者に対する取り組みのお尋ねです。 平成二十七年四月に「渋谷区男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例」が施行されて四年がたとうとしています。渋谷区では目指すインクルーシブな社会づくりの一つとして、渋谷男女平等・ダイバーシティセンター「アイリス」を中心に、性的少数者--LGBTにおける課題へ重点的に取り組んできました。 渋谷区に始まった同性パートナーシップ制度ですが、現在、十一の自治体で導入されています。導入を表明している自治体や対応を検討する企業や学校もますます増加の一途をたどっています。渋谷区への関心も高く、我が区の知見を広く共有する機会として議会や自治体、企業や学校の視察、出張授業、他自治体への研修などへ積極的に協力をしており、毎年百回前後にも上っています。 また、現在三十一組のカップルが交付を受けているパートナーシップ証明ですが、二年前に実施した渋谷区同性パートナーシップ証明実態調査で収集された声をもとに、法律家による専門相談事業を今年度スタートし、サポートを充実させています。 そして、LGBT当事者が安心して集い、話ができ、正しい情報が得られる場としてスタートしたLGBTコミュニティスペース事業ですが、三年目を迎えました。今年度は延べ三百五十人を超える参加があり、高い評価を受けています。 一方、いまだにLGBT当事者に会ったことがないとおっしゃる方も多く、区民、事業者に対する周知、啓発は大きな課題です。そういった取り組みの一環として、区の花であるハナショウブのマークを六色のレインボーに彩った推進の目印、レインボー・アイリスを開発しました。ステッカーやバッジ、事業所向けの小型POPの配布などを通じ、LGBTフレンドリーの可視化、関心の拡大に取り組んでいます。 毎年ゴールデンウィークに代々木公園で開催されるLGBTの人権の祭典、東京レインボープライドは、昨年十五万人が参加したと聞いています。この時期、渋谷の店舗や事業所が「LGBTの取り組みはまず渋谷から」と、性の多様性への支持をあらわすレインボーフラッグを競って上げていますが、四年前には考えられない光景でした。多様性社会推進の取り組みが渋谷という街に根づきつつあることを、私自身としてもうれしく、誇らしく思います。 また、議員が御指摘のとおり、地域のセーフティネットへのアクセスが性別によって制限されることは条例の理念にも反しており、決してあってはならないことです。 マイノリティの問題は、マイノリティが問題なのではありません。マジョリティの意識こそが排除や差別を生み出しており、区職員全体の意識改革がとても重要だと考えます。当初は全職員を対象とした基礎知識レベルの研修を実施し、レインボー・アイリスのバッジを着用してくれる「LGBTアライ職員」を増やすことから始めました。現在では管理職に特化した研修を実施するなど、LGBTに限らず性のありようで区民を排除しない行政サービスや、セーフティネットを全庁的に実現するため、意識改革に取り組んでいます。 全職員を対象とした研修においても、生活福祉課を初めとするセーフティネットにかかわる職員も多く参加していますが、各所管からの要請に応じた個別の勉強会なども行っています。ちょうど先週も、区内のケアマネジャー向けにLGBTと医療アクセス課題に特化した研修を実施したところです。 職員にとどまらず、地域セーフティネットにかかわる一人一人へ性の多様性の理解を啓発する機会を、今後も引き続き充実させていきます。 次に、学校のスクールカウンセラーへのLGBTに係る研修についてのお尋ねです。 LGBTの可能性がある児童・生徒への対応は、人権教育にかかわる内容であり、重要であると認識しています。 現在、教育委員会では平成二十九年度から平成三十一年度末までの間に区内の全教員にLGBTに関する研修を行うなどの取り組みを進めていますが、スクールカウンセラーを対象とした研修等は実施していないと聞いています。 しかし、議員御指摘のように、スクールカウンセラーが児童・生徒に寄り添い相談を受けるに当たっては、LGBTに関する知見も求められ、理解を深めることは重要であると考えます。教育委員会では今後、スクールカウンセラー連絡会等を活用し、LGBTに関する理解を深める取り組みを実施すると聞いており、区の男女平等・ダイバーシティ推進担当課長に協力をさせるなど、必要な支援を行っていきたいと考えています。 次に、区立学校の標準服についてのお尋ねです。 私も、LGBT等の児童・生徒がスカートもズボンもどちらでも選択できることが望ましいと考えています。 区立学校においては着用する服は標準服と定めており、児童・生徒がどちらでも選択することが現在、可能であり、各校の新入生、保護者説明会においても保護者に案内をしています。今後とも教育委員会を通じて、児童・生徒が自由に標準服のスカートもズボンもどちらも選択できることを引き続き周知してまいります。 次に、DV相談の整備プランについてですが、議員御指摘のとおり、現在は、DVは女性のみならず男性やLGBTの方も被害を受けることがあり、本区においてもそのような相談をされる方が増えつつあります。さらなる支援が必要と感じておりますので、相談窓口などの整備につきましては今後の検討課題とします。 また、外部支援団体との連携につきましては、本区では昨年から若年被害女性に対する支援を行う団体と協力し、若年女性へのアウトリーチや居場所確保の支援を行っております。引き続きLGBTや男性支援といった外部支援団体とも連携を図り、被害者のセーフティネット確保に努めてまいります。 この渋谷という街が本当にLGBTの人たちが安心して住まい、集い、学び、働ける街となるためには、大企業や区の職員だけではなく、渋谷のまちづくりにかかわる全ての人が多様な性を理解し、取り組んでいくことが欠かせません。「ちがいを ちからに 変える街。渋谷区」実現のために、引き続き力を入れてLGBT施策に取り組んでまいります。 以上、私からの答弁とさせていただきます。 ○副議長(古川斗記男) 豊岡教育長。 ◎教育長(豊岡弘敏) 私には、教育について三点のお尋ねがありました。順次お答えをしてまいります。 まず初めに、区立小中学校における不登校児童・生徒についてのお尋ねです。 本区における昨年十一月三十日時点で不登校の目安となる三十日以上欠席した児童・生徒数は、小学生が三十名、中学生が七十六名です。 次に、学校の対応についてですが、児童・生徒一人一人の状況に応じ、ケース会議等を開く、家庭訪問を行う、けやき教室への通室、フリースクールへの紹介などの対応を行っております。 学校復帰については、不登校と学校復帰を繰り返すケースが多いことや学校復帰後も経過観察が必要であることから、実数を把握することが困難な状況であります。しかしながら、実数の把握については東京都の調査においても課題とされており、今後、教育委員会といたしましては、都の検討状況も参考にしつつ対応してまいりたいと思います。 次に、フリースクールとの連携、けやき教室についてのお尋ねです。 まず、フリースクールとの連携についてのお尋ねです。 渋谷区では、議員御指摘のとおり、「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律(教育機会確保法)」の趣旨等に基づき、フリースクールに通う場合には出席扱いにできるようになっています。 フリースクールに通う児童・生徒については、在籍校から当該児童・生徒の学習状況や出席状況について、フリースクールと情報共有を図るなどしているところでございます。さらに、今後もさらなる連携ができるよう、多地区の事例を研究するなどしてまいります。 次に、けやき教室についてのお尋ねです。 けやき教室の入室は、教育相談を行い、その後、保護者並びに本人の意思を尊重して入室の案内を行います。入室後も相談を継続しており、法の趣旨等を踏まえ、フリースクールの紹介などの対応をしているところです。 今後も児童・生徒に寄り添い、取り組みを進めてまいります。 以上、私からの答弁とさせていただきます。 ○副議長(古川斗記男) 三十一番岡田麻理議員。 ◆三十一番(岡田麻理) 区長、教育長より非常に丁寧で、また明解な御答弁をいただき、ありがとうございました。 ネウボラ事業については、単に所管が集まって連携するだけではなくて、どうしたら子育て中の親御さんが、お子さんが成長するその時々のタイミングで必要なサポートが受けられたり相談ができるか、そこで初めて切れ目のない支援と言えるのではないでしょうか。是非子育てをしている親御さんの立場に立ってネウボラ事業を進めていただくよう、大いに期待をしております。 また、不登校の子どもたちについては、これは教育委員会全体で、しっかりと取り組んでいっていただきたいと思います。 この質問で多くの前向きな御答弁をいただきました。是非三十一年度も長谷部区長に先頭に立って予算の執行に向けて尽力をいただき、私たちシブヤを笑顔にする会も引き続き区長を支えていけるよう頑張ってまいります。 最後に、シブヤを笑顔にする会はこれからも一丸となって、区民の皆様が笑顔になれるよう区民に寄り添った政策を立案し、実現に向けて汗をかいてまいりますことをお誓い申し上げまして、代表質問を終わらせていただきます。 御清聴ありがとうございました。 ○副議長(古川斗記男) 議事進行上、暫時休憩いたします。-----------------------------------   休憩 午後五時五十分   再開 午後六時十六分----------------------------------- ○議長(丸山高司) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 区政一般に関する質問を続行いたします。 二十六番五十嵐千代子議員。 ◆二十六番(五十嵐千代子) 私は、日本共産党渋谷区議団を代表して、区長、教育長に質問します。 質問に入る前に、昨日沖縄で行われた県民投票結果は、辺野古の新基地建設に住民の七割を超える反対で明確な審判が下されました。日本共産党は沖縄の民主主義と地方自治の勝利をかち取った沖縄の皆さんに心から敬意を表するとともに、安倍政権が民意を受けとめ、辺野古の埋め立てを直ちに中止することを強く求めます。 また、今議会から議場に国旗が掲揚されました。日本共産党区議団は、これまで議会にかかわる問題は全会派一致を原則に決めてきた議会のルールを今回、踏みにじって強行したことを認められません。日の丸については区民の中でも賛否の分かれている問題であり、法制化の国会審議でも政府は「強制するものではない」と答弁しています。民主的運営が確保されるべき区議会の議場に、多数によって日の丸を掲揚したことを強く抗議するものです。 それでは、質問に入ります。 最初に、消費税一〇%増税と憲法九条改定についてです。 安倍首相は「消費は持ち直している」「所得環境は改善している」と言って今年十月から消費税を一〇%に増税することを決めました。しかし、家計消費が二十五万円も落ち込み回復できていないこと、実質賃金もマイナスであることを安倍首相も認め、増税根拠は総崩れとなりました。こんな中で消費税の一〇%増税を強行すれば、暮らしの悪化だけでなく、経済そのものが壊滅的打撃を受けるのは明らかです。 また、複数税率の導入、キャッシュレス決済のポイント還元などは制度を複雑にし、国民の暮らしや営業の分野で混乱を拡大するばかりで、日本スーパーマーケット協会などポイント還元の見直しを求めています。区内の商店からも「今でも売り上げが落ちているのに、クレジットカード会社に手数料などとても払えない」「増税されたら商売をやめるしかない」などの厳しい声が上がっています。 日本共産党は、消費税に頼らない財源確保を提案しています。経済同友会も提案している富裕層の証券取引課税を三〇%に引き上げるとともに、大企業に年間四兆円もの減税をやめることで五兆二千億円の新たな財源が生まれます。 区長は、消費税を増税すれば区民の暮らしも国の経済も破壊することをどのように認識しているのか、国に対して消費税の一〇%増税をやめるよう求めるべきです。所見を伺います。 憲法九条についてです。 安倍首相は憲法九条を変えて、日本が攻撃されていない戦争にまで無制限に武力行使ができる国に変えようとしています。しかし、どの世論調査でも、国民の圧倒的多数は改憲を国政の最優先課題とは考えていません。区内在住の作家の澤地久枝さんやノーベル賞受賞者の益川敏英さんなどが呼びかけた、全国で取り組まれている「九条改憲に反対する三千万人署名」は、渋谷区内でも渋谷市民アクションに結集する区民、区内で働く人たちが各地域で粘り強く取り組んでいます。 今、求められていることは、憲法を変えることではなく、憲法を生かした平和な日本を築くこと。間もなく二回目の米朝首脳会談も開かれますが、世界の流れは、時間がかかっても平和外交を進めることです。区長は、「九条を含む憲法を尊重している」と発言されていますが、日本を戦争できる国に変える改憲を許すべきではありません。区長の所見を伺います。 また、安倍首相が自衛隊の新規隊員募集に対し、都道府県の六割以上が協力を拒否していることは問題だとして、自治体から若者の名簿を強制的に提出させることは、若者を戦場に強制動員することが首相の真の狙いであることを明らかにしました。地方自治体に強制的に名簿の提出を迫ることは、個人情報の保護条例や住民基本台帳法に違反するやり方であり、戦前、地方の役場が若者を戦場に動員するため赤紙を配ったことにつながるような重大な問題で、認められません。 渋谷区は、名簿を提出すべきではありません。この間の自衛隊からの名簿要請にどのような対応をしてきたのか、あわせて区長に伺います。 区長の基本姿勢と予算編成について。 安倍政権は、財界戦略の「国際競争力の強化」「世界で一番企業が活躍しやすい国」を掲げ、大型開発への税金投入、公共事業を新たな民間企業のもうけの対象とする民間活力の導入や指定管理の拡大を進める一方で、制度改悪による社会保障の削減、公共施設の統廃合、民営化を推し進めています。 長谷部区政もまさに財界戦略を渋谷区に持ち込み、基本構想で「成熟した国際都市づくり」を掲げ、大企業が進める渋谷駅周辺再開発には九十億円の税金投入、三井不動産に貸し出す宮下公園の借地料は百九十億円を値引き、さらに庁舎の土地に高層マンションを建てさせて大もうけをさせるやり方を進めています。 一方で、障がい者の福祉タクシー券や区型介護サービスの削減、生活保護世帯への夏、冬の見舞金の廃止、子どもたちの富山臨海学園や山中高原学園の廃止、区立保育園の民間委託や特養ホームの指定管理の拡大を進めるとともに、国保料や介護保険料の値上げ、さらに一九年度には学校給食まで値上げしようとしています。 長谷部区政は四年間で、区民の負担増、福祉の切り捨てで残した税金を基金として積み立て、その額は、今定例会に提案している二十五億円を加えると二百六十億円になり、基金総額は九百四十八億円に上ります。こうした渋谷区政は大企業優先、福祉切り捨て、地方自治体の役割を放棄していると言わざるを得ません。 今こそ渋谷区は国の悪政の防波堤となり、自治体本来の役割である区民の暮らし、福祉、子育て優先の区政に切りかえるべきです。区長の所見を伺います。 大企業優先の区政の転換についてです。 庁舎の建替え事業についてです。 庁舎用地の三分の一を三井不動産に七十七年間貸し出す借地料は二百十一億円です。三井不動産は三十九階五百五戸の分譲マンションを建設中で、既に第一期一次分として二十二階から三十八階までの上層階の百戸を一億一千万円台から四億九千万円で、最上階の三十九階は最高価格十五億円、十三億円、十億円の二部屋ずつ完売されたと聞きました。さらに第二次分として、二十一階以下の四十戸は八千万円台から三億九千万円で発表されています。今後、五百五戸全て販売した場合どれだけの利益を三井不動産は獲得するのか。 区長はこの間「区が、住宅棟を含む総事業費や民間事業の資金計画に関与したり説明する立場にない」と発言されていますが、そもそも三井不動産のマンションは区民の共有財産の上に建てられているのです。区民の土地で幾らの利益を上げることになるのか、明確にお答えください。区長の所見を伺います。 その一方で、新庁舎は三井不動産のマンションが優先されているため敷地が狭く、福祉のかなめとも言える生活保護の窓口を新庁舎から排除し、区民から怒りの声が寄せられています。区民が使う駐輪場は有料化され、公会堂の利用料金もこれまでの一・五倍の値上げで、明らかな区民サービスの後退。区民優先とはとても言えません。また、働いている職員の人たちからも、「食事をとる場所もない」「上下移動の負担が増えた」などの声を聞きました。 結局、民間資金活用手法の庁舎建替え事業は、区民の声、職員の声も十分に聞かず、区民サービスを後退させ、三井不動産の利益を優先させることが本質だと言わざるを得ません。こうした手法は二度とやるべきではありません。区長の所見を伺います。 宮下公園の整備事業です。 宮下公園整備事業は、二〇一五年十二月議会に長谷部区長から、基本協定の締結と、三井不動産に三十四年十カ月の定期借地料二百三十五億二千百万円とする定期借地権設定の議案が提案されました。共産党区議団は、区民の声も聞かず、区民の財産である宮下公園を大企業のもうけのために差し出すことは認められないとして反対しました。 しかし、二〇一七年の六月、区長が三井不動産と事業用定期借地権設定契約を締結しました。区民からは、「三階建ての商業施設の屋上公園は、災害時の避難場所としての機能や、誰でもいつでも利用できる都市公園の機能が失われる」また、「ケヤキなどの樹木全てを伐採することは緑化対策に逆行する」等の意見が出されました。区は全く聞き入れませんでした。 その後、当区議団に区民から借地料が安過ぎるのではないかとの指摘があり、専門家に鑑定評価を依頼した結果、百九十億円も契約額より高い評価が出され、当区議団はこの間、再鑑定を求め続けています。 区長は、私たちが再鑑定を求める理由とした二年間で路線価が二五%も上昇したこと、ホテルの鑑定評価をせず三十億円と区が独自に評価した価格が格安であること、商業施設のコストが大幅に増額されていることなどの手法で値引きされていることは認めました。区長が大幅値引きになることを承知しながら契約前に再鑑定も議会の議決も経ず契約したことは、地方自治法に反するものです。 この間、区民は国保料、介護保険料の値上げなど負担増を強いられているのに、なぜ大企業に百九十億円もの値引きをしなければならないのか、区民の納得は得られません。 宮下公園は区民の共有財産なのですから、地方自治法に基づき改めて再鑑定すべきと考えます。区長の所見を伺います。 また、この間、区長は、都市公園には建てることのできないホテルを三井不動産が建てられるよう都市計画を変更し、ホテル用地として公園用地から削減した分の土地を東京都から借地して又貸しするなど、三井不動産の便宜を図ってきました。こうしたやり方は区政をゆがめるもので、認められません。 改めて、民間資金の活用をやめ区民参加で検討会を設置し、計画を見直すべきです。区長の所見を伺います。 区民の福祉、子育て、暮らしを守ることについてです。 最初に、国民健康保険料について。 昨年、区議団が行った区民の暮らしのアンケートで、国保料を負担に感じている人は八九%に上っています。実際、渋谷区の国保料は昨年で十四年連続の値上げで、滞納率も約三割、差し押さえも三百七件にも上っています。区民からは「収入の一割を超える保険料はとても払えません。何とか値下げしてもらえることを切に願います」など切実な声が寄せられました。 十八年度、年収四百万円の子ども二人の四人世帯は、サラリーマンの協会けんぽ保険料が十九万八千円に対し国保料は四十二万六千二百八十二円で、二十二万円も高くなっているのです。日本共産党は、子どもが多い世帯ほど保険料が高くなる均等割が国保にだけあることを国会で追及し、安倍首相も国保の構造的問題を認めました。 我が党は、高過ぎる国保料を協会けんぽ並みに引き下げることを提案しています。全国知事会が求めている一兆円の公費投入で実現できます。 区長は、国に対し国保料の均等割を廃止することを求めるべきです。所見を伺います。 都内でも、独自の軽減を行う自治体が増えています。千代田区は、繰入金を前年並みに投入することによって国保料の引き下げを二〇一八年度、一九年度と行い、区民一人当たりの均等割額を渋谷区より三千九百円安くします。また、子どもの均等割を軽減している自治体は既に都内で四市に広がり、今年から武蔵村山市が年収二百万以下の世帯の第二子は半額、第三子以降は全額免除されます。全国で初めて今年から岩手県宮古市が、二〇一九年度から十八歳以下の全ての子どもの均等割を全額免除する予算を計上しています。 ところが、長谷部区長は、一般会計から国保会計への法定外繰り入れについては「段階的に解消していくべき」と、繰入金を二〇一八年度、一九年度の二年間で八億一千四百万円も削減し、国保料を値上げしたのです。新年度の値上げは、均等割を千二百円値上げし五万二千二百円に、賦課限度額も三万円引き上げて六十一万円に値上げします。均等割の値上げは、区長が就任からの二〇一五年度から一九年度で七千五百円の値上げです。今後、子どもが一人生まれるたびに五万二千二百円ずつ負担が増えるのです。三十代の年収四百万円世帯の保険料は四万六千九百六十三円も今年、値上げとなります。 改めて、国保料の値上げをやめ、子どもの均等割の五割軽減と低所得者への均等割軽減の上乗せを実施することを求めます。我が党の試算では、一億九千三百万円で実施できるのです。区長の所見を伺います。 生活保護費の改善についてです。 安倍政権は昨年十月から、三年間で最高五%の生活保護費の引き下げを強行しました。この結果、四十代の夫婦と子ども二人の四人世帯では、昨年一年間で三万七千八十円削減され、来年十月からはさらに三年間で十一万一千百二十円も削減されます。「これまで、食事や入浴、衣類など生活全てにわたって節約してきた」と厳しい生活の人たちに、さらに追い打ちをかけるやり方は許されません。 区長は、憲法二十五条で保障されている国民誰もが健康で文化的な人間らしい生活ができるよう、国に対して生活保護費の削減を中止するよう求めるべきです。区長の所見を伺います。 また、渋谷区独自に支給してきた夏、冬の見舞金を復活するとともに、荒川区のようにクーラー設置助成も行うべきです。さらに、港・新宿・中野区のように単身者の家賃の限度額を六万九千八百円まで拡大し、住みなれた渋谷区に住み続けられるよう改善すべきです。あわせて所見を伺います。 障がい者施策についてです。 昨年度から自立支援法の報酬改定が行われ、障がい者の就労支援を行う事業の六割が減収だったことが全国障がい者団体、「きょうされん」の調査で明らかになりました。区内でも、特に精神障がい者支援事業所の運営費が複数の施設で二百万から三百万円以上も減少し、復活予算で百四十万八千円の運営費助成が計上されましたが、このままでは事業所の存亡にかかわる大問題です。 精神障がい者の人たちの自立した生活を支える支援事業者の運営費補助を実態に合った額にするため、国に対して基本方針の抜本的見直しを求めるべきです。また、区独自に運営費助成を増額すべきです。区長の所見を伺います。 次に、六十五歳以上の障がい者が引き続き自立支援サービスを受けられるよう改善することについてです。 障がい者が六十五歳になると、自立支援サービスから介護保険に切りかえていますが、障がいの実態は変わらないのに無料だったサービスが一割負担となり、さらに利用できるサービスが制限されます。サービスの制限については渋谷区も個別対応していることは承知しています。しかし、障がい者や家族の人たちから、「必要な人は誰でも自立支援サービスが継続できるよう改善してほしい」との声が出されました。 裁判でも六十五歳訪問介護打ち切りは違法との判決が出ました。国に改善を求めるとともに、区として早急に改善すべきと考えます。区長の所見を伺います。 商店会助成の拡大と公契約条例の改善についてです。 本町地域の新年会で、ある商店会の代表から「長年商店会を利用していただいたが、加盟店が減少し街路灯も維持できなくなり、今年解散することになりました」という挨拶がありました。実際、昨年百本以上あった商店会の街路灯が全部撤去されました。これまで帰宅が遅くなる子どもたちの安全を守る防犯の役目をしていた街路灯が一挙に撤去され、「道路が暗くなってしまった」という声を聞きます。 商店街の街路灯の維持・管理も含め、区が全額負担をして商店会の負担をなくすべきと考えます。区長の所見を伺います。 公契約条例の改善についてです。 昨年、公契約条例の対象工事に従事していた労働者の多くが、労働報酬下限額を下回る賃金で働いているという話を聞きました。こうした事態を防ぐために、世田谷区などの条例には、区に提出する書類として事業者が一人一人の労働者に支払った賃金が確認できる書類を求めています。当区の条例を直ちに改善して、公契約現場で働く全ての人の賃金が守られるようにするとともに、対象工事を五千万円に引き下げるべきと考えます。区長の所見を伺います。 公園遊具の改修についてです。 初台緑道公園は、いつも小さな子どもたちの遊び場所となっていますが、利用しているお母さんたちから「ここの滑り台などの遊具に去年の夏ごろからずっと立入禁止の黄色いテープが張ったままになっている。いつになったら直してもらえるんですか」と質問されました。代々木一丁目の方からも「公務員住宅の中にあった公園がなくなり、小学校の施設開放もなくなり、緑道公園の遊具も使えない状態で地域の子どもたちが遊ぶ場所がない」との訴えがありました。 現在、使えない状態のまま遊具が放置されている公園は何カ所か、直ちに改善すべきです。区長の所見を伺います。 保育についてです。 認可保育園の待機児ゼロと職員の処遇改善についてです。 認可保育園の待機児解消は、待ったなしの喫緊の課題です。二〇一九年度、区が開設を予定している認可保育園は五カ所で、小規模保育施設と合わせて四百三十六人の定員増となります。しかし、昨年四月時点で認可保育園の待機児は四百八十人、そのうちゼロ歳から二歳児が四百五十六人の九五%を占めていました。今年開設する保育施設のゼロから二歳児の定数増はわずか五十一人です。これではとても待機児をゼロにすることはできません。 区長は多様な保育資源を活用して待機児を解消するとしていますが、昨年も家庭的保育施設での痛ましい死亡事故や、企業主導型保育事業所の保育士が一斉に退職し廃園になる事態が起こっています。保護者の願いは、子どもを安心して預けられる認可保育園です。 幡ヶ谷二丁目の都営住宅跡地や代々木二、三丁目の国有地など早急に公有地を取得し、区立認可園を中心に増設すべきです。区長の所見を伺います。 保育士の処遇改善についてです。 民間保育士の賃金は少しずつ改善されていますが、依然低賃金・長時間過密労働であり、保育士不足の最大の原因となっています。二〇一七年の国の調査でも、全産業の所定内平均給与額と保育士の給与は七万四千四百円の開きがあります。さらに、全産業男女平均の二十代から五十代を比較すると二百五十万円給与が上がっているのに対し、保育士は百万円程度しか上がっていません。 国の処遇改善は、今年から月三千円程度が出されることになりました。区長は国に対し、全ての保育士の賃金を全産業の平均賃金並みまで引き上げるよう、抜本的な対策をとるよう求めるべきです。また、区独自に世田谷区のように月一万円の賃金助成を実施するとともに、家賃補助の対象は民間保育施設で働く全ての職員に拡大すべきです。区長の所見を伺います。 保育の無償化の問題についてです。 今年十月、国が実施する予定の保育の無償化は認可保育所に通う全世帯の三歳児から五歳児が対象で、ゼロ歳から二歳児は非課税世帯だけです。さらに、これまで利用料に含まれていた給食費を実費徴収するとしています。保護者負担になる給食費は七千五百円にもなります。国は低所得世帯に限って主食分の三千円を徴収するとしていますが、これでは渋谷区が、これまで年収四百万円以下の世帯の子どもには年齢に関係なく保育料無料だったのに、給食費の負担が新たに発生することになりますが、先ほど区長から、給食費の徴収はしないと答弁されました。 国は無償化の財源負担についても、私立認可保育園は国が二分の一、都道府県と市区町村が四分の一ずつ、認可外は国と市町村で三分の一ずつ、公立の施設は全額市区町村が支出するという案で、全国市長会は昨年十一月、国に対して、財源については全額国の責任において国費で確保することを求める緊急アピールを出しました。 区長は国に対し、ゼロ歳から二歳児の所得制限をなくすこと、給食食材は幼稚園も含めて国の負担で無償化すること、自治体負担をやめて国の負担で完全無償化することを求めるべきです。区長の所見を伺います。 そして何より、これまで区が独自に行ってきた年収四百万円以下の世帯の給食費も含めた保育料無料化を初め、区独自の軽減制度を継続すべきと考えます。先ほど区長が給食費は無償にすると述べられましたが、ゼロ歳から五歳児の区内の全ての保育施設の子どもを区長は無償にするということで考えてよいのか伺います。 教育についてです。 学校給食費の値上げについて質問します。 渋谷区は二〇一九年度に区立小中学校に通う子どもたちの給食費を小学校で一食十三円、中学校で十四円値上げし、小学校低学年が年額四万六千七百四十円、三、四年生が四万九千四百七十円、五、六年生が五万二千二百円、中学生が六万一千四百七十六円に値上げしようとしています。とんでもありません。 我が党の試算では、値上げ分は約一千六百三十万円なのです。値上げはやめるべきです。区長の所見を伺います。 昨年の十二月、吉良よし子参議院議員の質問に対し、柴山大臣は「学校給食法で設備は自治体、食材は保護者負担となっているが、自治体の判断で給食費の全額を補助することを否定するものではない」との答弁を行いました。現在、無償化に乗り出している自治体は、完全実施が八十八自治体、一部実施が百十四自治体の二百二自治体に広がっています。 日本共産党区議団は、この間、学校給食の無償化を毎議会ごとに提案してきました。我が党の試算では三億五千万円で実現できます。区長に改めて無償化を実現することを求めます。所見を伺います。 教職員の長時間労働の改善と、三十五人学級の実現です。 教職員の過重労働問題が社会問題になる中で、働き方改革の答申が中央教育審議会から出されました。しかし、教職員を増やす抜本策には手をつけず、業務削減に限った内容で、教員など関係者から批判の声が上がっています。東京都の教育委員会の調査でも、勤務時間が過労死ラインとされる週六十時間を超えて働いている先生が小学校で三七%、中学校で六八%と常態化していることが明らかとなっています。こうした長時間労働を生み出している原因について、教育長の所見を伺います。 日本共産党は、教職員の長時間労働を解消するには持ち時間数の上限を定め、そのための教員増を図ること、学校の業務削減を国、自治体、学校現場の双方から推進すること、残業代を支払い、残業時間を規制すること、非正規雇用の教員を正規化することを提案しています。 当区でも部活動の外部指導員の活用が提案されていますが、教員が子どもたち一人一人に向き合い、授業準備もゆとりを持って取り組めるよう、教員を増員するとともに、学校給食の公会計化や一人一人の教職員の勤務時間を把握するためのタイムカードの導入などを早急に行うべきと考えます。教育長の所見を伺います。 区立の小中学校に子どもを通わせている複数の保護者の方から「四十人学級を早急になくして少人数学級にしてほしい」「低学年時の三十五人学級から四十人学級に変わって学級崩壊状態になっている」「教育委員会に数年前から補助員をつけてほしいと要望しているが、週一日しかつけてくれない」など怒りの声が多数寄せられました。当区議団はこの間、毎年少人数学級実現の予算修正案を提案していますが、二〇一九年度は五千百万円で全ての学校で実現できます。 国に対して、全学年で少人数学級を実現するよう教員数の抜本的増員を求めるとともに、区独自にも教員を増員し、保護者の願いに応えることを求めます。教育長の所見を伺います。 就学援助の拡充についてです。 今年の入学生から渋谷区でも、小中学生とも新入学生の学用品費が入学前に支給されることになりました。また、支給額が昨年から増額されたことに多くの保護者から歓迎の声が寄せられています。 しかし、今年から国は、要保護世帯の就学援助に新たに卒業アルバム代を加えるとともに、新入学生の学用品費を一万円増額し、小学生は六万三千百円、中学生が七万九千五百円に増額しました。渋谷の子どもたちも、標準服と体操着などで五万円近くかかるのが実態です。これに見合うよう増額すべきです。また、アルバム代を追加するとともに対象世帯の収入を生活保護世帯の一・五倍まで拡大すべきです。教育長の所見を伺います。 放課後クラブの充実についてです。 昨年五月現在で、区立小学校に通っている児童のうち放課後クラブを利用している児童はA会員とB会員合わせて四千三百六人で、全児童の六八%が登録しています。一番多い学校では三百九十三人、B会員だけでも二百四十八人になっています。本来、B会員は保育を必要とする子どもたちで、家庭がわりの居場所が必要です。しかし、国は、学童保育の指導員配置基準を緩和しようとしていることは許されません。 教育長は国に対し、指導員の配置基準の緩和をやめるよう求めるべきです。所見を伺います。 本区の大規模クラブでは子どもがあふれており、ある学校では指導員が配置基準に達していない欠員の日が常態化しているという話を聞きました。そのために、子どもたちからは「人数が多過ぎておもしろくない」という声が出され、現場の職員からは、「子どもたちがけんかをしていても、間に入って一人一人のケアができない」という話も聞きました。また、静養室がないために、風邪を引いて高熱を出した子どもが寝る場所もなく、ほかの子どもたちがいる教室の隅でおとなしくしていたこともあったと聞きました。 指導員の配置基準を常に満たすよう増員すべきです。また、体調が悪くなったときに静かに静養できる静養室を設置すべきです。教育長の所見を伺います。 羽田新飛行ルートの撤回についてです。 昨年、渋谷区議会は、区民の皆さんから出された羽田新飛行ルートに関する請願と陳情を受けて、国に対して、渋谷でも教室型の住民説明会の開催を求める要望を全会派一致で可決しました。二月には区内五カ所の会場で、国土交通省主催で説明会が開かれ、私も参加しました。しかし、参加者の発言は一人三分までと制限し、発言を求めている人がいるにもかかわらず時間だからと打ち切ってしまうやり方に、参加者から「とても区民の理解を得るための説明会とは言えない」の声が出されました。また、参加者から「過去に痛ましい墜落事故が起きている。都心を低空飛行するのはやめてほしい」「マンハッタンもロンドンも都心は飛んでいない」「落下物のリスクはゼロにならない。人の命を何と考えているのか」「計画は誰がつくったのか」の質問に、国は「日本再興戦略で打ち出された」と財界戦略であることも明らかにしました。参加者からは新飛行ルートの撤回を求める発言が次々と出されました。 区長はこうした区民の声を受けとめ、国に対し飛行ルートの撤回を強く求めるべきと考えます。所見を伺います。 ○議長(丸山高司) 長谷部区長。 ◎区長(長谷部健) 日本共産党渋谷区議会議員団、五十嵐千代子議員の代表質問に順次お答えします。 まず初めに、消費税一〇%増税についてのお尋ねです。 このことにつきましては、これまでも再三にわたりお答えしてきたとおり、国の総合的な財政計画、運営にかかわる問題ですので、そのような考えはありません。 次に、憲法九条についてのお尋ねですが、この問題について、国政の場で議論されるべきものと考えておりますので、そのような考えはありません。 次に、自衛隊の新規隊員募集に対して名簿の提出はやめるべきであり、区は、この間どのように対応してきたかとのお尋ねです。 まず、自衛官及び自衛官候補生の募集に関する事務の一部は、自衛隊法第九十七条第一項の規定に基づく法定受託事務となっています。本区におきましても、自衛隊法施行令第百二十条の規定に基づく自衛隊からの自衛官募集に係る情報の提供依頼につきましては、同施行令第百十五条を準用し、募集対象となる者を抽出し、提供しています。 議員が言われるような重大な問題や違反はないと考えています。 次に、区長の基本姿勢と予算編成について、大きく三点のお尋ねです。 まず、区民の暮らし、福祉、子育て優先の区政に切りかえるべきとのお尋ねですが、もとより地方公共団体は住民福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うものです。私は区長として、法にのっとり、今後ともこの役割を果たしていく考えです。 次に、庁舎、公会堂等の建替え事業について二点のお尋ねですが、一括してお答えします。 今回の庁舎、公会堂の建替え手法は、先ほど渋谷区議会公明党の沢島英隆議員にお答えしたとおり、公有地を活用し建設コストを抑える反面、投資的予算を庁内インフラの整備に充てることで付加価値の高い区民サービスを提供し、区政の新たな課題の解決につなげていくものであることから、将来にわたり持続可能な行財政運営に寄与する画期的な事業手法であったと考えています。したがって、議員の御指摘は的外れであると言わざるを得ません。 区の資産を有効に活用するための事業手法の先例として、今後、区有施設の整備計画に役立てていきます。 なお、マンションに関する事業者の利益についての質問がありましたが、これまでも再三にわたりお答えしているとおり、区が関与するものではありません。 次に、宮下公園の整備事業について二点のお尋ねですが、一括してお答えします。 最初に、改めて再鑑定すべきとのお尋ねです。 これまで平成三十年第二回、第三回及び第四回区議会定例会において繰り返しお答えしていますが、その時々の路線価は上昇と下降を繰り返していて、契約の二年前からの上昇は社会経済情勢の大きな変化とは言いがたく、再鑑定は不要との結論に至っているとお答えしています。現在もこの結論に変わりはありません。 次に、区民参加で検討会を設置して見直すべきとのことですが、新宮下公園等整備事業は区議会の議決を得て締結した基本協定に基づいて進めている事業であり、見直す考えはありません。 次に、国民健康保険料についてのお尋ねです。 初めに、均等割を廃止することを国に求めるべきとの御意見ですが、既に特別区長会では国に対し、子どもに係る均等割の軽減措置を初めとした制度の見直しと財政措置を講じるよう要望しています。 次に、来年度の保険料につきましては、特別区長会での議論を経て、特別区共通の保険料率として定めたものであり、御理解をいただきたいと思います。 また、子どもの均等割軽減と低所得者への均等割軽減の上乗せについての御意見ですが、先ほどお答えしたとおり、国に子どもの均等割軽減等について要望していることに加え、来年度から低所得者への均等割軽減の対象が拡大されることを踏まえ、区独自で行う考えはありません。 次に、生活保護費の改善についてのお尋ねです。 生活扶助基準の改定は、一律に扶助費を減額するものではなく、一般低所得世帯の消費実態との均衡を図り、最低限度の生活を保障する水準として適切な水準となるような見直しを図るものです。したがって、中止を求める考えはありません。 次に、夏季・冬季見舞金についてです。 生活保護の法外援護では、法内の支援では対応することができないニーズに、個々の事情に応じて必要な支援をきめ細かく提供しております。したがって、全ての被保護世帯に一律に金銭を給付する夏季・冬季見舞金を復活させる考えはありません。 また、生活保護を受給している世帯の冷房器具の設置費用については、平成三十年七月一日より、一定の条件を満たす場合に費用の支給が可能となっております。 住宅扶助の特別基準の認定については、区内に基準額以内の賃貸物件が現にあることから、一律に特別基準を認定することは考えておりません。 次に、障がい者施策の拡充についてのお尋ねです。 報酬改定が行われた以降、区内四つの精神障がい者の方を対象とした作業所の皆さんと、現況や今後の取り組み内容について意見交換を行いました。そうしたことを踏まえて、今回、精神障がい者の方が安心して住み続け、社会参加ができるよう、作業所の努力にも期待しつつ、区独自の補助金として新たに普及啓発活動費を助成対象とし、百四十万八千円を予算計上しています。この額を現時点で増額することや、国に対して見直しを求める考えはありません。 次に、障がいのある人が六十五歳以降も自立支援サービスを継続できるよう改善すべきとのお尋ねです。 本区では、議員の発言にもあったように、六十五歳に到達した障がいのある人については、御本人の状況や意向を丁寧に聞き取ってサービスの必要性や内容を判断し、介護保険サービスで十分な支援を受けられない場合は障害者総合支援法に基づく自立支援給付サービスを継続できるよう、個別に対応しています。 今後も法が定める制度のもとで、お一人お一人が住みなれた地域で自分らしく暮らせるよう、必要な支援に努めてまいります。 次に、商店会街路灯の助成についてのお尋ねです。 街路灯の維持・管理については、全額を商店会に補助すべきとの御意見ですが、そのような考えはありません。一基当たり年間九千円の電気料の補助を継続するとともに、電球のLED化の支援を通じてランニングコストの負担軽減を図ってまいります。 次に、公契約条例の改善についてのお尋ねです。 まず、昨年、公契約条例の対象工事に従事していた労働者の多くが労働報酬下限額を下回る賃金で働いていたという話については、昨年の決算審査の場で議員から指摘があった公契約条例の対象工事の件かと思いますが、指摘のあった職種の労働者の賃金を記載した労働報酬チェック表を事業者から提示を受け、全て確認しましたが、下限額を下回っている状況は見受けられませんでした。 次に、議員提案の賃金確認書類の義務化をすること、及び適用範囲を予定価格一億円以上から五千万円以上へ引き下げることは、中小事業者への事務的な負担増などの課題があることから、今後、多角的に検討すべきものと考えます。 なお、条例の実効性のさらなる向上のため、四月からは、受注者から労働者に直接、公契約条例の対象工事であることや労働報酬下限額などを説明し、労働者が確認の署名をする書式を見直すとともに、それを区にも提出させる予定です。 これからも条例の実効性の向上に向けた検討を継続してまいります。 次に、公園遊具の改修についてのお尋ねです。 本件に関しては、既に昨年九月二十八日の区民環境委員会にて詳細を御報告した後、しぶや区ニュース十一月十五日号にも御報告の記事を掲載するなど広くお知らせをするとともに、一日も早く遊具の再利用が実現するよう鋭意対応しているところです。 また、その進捗はホームページにて公開しています。 改めて御説明をさせていただきますと、平成二十六年六月に国土交通省が示した都市公園における遊具の安全確保に関する指針を踏まえて一般社団法人日本公園施設業協会が策定した「遊具の安全に関する基準」の改訂が行われました。 これを機といたしまして、鍋島松濤公園など八十九カ所の区立公園等に設置されている三百二十七基の遊具について、安全かつ安心して御利用いただくために一斉点検を行いました。その結果、四十八カ所の公園等で八十三基の遊具に不具合が判明したことから、利用者の安全性を第一に考え、やむを得ずロープや立入禁止のテープ等により使用を中止しました。 区では、不具合のあった八十三基の遊具について、簡易補修や補修、更新及び再設置の四つのグループに分類し、順次対応を進め、平成三十一年一月末現在、六十一基の遊具について使用を再開しました。残りの二十二基につきましては既存の遊具の撤去が必要となるため、新年度に予算を計上し、速やかに新しい遊具を設置していく考えです。 次に、保育について三点のお尋ねです。 まず、国有地を取得して区立認可保育園を中心に増設を行うことについてです。 本区では従来から、認可保育園等の増設をスピード感を持って着実に進めておりますが、今後も区立認可保育園に限ることのない様々な手法を活用しながら、待機児童対策に取り組んでいきます。 次に、民間保育施設で働く全ての職員の処遇改善についてです。 保育士の賃金については、国の公定価格や東京都のキャリアアップ補助金により処遇改善が図られており、国や都に対し賃金引き上げを求める考えは持っておりません。 家賃補助については、来年度から対象を栄養士まで拡大いたします。 次に、保育の無償化についてです。 無償化に伴う給食費の負担については、先ほど渋谷区議会公明党、沢島英隆議員の質問にお答えしたとおりですので、区として給食費の完全無償化を国に求める考えはありません。 また、保育の無償化の財源を国の責任において確保することについては、区長会においても要請した経緯があります。 次に、学校給食について二点のお尋ねがありましたので、一括してお答えいたします。 学校給食費の保護者負担の値上げについては、食材費の高騰や学校現場などの声を踏まえた対応と聞いています。 また、給食の無償化につきましては、これまでも申し上げてきましたとおり、今後、総合的な子育ての支援策を検討していく中で判断したいと考えています。 次に、羽田新飛行ルートの撤回についてのお尋ねです。 これまでも他会派からの質問も含めお答えしているとおり、区としては、羽田空港の機能強化を図ることについて、東京の国際化をより強化していくためには重要な課題であると認識しています。 一方、区民からの不安の声や御意見があることも十分認識しています。そのため、このたび町会等からの御要望を踏まえ、国に対し要請した結果、オープンハウス型の説明会に加え、区内六会場で個別説明会が開催されたところです。 区といたしましては今後も国の対応を注視し、引き続き区長会等の場で、国が責任を持って丁寧に区民へ説明し、環境の影響や安全対策等について取り組むよう必要に応じて要望していきたいと考えています。 こうしたことから、御質問のような計画の撤回を求める考えはありません。 以上、私からの答弁といたします。 ○議長(丸山高司) 豊岡教育長。 ◎教育長(豊岡弘敏) 私には、教育について三点のお尋ねがありました。順次お答えしてまいります。 まず初めに、教職員の長時間労働の改善と三十五人学級の実現についてのお尋ねです。一括してお答えします。 勤務の長時間化の原因は、主に次の三点が挙げられます。一点目は、若手教員の増加です。若手教員は、ベテラン教員に比べ授業時数や勤務の処理に要する時間がかかり、長時間化していることが考えられます。二点目は、平成二十年の学習指導要領の改訂において標準授業時数が増加したことに伴い、授業準備や成績処理などにかかる時間が増加していることです。三点目は、中学校における部活動の指導時間の増加が挙げられます。これらが主な原因と考えます。 次に、教員の定数については国及び都の基準に基づいて県費負担教職員の人事配置を行っており、国や都に対して教員の増員を要望する考えはなく、区独自に教員を増やす考えもありません。 これまでも教育委員会では区独自の講師による少人数授業やALTの配置、個に応じた指導を推進しており、今後も引き続き取り組んでまいります。 次に、学校給食の公会計化については、文部科学省が今後策定する予定である公会計化導入に向けたガイドラインを受けて、その内容や費用面も含めて検討してまいります。 続いて、勤務時間の把握については、自由民主党議員団の斎藤竜一議員の答弁でお答えしたとおり、中央教育審議会の答申を踏まえ、タブレット等を活用するなどして勤務時間の状況を把握するなどの対応を検討してまいります。 最後に、少人数学級の実現についてのお尋ねです。 渋谷区では国・都の基準に基づき学級編制を行い、学習内容に応じて少人数編成の授業を取り入れています。学級編制につきましては、今後も国及び都の基準に基づいて行ってまいります。 また、教員の定数については、国及び都の基準に基づき県費負担教職員の人事配置を行っており、国に対して教員の増員を要望する考えはなく、国独自に教員を増やす考えもありません。 次に、就学援助の拡充についてのお尋ねです。 新入学学用品費については、就学援助制度の趣旨や目的などを踏まえ、適切に設定されていると考えております。また、卒業アルバムは作成費用の一部を公費負担にしておりますことから、就学援助項目については現行を維持していきたいと考えております。 次に、所得基準の拡大についてですが、渋谷区では、就学援助世帯の所得基準を生活保護基準の一・二倍としており、東京都二十三区におきましてもおおむね同程度の基準が設定されております。したがいまして、就学援助の認定基準については、現行を維持していきたいと考えております。 最後に、放課後クラブの充実について二点のお尋ねがありましたので、一括してお答えします。 放課後クラブの指導員の配置については、国の配置基準を踏まえ、児童が安全・安心して過ごせるように適正な配置をしております。また、児童の安全等を考慮し、配置基準以上の人員が必要な場合は追加配置を適宜行っておりますことから、国に対して基準の緩和をやめるよう求めることは考えておりません。 静養室について、配置されてはいませんが、児童の体調が悪くなったときなどはクラブ室にソファーベッド等を用意しており、また、必要に応じて学校の保健室を活用するなど、休養がとれる環境を整えております。 以上、私からの答弁とさせていただきます。 ○議長(丸山高司) 二十六番五十嵐千代子議員。 ◆二十六番(五十嵐千代子) 区長に質問をいたします。 先ほどの自衛隊の募集問題ですが、とんでもないことです。 二十日の日に、自治労連が書記長の談話を発表しました。先ほど自衛隊法の話が出ましたけれども、自衛隊法でも、市町村に協力を求めることができるというふうに規定してあるだけで、応じる義務はないことを防衛省も認めています。自治体が全面的に協力すべきだとする国の態度は地方自治の否定であり、到底許されません。 私は、初めて区議会議員になったときに、当時の天野区長に平和の問題で尋ねたことがあります。そのときに、戦前から役人をしていた天野区長自らが「私は若いころに戦争に若者を送り出すために赤紙を配っていた」こういう話をされました。そして、その思いを二度と忘れることはできないので、今、平和のために頑張るというようなお話をされたんです。かつてそういう役割を役場が、区役所がしていたことを私たちは絶対に忘れてはならないのです。 こういう立場から改めて、自治労連も発表していますけれども、憲法尊重擁護義務のある自治体、自治体労働者は絶対にこの国が名簿を出せということに従ってはならない、従うことは地方自治の否定であり、憲法違反だということを改めて指摘し、区長の再答弁を求めます。 次に、大企業優先の区政について、庁舎の建替えと宮下公園の問題です。 これについても区長は、三井不動産が五百五戸を売ったらどれだけの利益が上がるのかということについて答えない。答えないということは三井不動産の立場に立っていることと、私は言わざるを得ません。というのは、区民の皆さんは自分の財産の上に建物が建って、そこに建てた人がどれだけ利益を上げるのかというのは、当然区民の人だったら知っておきたいと思うじゃないですか。それを答えないというのは三井不動産の便宜を図ることだと私は指摘をせざるを得ません。 先ほど、新庁舎がゼロでつくったという話が区長からありましたが、実際二十五年から二十九年までの決算額と三十年の予算額では、合わせて四十四億九千六百万円が支出されていますし、計画の見直しもされて、当初三十七階だった三井の分譲マンションが三十九階建てになって五百五戸に増やされているんです。こういう状況を区民のためなどということでごまかすわけにはいきませんので、改めて、こういう事実に基づいて答弁をいただきたい。 それから、宮下公園の再鑑定ですが、区長の裁量として認められているのは、地方自治法で市場価格、その販売処分するときの価格の三〇%以内は区長の裁量権ですよと言われていますが、我が党が指摘している百九十億円というのは、その三〇%どころの話ではありません。改めて、私たちはこういう立場で見直しを求めておりますので、改めて百九十億円もの値引きをする、こういう状況になるんだということを改めて、区長の認識も含めてお尋ねをしたいと思います。 それから、何よりも区の役割は区民の命を守ること。その命を守る最たるものが、私は国保料だと思います。こういう国保料がサラリーマンの協会けんぽに比べて国民健康保険が、区長も国に要望したとは言っていますけれども、子どもが一人増えるごとに、渋谷区では今年から五万二千二百円増えていく、こういう仕組みがあるのは国保しかないんですよ。だから三割以上もの人たちが区民の中でも納められない。給料の、年収の一カ月以上を国保料で納めなきゃならないんですよ。こんな過酷な保険料はありません。改めて、一億九千三百万円出せば、区が負担をすれば千代田区のように値下げもできるし、我が党が提案をしている子どもの均等割の半額軽減、低所得者の一割を上乗せさらに減額する、そういうことができますので、改めてお答えください。 神宮前三丁目に住む方から、羽田の飛行新ルートについて「東京都の環境確保条例では神宮前三丁目の住居地域の騒音は五十三デシベルというふうに規制されているが、新ルートが運行されると七十三デシベルになり、二十デシベルも騒音基準値をオーバーする。国に質問したら回答がなかった」また、難聴の方からは「医師から、騒音が大きくなることの影響は大きく、難聴はこのままだと悪化すると言われた」とおっしゃっています。こういう声を聞いて、改めて区長は撤回を求めないのか伺います。 ○議長(丸山高司) 長谷部区長。 ◎区長(長谷部健) 五十嵐千代子議員の再質問に順次お答えいたします。 まず、自衛隊について、戦争に送り出すためというところがどうにも私には理解できません。災害、震災が起きたときに、復興に向けて先頭に立って働いている姿、私はあの姿も忘れられません。今もOBに区にも来ていただいて、危機管理監に入っていただいて、区の安心・安全についても考えていただいております。 そういった中で、自衛隊イコール戦争をするみたいなところの発言については、私は到底理解できません。 そして、地方自治体の長としてとっている行動が法令違反だという認識もありませんし、法令違反ではないです。断言しておきます。 また、庁舎、宮下公園についてですけども、三井の立場に立っているというふうに申し上げられていますが、区長になってから再三同じ質問をされて、再三同じ答弁をしております。もう幾ら説明しても御理解いただけないんだなという段階まで来ているなというふうに考えます。 また、鑑定士についても、区は正式に、ちゃんと著名な鑑定士の方に数字を出していただいて、それをもとにやっております。もうこれ以上、幾ら繰り返しても同じだと思いますので、御理解いただければということしか、もう申し上げることはありません。 また、国保について。 これについては区長会で決めたことでは当然あります。この先、人口が減ってくる中で、どう支えていく人が増えていくのを、どういうふうにこれを支えていくか、サステーナブルなシステムにしていくかということが問われております。正直言えば、私ぐらいの世代が今、第二次ベビーブームです。この世代がですね、働き盛りで多くいる時代に、しっかりとこの問題に、嫌ですけども、取り組んでいかなければ次の世代にまた負担を押しつけることになります。これを繰り返すことはやめようということで多くの人が話し合い、合意をして得た結果だというふうに私は理解しております。こちらも御理解いただければと思います。 飛行場については、再三申し上げているとおり、区長会を通して、国にしっかり理解を得られるように説明を求めてまいります。これについては変わりはありません。 以上です。 ○議長(丸山高司) 二十六番五十嵐千代子議員。 ◆二十六番(五十嵐千代子) 安倍首相が求める自衛隊の要請に応えて、区内の十八歳から二十二歳の若者を抽出して提供しているというのは、とんでもないことです。まさに憲法違反です。改めて指摘をします。 今、安倍内閣が自衛隊をどう変えようとしているのか。震災のための自衛隊じゃないんですよ。武器を持って海外で戦争できる、そういう自衛隊に変えようとしている。そういうことを踏まえて、改めてそういう状況の中で同じことを繰り返すのか伺います。 それと、宮下公園の再鑑定の問題ですけれども、区長はですね、今、著名な鑑定士に頼んだんだからやらないと言いましたけれども、路線価が二五%も上がっているのに社会情勢の変化じゃないと言いましたが、神宮前の渋谷区が買った土地は、国の提起のお金が高かったんでしょうか、わずか五カ月の間で時点修正をして再鑑定しているんですよ。当然ですよ、それは。ね、契約前にやっているんですよ。そういうことをこっちではやっておきながら、何で二年も前に決めた評価額で契約しなきゃいけないんですか。改めて私はこのことを質問します。 それと、国保料ですが、千代田区は、前年と同じように繰入金を、同じ額を残して値上げを抑えているんですよ。渋谷区も一億九千三百万円出せば、さっき、八億円二年間で削っているんですよ。そのうちの一億九千三百万円を一般会計から入れれば値下げできるんですよ。改めてこのことを質問します。 ○議長(丸山高司) 指摘ですね。 ◆二十六番(五十嵐千代子) 質問です。 ○議長(丸山高司) 質問、はい。長谷部区長。 ◎区長(長谷部健) 五十嵐千代子議員の再々質問にお答えいたします。 自衛隊に対して、私は憲法違反をした行動をとっておりません。これだけははっきり申し上げておきます。 また、三井の鑑定についてです。もうこれは何度も答えたとおりですけども、この後、上がったり下がったりがこう長いスパンであるわけです。そういったものを考えて今の決断をしているということをずっと説明しております。御理解いただければというふうに思いますが、難しいんでしょうか。 また、国保についても同様です。この先、このままでいけば破綻するというところを、今、みんなで話し合って、こうした負担をしながら乗り越えていこうということで私は理解しております。五十嵐さんも理解していただければありがたいなと思うところですが、もうお願いするしかありません。 説明は以上です。 ○議長(丸山高司) 二十六番五十嵐千代子議員。 ◆二十六番(五十嵐千代子) 私は改めて、渋谷区政が大企業優先、区民の福祉を切り捨てていると言わざるを得ません。 三井不動産の宮下公園の借地料、我が党の鑑定評価で百九十億円ですよ、一年間五億四千万円まけることになるんですよ。そういう事態をですね、わずか一億数千万円で値下げできる区民の国保料を値上げしておきながら、なぜ大企業にそれだけのお金をまけてやらなきゃいけないんですか。全く納得できません。 改めて地方自治の本旨である区民の暮らし、福祉を守る、この立場に区政が立つことを私たちは全力で実現するために頑張ることを申し上げて、質問を終わります。 ○議長(丸山高司) 二十四番吉田佳代子議員。 ◆二十四番(吉田佳代子) 改選前の最後の質問になります。私の持ち時間は十五分ですけれども、大きく二点について質問いたします。 まず、協定についてです。 渋谷区では、多様化する行政課題や区民ニーズに対応するため、平成二十八年八月三日、LINE株式会社とS-SAP協定を締結したことを皮切りに、今では十九社、八大学と協定の締結を行い、産官学民の連携を図ってきたところです。 渋谷区で締結している協定はほかにもあります。先日、福祉保健委員会では、「住宅宿泊事業の適正な運営を確保するための協力連携に関する協定書」が、渋谷警察署、原宿警察署、代々木警察署の三警察署との間で締結された旨の報告がありました。 締結の内容は、渋谷区における住宅宿泊事業の適正な運営を確保するために、違反施設の指導監督を行う場合、必要に応じて警察と連携を行うことや、立ち入り先が暴力団関係施設等で職員の身に危険が及ぶ可能性がある場合には、警察に待機してもらうことができるなどの内容でした。 さて、渋谷区では、必要な場合には警察署と協定を締結しており、古いものから新しいものまであると思いますが、現在どのような協定が締結されているのでしょうか。所管ごとにお示しください。 先日、千葉県野田市で、小学校四年生の女の子が父親の虐待で死亡する事件がありました。この事件を受け、児童相談所と学校、市役所の情報共有と連携がなされていなかったことが浮き彫りになりましたが、職員も父親に恐怖を覚えており、身の危険を感じていたとも言われています。 この事件はまさしく傷害事件であり、警察が関与すべき事例であったと思いますが、そこまでに至ることができなかったことが非常に残念です。 先日、青少年問題協議会の中で警察の方から、児童虐待の疑いのある場合の対応として、どなり声など虐待と疑われる通報があった場合には女性警察官が現場に向かい、子どもの身体にあざなどの虐待の形跡がないかなど、調査を行っているとの報告がありました。 二十三区では、児童相談所の設置準備をしている状況の中、大田区では、今回のケースのように警察が関与することが望ましい場合のことを想定して、区内警察署と児童虐待の未然防止及び早期発見に向けた情報共有等に関する協定を結んでいます。渋谷区でもこうした協定締結の検討が必要ではないでしょうか。区長に伺います。 次に、まちづくりについて三点伺います。 まず、害虫及びネズミ対策について伺います。 以前からネズミの移動については課題となっていましたが、この問題は渋谷駅周辺再開発に伴うものだけではなく、日ごろから住宅街でも起こっています。特に、飲食店が多い駅周辺の建築物の解体時は、必ず害虫とネズミの移動が始まり、移動された建築物のオーナーや利用者は非常に頭を悩ませています。 渋谷区では、三千平方メートル以上の大規模建築物は、建築物における衛生的環境の確保に関する法律により、建築物の管理基準が定められております。その項目の一つとして、防虫・防鼠構造があり、所有者など管理権限者は定期的にネズミ等の発生場所、生息場所及び侵入経路、被害状況について調査を実施し、その結果に基づき必要な措置を講ずることが義務づけられており、建築物内には管理権限者が衛生管理に努めなければならないとしています。 渋谷区では、この法律を遵守すべきビルは全体の棟数のおおよそ何%を占めているのでしょうか。 さて、建築物の解体工事を実施すると、建物に住み着いた害虫やネズミが避難場所を求めて移動し始めます。解体工事の前に害虫駆除対策と害獣駆除対策を行っておくことが、近隣への迷惑防止及びまちの衛生維持に寄与することができます。解体工事を実施して、更地にしてから建物を新築する場合は、駆除済みの土地のほうがより衛生的な環境に建物を施工することができるメリットもあります。駆除作業をせずに解体してしまうと、一時的に避難して再び害虫やネズミが戻ってくる可能性も出てきます。また、災害時には、空き家に大量発生したネズミの駆除に追われた事例などもあります。 是非、建築物の解体工事前には、区は所有者に対し害虫及びネズミの駆除の義務化を求めていただきたいと思いますが、区長の所見を伺います。 次に、キャッシュレスについてです。 本年十月より消費税が二%上がり一〇%になる予定ですが、購入額の五%または二%分をポイントで還元する施策が打ち出されています。国としては、増税による不満の軽減とキャッシュレス促進の二重の効果が見込まれるところです。 ポイント還元となる対象は、クレジットカード、電子マネー、コード決済が見込まれています。期間限定の施策で、二〇一九年十月から九カ月間で検討されています。また、還元率については対象店舗の区分により決定する予定で、中小企業、飲食、宿泊などは五%還元、コンビニ、外食などは二%還元、百貨店などは還元ゼロを見込んでいます。どのお店が五%還元で、どのお店が二%還元か、判断するのが難しくなりそうです。また、ポイント還元の対象カードも種類があるので、混乱を招きそうです。 決済端末等の導入補助については、三分の一を決済事業者が、残りの三分の二を国が補助する予定です。決済手数料については、中小企業者が決済事業者に支払う加盟店手数料の三分の一を期間中補助する予定で、国としてはトータルで二千七百九十八億円の予算を見込んでいます。 こうして、期間限定の施策とはいえ、キャッシュレス化に向かう潮流は続くと見込まれます。 さて、渋谷区でも予算案として四千九百万円が計上されていますが、キャッシュレス化を進めるには事業者の理解を得なければなりません。また、商店街を多く利用する高齢者はカードを所有していない確率が高く、シニアクラブを初めとする、高齢者が多く集まる場所での普及啓発の必要があるのではないでしょうか。事業者への加入促進と普及啓発の取り組みについて、区長に伺います。 最後に、分煙についてです。 今定例会では、路上及び公園等での喫煙対策として一億二千百万円の予算が計上され、「きれいなまち渋谷をみんなでつくる条例」の改正も予定されています。我が会派は、分煙について以前から本会議で数々の質問をしてまいりましたが、事業者に対し受動喫煙を生じさせないよう、必要な環境整備を行うことなどが記載された第五条第一項の事業者責任については、桑原前区長の時代からの要望事項で、是非実効性のあるものにしていただきたいと思います。 また、販売事業者の責務についても大幅改善になり、高く評価しています。懸念材料としては、公共の場(公園と路上)での喫煙ができなくなることで、受動喫煙防止にはつながる一方で、今まで公共の場で喫煙をしていた方々が、どこで喫煙をするのかということです。まちなかでは、「子どもたちをたばこの煙から守れることはありがたいが、隠れて吸う人や喫煙所がなくなることで、たばこのポイ捨てが増えるのではないか心配している」「決められた場所で喫煙できるように、きちんと喫煙所を設けてほしい」という声が聞かれます。 渋谷駅周辺の商業施設の中へ喫煙者を誘導していく対応は理解しますが、商業施設は二十四時間開放されているものではなく、夜間の喫煙対応も必要になります。区民を煙から守る趣旨はもちろん異論はありませんが、一定の喫煙所確保は必要と考えます。受動喫煙防止に関しては、健康に関することは保健所、施設の屋内については各施設の所管部、屋外については環境政策部が担当し、受動喫煙に関する取り組みとして一元管理できておらず、事業者や区民、有識者も含め協議会などを立ち上げ、今後の渋谷区の受動喫煙防止に関する全体像を検討する必要があるのではないでしょうか、区長に伺います。 以上、答弁をよろしくお願いいたします。 ○議長(丸山高司) 長谷部区長。 ◎区長(長谷部健) 立憲民主党、吉田佳代子議員の一般質問に順次お答えいたします。 まず初めに、警察署との協定についてのお尋ねです。 渋谷区では、平成三十一年一月に、区における住宅宿泊事業の適正な運営を確保するため、「住宅宿泊事業の適正な運営を確保するための協力連携に関する協定書」を、渋谷警察署、原宿警察署及び代々木警察署の三警察署との間において協定を締結いたしました。 このほかに、平成三十年四月に東京商工会議所渋谷支部、渋谷警察署、原宿警察署及び代々木警察署との間において、「渋谷区サイバーセキュリティーに関する協定書」を、平成二十八年三月に、渋谷警察署、原宿警察署、代々木警察署、東京都宅地建物取引業協会渋谷支部及び全日本不動産協会東京都本部渋谷支部との間において、「危険薬物及び特殊詐欺の根絶並びに暴力団排除の推進に係る協定書」を、平成三十年二月に、渋谷警察署、原宿警察署、代々木警察署、渋谷区歯科医師会との間において、「災害発生及び事件・事故における身元確認及びこれにかかわる合同訓練について相互に協力することを申し合わせた協定書」、平成二十五年八月に、渋谷警察署、原宿警察署及び代々木警察署との間において、「渋谷区安全・安心まちづくりに関する覚書」を締結。 現在のところ、渋谷区内の警察署と締結されている協定書、覚書等については以上のものと確認しています。 次に、児童虐待対応における情報共有に関する協定を警察署と締結してはとのお尋ねです。 先ほど、渋谷区議会自由民主党議員団、斎藤竜一議員の質問でもお答えいたしましたが、現在も警察職員が児童虐待の疑いがあると判断した事案では、適宜、子ども家庭支援センターと情報共有を行い、連携して支援に当たっているところです。今後も、こうした連携を継続するため、協定の締結について検討してまいります。 次に、害虫及びネズミ対策についてのお尋ねです。 三千平方メートル以上の大規模建築物のうち、建築物における衛生的環境の確保に関する法律に基づく件数は、平成三十年十二月末時点五百二件で、建築物全体の棟数の割合については専用の集計がありませんが、過去の土地利用現状調査に照らし合わせると、おおむね三割程度と推定されます。 また、議員御提案の、建築物の解体工事前の駆除の義務化についてですが、ビル事業者等に義務づけても、ネズミが近隣に移動するだけで、根本的な解決にならないなど課題がありますので、引き続き有効な方策を検討してまいります。 次に、キャッシュレスについてのお尋ねです。 本事業の対象となる店舗や事業者に対しては、キャッシュレス決済の区内の実情やニーズの把握を行った後、事業説明会を随時開催していきます。これまでキャッシュレス対応に踏み切れていなかった店舗に対して、集客力や店舗運営上の効果やメリット、活用例などを知っていただきながら、導入を促進してまいります。 また、消費者に対しては、渋谷区議会自由民主党議員団、斎藤竜一議員の御質問の中でもお答えしましたが、キャッシュレス決済を余り利用したことがない方々や、議員御指摘の高齢者につきましても、スイカのようなICカードの普及で利用経験は上がってきていると考えますが、我が国の低いキャッシュレス決済率を踏まえ、利用店舗や決済方法、消費者へのメリットなどについて、わかりやすい周知方法を工夫しながら普及に努めてまいります。 次に、分煙についてのお尋ねです。 先ほど、シブヤを笑顔にする会の岡田麻理議員の代表質問でお答えしましたが、屋外喫煙所については、状況に応じ外部に煙が漏れない構造の喫煙所への変更、あるいは新規設置も検討していきます。加えて、国や都は飲食店やオフィス等における中小企業主を対象に、一定の基準を満たす喫煙専用室を整備する場合等に支援制度を設けていますので、この制度を案内していきます。 また、議員御提言の区民や有識者を含めた協議会等の立ち上げについてですが、まずは行政組織内で課題や施策についての共有と連携を進め、より地域社会の合意形成を進められるよう、様々な方策を検討していきます。協議会の設置については、必要に応じて検討します。 以上、私からの答弁とさせていただきます。 ○議長(丸山高司) 二十四番吉田佳代子議員。 ◆二十四番(吉田佳代子) 丁寧な御答弁をありがとうございました。 まず、協定についてですけれども、先日、福祉保健委員会で報告があったように、民泊のように新しい事業が次々と出てきて、そして警察との連携対応というのが非常に必要になってきているかと思います。児童虐待というのも昔は余り聞かれなかった言葉ですけれども、年々増えているということもございますので、この協定締結については検討していくということで、前向きな御答弁をいただきましたので、是非、連携しやすい体制を整えていただきたいと思います。 それから、害虫及びネズミ対策なんですけれども、ネズミと害虫が移動する前に駆除すると。何とかやっていただきたいと思います。これは本当に、まちを衛生的な環境にするためには、私はちょっと是非やっていただきたいと思っておりますので、また次の機会にこれはやっていただきたいということを言い続けたいなと思います。 それから、キャッシュレスについてでありますけれども、事業者のメリットよりも、何かデメリットがちょっと大きいかなと思っているのですが。例えば、コロッケ一個を百円で買うのに、このカード会社に三円ぐらいですね、大体三%、カード会社に手数料を払うということになりますので、それ以上の何かメリットの提示がないと、なかなかキャッシュレスに加わっていただける事業者があらわれないのかなとも思うんですが、やはり、時代の潮流としては、今後キャッシュレスという方向に進んでいくと思います。現金を持ち歩いていると高齢者の方が危ないということもありますので、特に高齢者の方々への配慮というものをお願いしたいと思います。 それから、最後に受動喫煙についてなんですけれども、一つだけ再質問したいと思います。区民や関係機関の意見を聞く場というものは、設けられるのでしょうか。その点だけお願いいたします。 ○議長(丸山高司) 長谷部区長。 ◎区長(長谷部健) 吉田佳代子議員の再質問にお答えいたします。 条例の中に、区民の意見を聞くというような規定はしてないです。今までの経緯を踏まえて、また喫煙に関しては非常に、区長への手紙を通して路上喫煙に対する問い合わせ、またネガティブな意見も多いところで、総合的に判断した結果ということでございます。 今までも、多様にいろんなところからの声は聞きました。それでこの条例を上程しているというふうに御理解いただければ。よろしくお願いします。 ○議長(丸山高司) 二十四番、吉田佳代子議員。 ◆二十四番(吉田佳代子) 最後、再答弁いただいたんですが、私としては是非、区民、関係機関の意見を聞く場というものをつくっていただきたいなと思います。 以上、所見を述べさせていただきましたけれども、任期中最後の質問を無事終了することができ、実は非常にほっとしております。今後も勇気と創造をモットーに、残り二カ月ですが、区政に取り組んでまいりたいと思います。ありがとうございました。 ○議長(丸山高司) 七番須田 賢議員。 ◆七番(須田賢) 秋元英之と須田 賢の須田です。 私たちは、去る一月三十日に新たに会派を設立しました。会派名に名前を入れたことを奇異に思われる方もいらっしゃるかもしれません。これは、私たちがそれぞれ自分の名前で、責任を持って区政に全力で取り組んでいく覚悟と意思のあらわれです。 私たちは、政治的な出自も、いささか政策も違います。では、なぜ組んだのでしょうか。二、三年前、私と秋元議員は、ある小学校の卒業式に出席したのですが、そのとき秋元議員が国旗に向かって国歌を熱唱していることに気づきました。秋元議員に「問題にならないのか」と聞いたところ、秋元議員は「国旗や国歌に罪はない」と断言しました。そうした点が一致できるのであれば、違いがあってもいつか組めるのではと予感し、今回会派を結成した次第です。「ちがいを ちからに 変える街。渋谷区」を、ちがいをちからに変える会派、秋元と須田ということで皆様に御理解いただければ幸いです。 それでは、質問に入ります。 まず初めに、ICTの活用について伺います。 新庁舎が開設され約一カ月がたちました。ワンストップ窓口など、利便性の向上が見られます。しかしながら、最新のICTの活用については区役所内部のことであり、どのように区民の皆さんにメリットになったか、見えない部分があると思います。システム基盤の整備につきまして多額の費用が投じられたこともあり、具体的に区民の皆さんに、どういう面が新庁舎に移って向上したのか、説明する必要があると思っております。今後またどのようなロードマップがあるのか、区長に伺います。 また、現在渋谷区でAIというと、「渋谷みらい君」が想起されます。みらい君で学習データを収集し、渋谷区のAIに活用していくというところで理解しているところですが、今後それとあわせてCRMシステムを充実させ、学習データを収集していくべきだと考えております。 CRMとは、カスタマー・リレーションシップ・マネジメント、つまり顧客管理システムで、区民の皆さんを顧客として捉えたとき、その対応について記録していくためのツールです。こうしたツールを推進することによって属人的な対応がなくなっていくと同時に、データが蓄積されていけば、AIの基礎データとして活用できると考えておりますが、区長の見解を伺います。 次に、キャッシュレスの推進について伺います。 区長は、キャッシュレス決済の導入促進を推進していくとのことですが、キャッシュレス導入については、初期費用のほかにランニングコストについても考える必要があります。クレジットカードの場合、ランニングコストについては比較的安いとされるモバイル決済事業者でも、三・二四%とされることが多いです。三・二四%でも、利幅が薄い業種によっては大きな負担となることが想定されます。 今やキャッシュレス推進大国となった中国で、QRコードスマホ決済が広まりましたが、それは手数料がかからなかったからです。当初、QRコードスマホ決済の大手アリペイは、一切の手数料を取りませんでした。POSレジもカードリーダーも必要がなく、自分が使っているスマートフォンだけで対応できました。飲食店経営者にしてみれば投資ゼロ、リスクゼロですから、対応しておいて損はありません。こうして、露店まで対応する環境が生まれ、消費者は現金と同じようにどこでも使える利便性に引かれて、一気に利用が広まりました。 結局、導入費用がかからなくても、ランニングコストが下がらなければキャッシュレス決済は普及しないと考えております。ランニングコスト削減が図れるように対策を考える必要があると考えておりますが、キャッシュレスの推進に当たり、初期費用のほかどのようなランニングコスト削減に対する対応策を検討しているのか、区長に伺います。 次に、羽田空港の機能強化による航路変更について伺います。 去る二月十五日、代々木八幡コミュニティセンターで開催されました、教室型の羽田空港機能強化に関する住民説明会に参加しました。これまでの説明会は、私が「羽田空港新飛行経路案に関する教室型住民説明会及び落下物事故の検証報告の早急な実施を国交省へ求める請願」を、一昨年の平成二十九年第四回定例会で私が請願の筆頭署名議員として説明し、皆様の協力を得まして、全会一致で可決したことを受けて開催されたと推察しております。説明会の中で、渋谷区上空に羽田空港への新飛行ルートが通り、航空機が上空を通過することとなり、飛行機からの落下物に対する懸念が出てきています。 落下物について国土交通省は、「航空会社の保険への加入を一〇〇%となるように検討します」という説明を今回しましたが、この期に及んでも、保険の加入については実施するということではなく検討しているという状況は、大きな問題だと考えておりますが、区長の見解を伺います。 また、今回の質疑の中で、住民の方から新飛行ルートによる音の影響について懸念が出ていますが、住民の求める実機によるデモ飛行の実施も決まっていません。そうした中で航路変更を進めようとする国の姿勢についてどのように受けとめているか、区長の見解を伺います。 新飛行ルートを飛行機が飛べば、区民は騒音など大きな負担を強いられる上、航空機落下物というリスクも負うことになり、区民の皆さんにはメリットはありません。国は、出国税、発着料等で財源が増加しますが、区民に何も還元されません。例えば、国が固定資産税の減免制度を設けるなど、あるいは交付金を区に交付するなど様々なメリットがあるようであれば、まだ検討の余地があるかもしれませんが、現状では何も検討されていません。そうした中で、こうした施策を進めることについてどのように考えているか、区長の考えを伺います。 次に、ハチ公バスについて伺います。 京王バスの渋谷六一系統は、平成三十一年二月十七日で廃線となりました。この経路を使っている人、あるいは高齢者のためにも、ハチ公バスのルートの変更や系統を増やす増便等を検討する必要があると考えております。代々木駅を経て初台駅から渋谷に戻ってくるようなルートがあってもよいと思いますし、系統を増やすことが難しいようであれば、春の小川ルートを少々変更して、初台駅を経由するようにすべきと考えておりますが、区長の見解を伺います。 次に、教育について、教育委員会教育長に伺います。 渋谷区では、全小中学校の児童・生徒にタブレットを配付して、先進的な教育に活用されているところは承知しておりますが、小学校低学年までは、ディスプレイ依存症防止のためにもタブレットではなく、「読み・書き・そろばん」と言われるように、手を使うことに注力した教育がよいのではないかと考えております。 ビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズといったIT業界の巨人たちは、自分の子どもたちの電子機器の使用を制限していたそうです。十歳以下の子どもたちは、こうしたディスプレイ依存症になりやすいという主張もあります。 高学年からの利用への変更を考えてもよいのではないでしょうか。こうした利用の変更により浮いた費用について、補習や応用学習のためにタブレット学習のコンテンツの充実を図ってみてはどうでしょうか。教育長の考えを伺います。 今回の四月に渋谷区議会議員選挙で立候補を予定している候補が、ツイッター上で「ヘイトスピーチ自体は国籍関係なくやったらだめです。外国人の犯罪率が高いので、刑罰も同様、割り増ししたいです。文句言うなら犯罪しなければいいです」と発言していますが、外国人の刑罰を割り増ししたいという発信は、まさにヘイトスピーチそのものであり、レイシズムであると言わざるを得ず、絶対に認められません。 渋谷区の小中学校では、外国人あるいは外国にルーツを持つ児童や生徒が多く在籍していると認識しています。人種差別をなくしていくために学校での教育が重要であると考えますが、こうした課題について、どのように教育の中で取り組んでいくか教育長に伺います。 最後に、公職選挙法関連について伺います。選挙管理委員会委員長に伺います。 平成二十七年第一回定例会で、渋谷区議会自由民主党の木村正義先生が、「選挙の六カ月前からは個人ポスターは禁止されています。そのような中、色あせた個人ポスターをまちの中で見かけております。このような事例に選管としてどのように対応しているのか伺います。選管の職務は多々ありますが、選挙の違反者を出さないことも仕事の一つと思います。違反者が出たら、残念ながらその後は当局の担当するところですが、そのようなことがないように注意するのも選管の仕事と理解いたします。御所見を伺います」と質問されました。 これは、恐らく私のことを御指摘されたのかなと受けとめておりますが、大変申しわけございませんでした。現在、自民党渋谷総支部の支部長として、支部の全政治的責任を一身に負う重責を担う立場であろう、重鎮の木村正義先生からこうした御指摘を受けたことについては、痛恨のきわみでざんきの念にたえません。重ねておわび申し上げます。まことに申しわけございませんでした。 今回はそうしたことがないように取り組んできたところですが、法令に反することがないように、選挙管理委員会委員長に質問させていただきたいと思います。 今後、私自身の後援会、政治団体の役員にサポーターとして人望のある方に就任をお願いすることを検討していますが、人望のある方は公的な職についているケースがあります。場合によって法的な制約があるのではないかと懸念しています。予備自衛官、民生委員、他区の事務所に勤務する都税事務所の職員、いずれかの職務に現在在職している方に、サポーターとして政治団体の役員に就任することをお願いした場合、法令に抵触するか伺います。また参考までに、そうした方たち自身が選挙への立候補を予定し、政治活動を行った場合、法令に抵触するか、あわせて選挙管理委員会委員長に伺います。 渡辺喜美参議院議員が、みんなの党を復活させたというニュースがありました。かつて、みんなの党では複数の居住実態のない候補を複数擁立し、当選した後、失職しました。本来資格要件のない候補が立候補することは大きな問題ですが、復活したみんなの党が再び同じような問題を引き起こすのではないか、懸念しています。 現在の法律上は、事前に選挙管理委員会で判断することはできず、事後の調査で判断するほかありません。居住実態の有無について、一般的にはどのように判定するか。また、立候補予定者に対する事前審査において、居住実態要件を満たさない場合、失職すると事前に注意喚起できないか。また、立候補要件がないにもかかわらず立候補し公費負担を求めることは、補助金の不正受給のようなものだと考えておりますが、居住実態がないことによって当選資格を失った場合、公費負担分について当該者に返還を求めていくべきだと考えますが、選挙管理委員会委員長に見解を伺います。 以上につきまして質問させていただきます。 ○議長(丸山高司) 長谷部区長。 ◎区長(長谷部健) 秋元英之議員と須田 賢、須田 賢議員の一般質問に順次お答えします。 初めに、新庁舎におけるICTの活用についてのお尋ねです。 このたびの新庁舎移転を契機に、区職員等が使うICT基盤を刷新しました。これにより業務を効率化し、職員の生産性を上げ、行政コストの大幅な削減と、区民サービスのさらなる向上を実現することを目指しています。 議員御指摘のとおり、二階の福祉総合窓口では、新システムを活用したワンストップ窓口を構築し、来庁した方が窓口を移動せずとも各種手続ができるようにいたしました。また、三階の区民総合窓口ではOCRシステムを導入し、申込書へ記入する作業を最小限にしました。こうしたICTの活用により、来庁した方の待ち時間の削減や記入負担の軽減など、窓口改善の効果が図られているものと考えています。 また、区役所内部において、四月からの電子決済、文書管理システムの本格稼働によって、紙削減による一層の経常経費の削減と意思決定の迅速化に努めてまいります。さらに、コミュニケーションツールを活用したペーパーレス会議は、その利便性により既に職員間に浸透してきました。こうした取り組みによって、抜本的に行政の生産性向上を図り、セーブすることができた時間やコストを、よりきめ細やかな区民サービスや区政課題の解決のための新たな取り組みに振り向けてまいります。 今後は、住民情報系の基幹システムを初め、各種業務系システムの刷新計画をスタートさせるとともに、BIによる高度なデータ分析による政策判断等、本格的な業務改革と区民サービスの向上に取り組んでまいります。 次に、CRMシステムについてのお尋ねです。 今後ますます多様化していく区民ニーズを的確に把握し、よりスピーディーに対応していくためのツールとして、議員御指摘のCRMシステムを活用していく視点は、非常に重要だと認識しています。 本区のCRMツールとしては、四月から実施する、コールセンターでの問い合わせ管理システムを活用した対応履歴等の分析を初め、既に区のウエブサイト上で公開している、FAQシステムでの検索履歴データの蓄積等を、より効率的で効果的な区民対応に生かしていきたいと考えています。 今後は、さらにAIと連携したCRMシステムについても研究を重ねていきたいと思います。 次に、キャッシュレスの推進についてのお尋ねです。 中・小規模の店舗がキャッシュレス決済を導入する際には、決済端末の費用、設置スペース、手数料、資金化までのタイムラグなどのハードルがあると言われています。キャッシュレスの推進に当たっては、こうした店舗の負担や不安に対応しながら進めていくことが重要と考えています。 議員御質問の、ランニングコストを削減するための対策といたしましては、国等の補助の活用や、五百台というスケールメリットを生かすことで、店舗の運用に伴う負担が少しでも軽減できるような事業の仕組みを検討していきたいと考えています。また同時に、区民や来街者の消費喚起につなげられるようなプロモーション活動を行うことで、キャッシュレス化の効果を店舗や利用者が感じてもらえるように、取り組んでまいります。 次に、羽田空港の航路変更に関して、三点のお尋ねですが、一括してお答えします。 羽田空港の機能強化について、国土交通省はこれまで、誰もが自由に参加し個別に質問のできるオープンハウス型の説明会を継続的に実施し、昨年十二月から二月にかけて、フェーズ五の説明会を実施したところです。また、本区においては、町会等からの要望を受け国土交通省に要請した結果、オープンハウス型に加えて、今年一月から二月にかけて、飛行経路に近い場所において地域別個別説明会が六地区で開催されました。 議員御指摘の全ての航空会社による保険加入や、新飛行ルートの音の影響、そして実機によるデモ飛行の実施など、説明会でも多くの質問があったと報告を受けています。 今回、オープンハウス型説明会を補完する地域ごとの個別説明会を行ったことで、国は、各地域特有の意見や要望を知ることができたと考えます。国は、寄せられた多様な意見について広く共有を図るとともに、その内容を踏まえつつ、環境影響等を配慮した方策のさらなる具体化を進めるなど、羽田空港の国際線増便に向けたさらなる対応を進めるとしています。 区といたしましては、今後も国の対応を見ながら、引き続き区長会等の場で、国が責任を持って丁寧に区民へ説明し、環境の影響や安全対策等について、取り組みを要望していきたいと考えています。 なお、御提言の、国からの還元についてですが、現時点においては求める考えはありませんが、今後の参考とさせていただきます。 次に、ハチ公バスについてのお尋ねです。 議員の御質問にありました渋六一系統の路線バスにつきましては、今月十七日の終バスをもって運行を終了いたしました。この路線を運行するバス事業者に確認したところ、利用者が減少していることにより路線を維持していくことが困難であること、代替路線バスのルートが確保できていることもあり、以前より運行終了を検討していた路線であったとのことです。運行終了後、利用客等からの問い合わせにおいても御理解をいただいているとのことでした。 こうしたことから、ハチ公バスにより今回終了したルートを補完してはいかがかとの質問でありますが、バス路線の新設・変更につきましては、路線の選定、停留所設置への合意形成、他のバス路線との調整、関連バス事業者との協議、陸運局の認可など様々な手順を踏むことが必要となり、最終的には、乗降客数の見込みや採算性の検証など、様々クリアしなければならない点があります。したがいまして、今回の路線バス運行停止に伴って、直ちにハチ公バスのルート検討を行う考えはありません。御理解いただきたいと思います。 以上、私からの答弁とさせていただきます。 ○議長(丸山高司) 豊岡教育長。 ◎教育長(豊岡弘敏) 私には、教育について二点のお尋ねがありました。順次お答えしてまいります。 まず初めに、小学校低学年のタブレット端末を使用した教育についてのお尋ねです。 授業では、小学校一年生から、発達段階に応じて活用を図っています。タブレット端末を早い段階から活用を図ることで、活用技能を計画的に習得させるとともに、タブレット端末を活用することの日常化を図ることができます。例えば、小学校一年生の生活科の学習では、カメラ機能を活用して撮影した写真を児童同士が見せ合うことで、友達との共有や違う視点があることに気づいたり、学習への興味を高めたりし、生活科の学習で重要な、生活の中での気づきや表現する力を育んでいます。 このように、それぞれの発達段階に応じた活用方法があり、教育委員会としては、児童・生徒一人一台の環境を生かしたICT教育を進めてまいります。 次に、人種差別に関する教育についてのお尋ねです。 教育委員会では、見直しを行った平成三十一年度の教育目標の一つに、「人を大切にし、互いに違いを認め高め合う人間」を掲げるとともに、基本方針の一つに「人権教育の充実」を図ることを明記いたしました。外国人に対する偏見や差別をなくすための取り組みに関して、学校においては、児童・生徒が広い視野を持ち異文化を尊重する態度や、異なる習慣・文化を持った人々とともに生きていく態度を育成することができるよう、教育の充実を図ってまいりたいと思います。 教育委員会といたしましては、今後も各学校に対して、道徳を初め全教育活動を通じて、全ての人の人権を尊重する人権教育の充実が図られるよう、指導してまいります。 以上、私からの答弁とさせていただきます。 ○議長(丸山高司) 大澤選挙管理委員会委員長。 ◎選挙管理委員会委員長(大澤禎子) 私には、政治活動、選挙に係る慣例法令について、二点のお尋ねです。一括してお答えいたします。 まず、選挙実態にかかわる質問でございますが、選挙執行前の現時点ではお答えするものを持ち合わせておりません。なお、四月の区議・区長選の被選挙権につきましては、立候補予定者説明会で立候補の手引を配付し、よくお読みいただき、御理解をいただくよう伝えているところです。 次に、公費負担の返還や後援会などの役員に関しての御質問ですが、現時点では想定の域を出ておりませんのでお答えすることが難しいです。御理解をいただきたいと思います。 以上、答弁といたします。   〔「すみません、言い間違えです」の声あり〕 ○議長(丸山高司) どうぞ。 ◎選挙管理委員会委員長(大澤禎子) 選挙実態と申し上げましたが、まず居住実態にかかわる質問でございますが、ということです。すみません。 ○議長(丸山高司) 七番須田 賢議員。 ◆七番(須田賢) 丁寧な御答弁、ありがとうございました。 CRMについて、すごく評価していだたきまして、やはりこうしたところは是非とも取り組んでいきたいなと。なかなかやっぱり、ITの投資って見えない部分、わかりづらい部分があるので、是非説明はしっかりと進めていただければなというふうに思います。 また、キャッシュレスの推進なんですけれども、補助金が終わった後に、結局また加盟店手数料が上がって、結局使わなくなるというのが一番恐れています。それをなくしていくために、例えば、加盟店事業者を区がまとめて、例えば、五百店舗あるのでこの料率でやってくださいと交渉するような、そうした取り組みをしたらいいんじゃないかなというふうに思っております。 ハチ公バスはなかなか厳しいなというところはあると思うんですけれども、やはりなかなか大変な部分があると思いますが、今後またバスの路線の変更があったときとか、そういうときにはまた是非改めて検討していただきたいなというふうに思っております。 あと、いろいろとありますけれども、引き続き渋谷区政、区民の皆様の立場に立って、無所属という立場でまた取り組んでいきたいと思います。 また次も、せっかく会派をつくりましたので、三カ月で終わらず長く続けられればいいなと、私は個人的には思っておりますけれども、これは区民の皆さんの決めることでございますから、しっかりとそうした区民の皆さんの負託に応えられるように、これから頑張っていきたいなということをお誓い申し上げて、私、須田 賢からの質問を終了させていただきます。 ○議長(丸山高司) 以上をもって、区政一般に関する質問を終わります。 これから日程に入ります。 日程第一を議題に供します。   〔野島次長朗読〕----------------------------------- △日程第一 会期決定の件----------------------------------- ○議長(丸山高司) お諮りいたします。 本定例会の会期は本日から三月二十六日までの三十日間とすることに御異議ありませんか。   〔「異議なし」の声あり〕 ○議長(丸山高司) 御異議ないと認めます。 よって、会期は三十日間と決定いたしました。 議事進行上、日程第二から日程第六までを一括議題に供します。   〔野島次長朗読〕----------------------------------- △日程第二 諮問第一号 人権擁護委員の候補者について △日程第三 諮問第二号 人権擁護委員の候補者について △日程第四 諮問第三号 人権擁護委員の候補者について △日程第五 諮問第四号 人権擁護委員の候補者について △日程第六 諮問第五号 人権擁護委員の候補者について----------------------------------- ○議長(丸山高司) 提案理由の説明を求めます。 長谷部区長。 ◎区長(長谷部健) ただいま議題となりました諮問五件は、人権擁護委員の任期の満了に伴い、法の規定するところによりその候補者を推薦するために提出するものであります。 諮問第一号は中馬民子氏、諮問第二号は若江健雄氏、諮問第三号は木村千鶴子氏、諮問第四号は松居智子氏、諮問第五号は野中智子氏の各氏であります。 よろしく御決定いただきますようお願い申し上げます。 ○議長(丸山高司) これから質疑に入ります。質疑はありませんか。質疑なしと認めます。 本件は委員会付託を省略することに御異議ありませんか。   〔「異議なし」の声あり〕 ○議長(丸山高司) 御異議ないと認めます。 よって、本件は委員会付託を省略することに決定いたしました。 これから日程第二を採決いたします。 本件については、区長諮問どおり支障ない旨答申することに御異議ありませんか。   〔「異議なし」の声あり〕 ○議長(丸山高司) 御異議ないと認めます。 よって、中馬民子氏を区長諮問どおり支障ない旨答申することに決定いたしました。 これから日程第三を採決いたします。 本件については、区長諮問どおり支障ない旨答申することに御異議ありませんか。   〔「異議なし」の声あり〕 ○議長(丸山高司) 御異議ないと認めます。 よって、若江健雄氏を区長諮問どおり支障ない旨答申することに決定いたしました。 これから日程第四を採決いたします。 本件については、区長諮問どおり支障ない旨答申することに御異議ありませんか。   〔「異議なし」の声あり〕 ○議長(丸山高司) 御異議ないと認めます。 よって、木村千鶴子氏を区長諮問どおり支障ない旨答申することに決定いたしました。 これから日程第五を採決いたします。 本件については、区長諮問どおり支障ない旨答申することに御異議ありませんか。   〔「異議なし」の声あり〕 ○議長(丸山高司) 御異議ないと認めます。 よって、松居智子氏を区長諮問どおり支障ない旨答申することに決定いたしました。 これから日程第六を採決いたします。 本件については、区長諮問どおり支障ない旨答申することに御異議ありませんか。   〔「異議なし」の声あり〕 ○議長(丸山高司) 御異議ないと認めます。 よって、野中智子氏を区長諮問どおり支障ない旨答申することに決定いたしました。 お諮りいたします。 本日の会議は議事の都合により延会することに御異議ありませんか。   〔「異議なし」の声あり〕 ○議長(丸山高司) 御異議ないと認めます。 よって、本日の会議はこれをもって延会することに決定いたしました。 次回の会議は明二月二十六日、午後一時に開議いたします。 なお、日程は当日文書により御通知いたします。 本日の会議はこれをもって延会いたします。-----------------------------------   延会 午後八時九分-----------------------------------右会議の経過を記載し、その相違ないことを認め署名する。渋谷区議会議長  丸山高司渋谷区議会副議長 古川斗記男渋谷区議会議員  斉藤貴之渋谷区議会議員  菅野 茂...